廃墟からの脱出
みんなでディズニーに遊びに来ていた時の事だ。遊び終わり帰る途中、間違って高速に乗ったことに気づいた俺は慌てて高速を降りた。降りたはいいがここがどこかよくわからない場所で、民家が少ないことに気づいたのはすぐだった。
「ねぇ〜大丈夫なの?道わかる?」
「っせーな、大丈夫に決まってるだろ!」
「にしては緊張してね?」
「してるしてる。」
「ナビがあるから大丈夫に決まってるだろ。」
などと言ってはみたが、ナビを見てもよくわからなかった。とりあえずナビの通りに車を走らせる。すると途中で一軒の空き家を見つけた。
「空き家だぜー。面白そうじゃん。いこーよ。」
「え〜行くの〜〜?」
「何かこう…出ない?」
「何が?」
「霊とか…。」
「んなんけねーじゃん。出るなら噂になってるって。」
そう言いながら二階建ての空き家に入っていく…。
男女2対2なのでペアを組んでそれぞれが一階二階へと足を向けた。懐中電灯はないが、遊園地で買ったライトがあったのでそれを手に進んでいく。
部屋の中は散乱していた。
食べ物の食べ残しや、ゴミまで落ちていた。
二階は部屋ばかりで特に何かがあったというわけではなくただ真っ暗なだけだった。
一階は浴槽やキッチンなどがボロボロになってて時折ポタッポタッと水が垂れていた。
「なんかやばくない?」
「何が?」
そう言った時一瞬何かが通ったような気配を感じた。
「ねぇ、なんかいない?」
「気のせいじゃねーの?」
「絶対何かいたって。」
「じゃあもう一度見てみる?」
そう言ってゆっくりと部屋を見て回った。
そして浴槽に来た時、薄ら寒い何かを感じた2人は灯りを照らして見て回った。その時見てしまった。そして、…「ぎゃー!」と叫んだ。
その声を聞いたもうひとつのグループが慌ててやってきた。
「どうした?」
「ヤバイよ。ここは。すぐに出よう。」
「何ビビってるんだよ。お前、男だろ?」
「そんなこと言ったってあれはヤバイって…。」
「何がそんなにヤバイんだよ。お前、よわっちーな。」
そう言いながら浴槽へと歩いていく。そして見たものは壁一面に真っ赤な血の色で書かれた【死】という落書きといたるところが血だまりになっているというところだった。ついさっきつけたばかりのように赤々としたそれは不気味で仕方がなかった。
「で、出るか…。」
さっきまでの勢いをなくした友人は急いでその場から離れ玄関に向かった…はずだったが、玄関が開かない。
ガチャガチャ。
動くのに開かない。
怖くなってきた友人は真っ青な顔でこう言った。
「出られない。」
「なに嘘ついてんだよ。どけよ。」
俺はそう言いながらドアノブをいじるが開かない。
「ヤバイよ。出られない。」
「うっそ、マジ?!」
「だからこんなとこくるのやだったのに…。」
「あんただって楽しんでたじゃん。」
「でもホントに出るなら話は別だよ。やばいよ、早く出よう。」
とは言ってもあと開きそうなのは応接室の窓ガラスくらいだ。ガチャガチャと何度か触ってみるが、少ししか開かなかった。
「おーい、誰かいませんかー!」
「なに大声出してんだよ。なんか出たらどうすんだよ。」と小声で話すが、女性陣はかまわず大声を出す。
【パシッ。】
音が聞こえた。
もしかしてこれが噂のラップ音なのかもしれないとまるで他人事のように俺は思った。だが、なんとかしてここから出なくてはならない。焦った。
だが、焦っても解決策は出てこなかった。
【パシッ、パシッ。】
音が近づいている。そう思ったのはその音と一緒に物が倒れたりしているから距離がわかるからだ。
手じかにあった椅子を使いガラスを割った。
【パリーン。】
その音と同時に部屋からの出口を確保した俺達は急いで車に戻るとその場から逃げ出した。
後から知ったことだが、その一軒家は昔からその場にあり、家をいじると不可解な事件に遭遇する事が多くなった。
今では心霊スポットとして有名になった。しかし謎が残る。
あの血は一体誰の血なのか?何故あんな風に書かれていたのか。本物だとすると被害者は?
あまり考えないようにすることにした。




