表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鉛色の空  作者: mojya
3/19

3話 啓の決意

THE説明回。とりあえずこれで説明は終わりかなー。

(柔らかい……いいにおいがするなぁ……もうちょっとこうしていよう……)


ゴソゴソ


「んっ……」


(あれ?女の子の声?まぁー夢だもんなぁ……多少はいい目見てもいいよなぁ……)


ごろりゴソゴソ……


「んぅ……センリさん……ちょっ……」


(ん……?センリさん?)


「アイラさんがっ……見てますからっ……ここではちょっと……その……」


「おーいセンリ。いつまでいちゃつくつもりだーい?ほれ、リンもちゃっかりさかってんじゃないよ!!」


「んなっ!?わ、わわ私はべべべ、べつにさかってなど、い、いまひぇん!!!!!」


「くふふ、真っ赤な顔してかみっかみでよくいうねぇ」


にやにやと笑いながらアイラが言う。

アイラ以外の女の子の声、柔らかい、いいにおい、そう、今啓はリンの太ももの上に頭を置いている状況なのだ。

実はアイラに声をかけられてから目が覚めているのだが、リンがさかってるどうこうのくだりからなんとなく起きづらい。なので恐る恐る目を開けてみる。


(うっわぁ……ここからだとおっぱいで顔が見えづらい……何この状況死ぬの?俺死ぬの?)


「まったくアイラさんはもう!……あっ!センリさん起きましたか?勝手に膝枕しちゃいました。調子はどうですか?」


「う、うん。すごく、いい気分ですハイ」


「はぁぁぁ……、本当によかったです。私を召喚したら死んじゃいましたなんて事になったらどうするつもりだったんですか!?この世界での急激な魔力枯渇は未だ何が起こるかわかりません。次はぜっっっったいにこんな無茶なことしちゃだめですからね!!!!!返事は!?」


「はっ、はい!!!すいません……」


「うんっ。よろしいっ。まぁセンリさんの魔力ならそうそう枯渇なんてしそうにないですけどね…。私達、コンパニオンから移すこともできますし」


「え、そんなことできたの!?言ってよアイラぁー…」


「ったく……あの時のお前さんが人の言う事なんて聞くわけなかっただろうに……」


「うっ……すんません……」


「次は撃ってでも止めるからね。そもそもなんであんな召喚をいそいだんだい?」


「あーそれはさ、自分でやってほんと馬鹿だなぁって思うんだけどもさぁ……あの時はハイになってたっていうか……そのー……」


「なんだい、煮えきらないね。男ならズバッとはいちまいなホレ!! 」


「そうです!!ほら!!」


やっと起き上がったセンリにガッと肩を組んで頭をグリグリしてくるアイラにズズイッと両手に握りこぶしを作って迫ってくるリン。

どちらも見ているだけで気後れするほどの美人なのにこんな近距離に迫られるとつい、息をのんでしまう。


「うっ……だからその……早く二人と会いたかっただけです……」ボソッ


「「えっ?」」


「だぁーかぁーらぁー!!二人がどこまでわかってるかしらないけどもこんな状況夢としか思えないしいつもゲームやってて二人と本当に旅でたらなぁって思ってたし超好みだし早くしないと終わってしまう気がして焦っただけなんだよ!!!!どうだ満足かぁ!!!」


一瞬きょとんと顔を見合わせるアイラにリンであったが、徐々に慈愛にみちみちた笑みに変わり、ガッチリ二人でセンリを抱き締める。




「はぁ~、ほんとお前っやつはさぁ~。そう思ってんのがお前さんだけだと思ってたのかい?」




「はぁ、全くです。私達が男の人に対してなんの理由もないのにベタベタすると思ってたんですか?心外ですっ」



「あ……え……?」


「あたしらはね、センリに創られてからあの鉛色の門を見つけるまでの記憶全部あるからね。そう、何回かねぇあんたがあたしらをかばって死んだのは」


「はっきりとした意識はここに来てからですが、なんといいますか夢を見ていた感覚といえばいいのでしょうか。あなたが必死になって私達を守ってくれていたのははっきりと覚えてます。目の前で消えていく貴方の姿も……」




グラウンドリムのコンパニオンはそれはもう強くするのが大変であった。なにより死んだらもう二度と戻ってこない。それなのにかかわらず、罠にかかって死ぬ、流れ矢に当たって死ぬ、高い段差から落ちて死ぬetc……。


強くなると心強いのだが、それまでが大変なのでコンパニオンを創らない人も多いくらいなのだ。しかし、センリはそんなのどこふく風、数々の死の危険から身を挺して守っていったのだ。

総プレイ時間1000時間あまり。その7割ほど育成に費やしたのではないだろうか。


「だけどこの世界で貴方は不死身ではありません。確証はありませんが、魔力枯渇だけでこんな状態なんです。説得力はあるでしょう?」


「そうさね、お前さんのおかげであたしたちだってそれなりに強くなったんだ。もう守られるだけの女じゃないよ」



「ん、そっか。わかったよ。ありがとう……」



ゆっくりとセンリを離した二人は笑みを浮かべながらも強い光を目に灯してしっかりとセンリを見る。

今までゲームでだけの存在が今目の前で、こんな人間味をだし、こんな事を言われてる、今までの人生でこんなにも昂ることがあっただろうか。

啓が決心するのにそう時間はかからなかった。



「うん、決めた。二人にこうして会うまではどうやったら元の世界に帰れるんだろうかとか、こんな能力持ってどうしたらいいんだとか、ごちゃごちゃ色々考えてたけど、二人がいればそんなのもなんでもいい。まだどんな世界かもわからないし、人もいないかもしれない。けど、この世界でセンリとして骨を埋める覚悟で生きていこうと思う。こんなオレだけどついてきてくれる?」


「くふふ、もちろんだ」


「当たり前です!」


「よし!!!!!そうと決まれば今後の方針会議だ!!!」


ググゥウゥ…


「……飯でも食いながらにするかね。くふふ」


「ふふっ、じゃああそこに転がってるオオカミ捌いてきますね。」


「はい……お願いします……」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



パチパチパチ……


だだっ広い草原のど真ん中で3人の男女が焚き火を囲んで肉をほおばっている。こんなもの獣などのいい的であるはずなのだが、3人の圧倒的強者の雰囲気ゆえか辺りにはなんの気配もない。


「とりあえずお互いのスキルから確認しないか?グラウンドリムではそんな明確にスキル化してなかったしな。実力の把握をしておけば戦闘はもちろん普段も動きやすいでしょ」


「あぁ、あたしらもここに来てからはっきりと自分の力は確認してないからちょうどいいね」


「センリさんが気を失ってる間に何匹かオオカミを倒したのですが、その時になんか聞こえましたね。確か、ステータス…ですよね」


ここでお互いのスキルを確認する作業に移る。定番らしい相手のスキルを覗けるスキルは持っていないので自己申告型でいくことにする。





name:SENRI Race:ハイヒューマン HP:36500(+50000)/36500(+50000) MP:1500000(+50000)/1500000(+50000)


固有スキル:CreateCompanion Ⅰ

      CreateWeapon  Ⅰ

      PartyAmplifier Ⅹ


職業スキル:ウェポンマスター Ⅹ

      レンジャー   Ⅹ


凡庸スキル:イベントリ、言語理解




name:AIRA Race:ハイヒューマン HP:20000(+50000)/20000(+50000) MP:1000000(+50000)/1000000(+50000)


固有スキル:CombatServiceSupport Ⅰ

SquireOfBonds Ⅹ



職業スキル:エリートスナイパー Ⅹ

レンジャー Ⅹ



凡庸スキル:イベントリ、言語理解、生活魔法




name:RIN Race:ハイヒューマン HP:42000(+50000)/42000(+50000) MP:720000(+50000)/720000(+50000)



固有スキル:EnchantAttribution Ⅰ

SquireOfBonds Ⅹ



職業スキル:ソードマスター Ⅹ

レンジャー Ⅹ



凡庸スキル:イベントリ、言語理解、生活魔法





「じゃー、まずはアイラからいこうか。スキルので詳細が見たいとおもったらそのスキルを見て念じてみ。」


「ん、こうだね。ふむ…」



・CombatServiceSupport(後方支援)

前線で戦闘する味方の支援をする際に発動される。仲間の危険を察知でき長距離からの支援を可能とし、HP回復、状態異常回復、身体強化などをMP500(一律)を使うことができる。スキルレベルが上がれば効果も増す。



・SquireOfBonds(従者の絆)

主または仲間との信頼関係により、念話が可能になる。また、主または仲間と行動を共にすることによりステータスが上がる。上昇率はスキルレベルに依存しており、スキルレベルは互いの信頼度に依存する。離れていても効果があり、仲間の居場所がどこにいてもわかる。習熟すると1秒につきMPが5回復するようになる。



・エリートスナイパー

超長距離からのスナイプすら可能にする腕をもった者が習得できるスキル。遠距離攻撃を可能とする武器を装備した場合、本来の100倍の威力がでる。より確実に相手を葬る為に身体強化Ⅹ、視覚強化Ⅹ、急所発見Ⅹが常時または任意で発動する。



「あはは……とんでもないねこりゃ……たぶん、オレのスキルも関係してんな。」




・PartyAmplifier(パーティーアンプリファー)

信頼する仲間の為にあるスキル。仲間への信頼が一定以上に達するとSquireOfBonds(従者の絆)が各々に発現する。習熟すると従者の絆に習熟スキルが追加される。熟練度は互いの信頼度に依存する。







「くふ、従者の絆なんてなかなか洒落てるじゃないか。なあ?リンさんよ」


「ええ…素敵です。それに熟練度が既にⅩではないですか。これ最高値ですよね?私達の絆は最強って事ですねっ!」


整った顔を赤らめフンスッ!と胸を張るリンについ顔を綻ばせながら暖かい目で見るアイラ。そしてリンの頭を撫でてしまうセンリ。



「ちょっ……なんですかぁ!二人して老夫婦みたいな顔してぇ!!」


「「いや……つい……」」



「んぅ……もう、撫でるのは反則です!!ほら次は私のスキル!!!」


「うんうん、そうだね。じゃあリンのスキルはどんなのかなー?」ニコニコ


「もぉー!!センリさんっ!!」


・EnchantAttribution(属性付与)

森羅万象の属性を無機物に付与することができる。レベル依存で使える属性が増える。現在は風属性、火属性。



・ソードマスター

刃物のすべてを知り尽くし、刃物による戦闘をこよなく愛した者しか習得出来ないスキル。刀の極みに達している為、刃物を装備すると本来の力を引き出し威力が100倍になる。習熟するといつまでもたたかえるようにする為に身体強化Ⅹ、武器修復Ⅹを使えるようになる。



「すごいや、なんか剣豪と鍛冶職人が混ざったかんじだね。かわいい顔して」


「そうかい?あたしは戦闘狂にしか見えないね。かわいい顔して」



「ううぅ~二人がいじわるな顔してますぅ。センリさんの方がゴリゴリの前衛職じゃないですかぁ!!!」


「いやー?オレは中距離遠距離もやろうと思えばできるよ?あ、そうだ二人に渡したい者があるんだ」



・CreateWeapon(クリエイトウェポン)

ウェポンマスターとセットのスキル。武器を知り尽くしたからこそ、魔力で武器をつくることができる。他人に授与することができる。授与する際に製作者が個別認識することで武器の使用が可能。個別認識されていない者は持つことすらできない。

また、消耗する部品または武器は使用者の魔力によって補完される。熟練度によりバリエーションが増える。



「ってゆうのがあってね、二人に持っておいて欲しいんだ。スキルの影響で使えると思うんだけど……。アイラはこれとこれ。リンにはこれとこれ」



センリはそういってイベントリからハンドガン2丁、コンバットナイフ2本、投げナイフ20本ついたベルト2つ、トマホーク多数取り出す。



「これが銃ってやつかい。スキルのおかげで手足のようにあつかえそうだけどさ。それに投げ斧に投げナイフか。くふふっ…燃えるねぇ……お前さんが作った武器つかえるなんてね」


「なんて機能的なデザインなんでしょう……一撃で確実に殺せる刃渡り、少ない力で深くまで刺さりこむこの曲線…その上センリさんのお手製ときました。ちょっとオオカミ殺ってきますね!」



妖艶な笑みでSIGP226を見つめるアイラに、かわいい顔に人懐っこい笑みを浮かべながらどぎつい事いうリン。


「まてまてまてまて!!今はいいから!!ね!!アイラもうっとりしてないでリンをとめてくんないかなぁぁぁ!?また説明はじめるから!ほ、ほら、説明パートはっじまーるよー!!!」



下を向き珍しく顔を赤くしもじもじしてるアイラと、いつもどおり真っ赤なリンを正座させて仁王立ちをするセンリ。


「説明……していいかな……?」


「「はいぃ…」」


「んんっ……おほんっ。今あげた武器は基本この3人しかつかえません。万が一落とす、奪われるとかしても念じればホルスターや手に戻ってくるからね。ここまでいい?」


「「なくすなんてとんでもない!!!!」」



「お、おう……。それで、そのSIGP226なんだけど、リロードの必要はないからね。代わりに1発につきMP10使うから使うときは考えて使ってくれ。16発撃ちきってからリロードするか、一発一発するか各々の判断してくれればいいや」



「便利なもんだね、MP自動回復の割合と考えるとあってないようなもんか。その、念じれば戻るってのはトマホークとナイフにも言えんのかい?」


「うん、もちろん。だから投げて戻してまた投げるってなこともできちゃうね。あ、投げナイフはある程度投げてまとめて戻すなんてこともできるはず!」


「ふんふん、それでこの多数のトマホークはストレージに入れて予備用ってことですか。ストレージはMP依存で容量が決まるみたいですしいくらでも持てますね!」


「そうだね。大きなものはオレが入れるようにしておけばだいたいはなんとかなると思うんだ。重さに依存してるのか大きさに依存するのかはわかんないから要検証だね」



「あ、あとアイラにはこの矢筒あげとくね。とりあえず、20本ある。これも魔力でリロードできるけど一本50つかうから気をつけて」



「いいねぇ!この縦長の四角錘の矢じり!!鎧にはもってこいじゃないか」


「予想だけど、この世界は魔法もあるしこんな自然が残ってるから文明的にはそんな発展していないんだろうと思うんだ。まぁ中世レベルなんじゃないか?だから貫通力を重視しようと思ってね」


二人は説明を聞きながら装備を整えていく。アイラは背中にどでかいロングボウと矢筒、腰には投げナイフのベルト、両太ももにはSIGのホルスター。


リンは背中に2本のトマホーク、腰の両側に2本ずつの刀を投げナイフのベルトに吊るし、両太ももにはコンバットナイフが1本ずつホルスターに入れられている。



「うわぁ……圧巻だよ……重装備だけど動きは大丈夫?」


「身体強化のおかげかなんの問題もないね。邪魔だったらストレージにぶっこむよ」


「ストレージから出しても装備された状態で出るのは便利ですね。私もこのぐらいの重さなら1000人切れそうです!」



各々装備を確認した後、装備をストレージにしまい夜営の支度をする。まぁ夜営具なんてないので、腕をまくらに地面に寝転ぶだけだが……。



「じゃあ始めの番はオレがやるから二人は休んでて。交代になったら起こすね」


「あいよ。なんかあったらすぐ叫ぶんだよ!」


「私は最後なので、センリさん。寝るときはここ使ってくれてもいいんですよ!」


と、太ももをパンパン叩くリン。スカートとニーハイの絶対領域に視線が吸いつけられるが超我慢する。超我慢。



「くっ……お願いします……」




我慢できなかった。


ご意見ご感想お待ちしてます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ