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二―五章
「気功には、その大元になるものがあります。
三世紀頃の文献、〈浄明宗教録〉や〈抱朴子〉などに詳細が書かれる前、新石器時代末の壺に〈亀の呼吸〉として既に描かれていました」
目を閉じ、瞑想でも始めたように、行斗は語り続けた。
気功は四千年以上の昔に、すでにその原型が出来上がっていたと言う。
「気功と言う名称は五十年程前につけられたものですが、数千年にも及ぶ時間と人々によって、医療、健康法、武術、瞑想、様々な進化を遂げています」
が、と行斗は付け加えた。その始まりを知る者は誰もいない、と。
「最近、それらよりも更に古い資料が発見されました」
半瞬の沈黙。
「それを調べれば分かるかも知れません。
気功の原型は何処からもたらされたのか、そして」
行斗が閉じた目を開いて、再び心を見下ろした。
「気功の真の目的は何なのか」
真の目的?
何だそれは。
そんなものが、いや在るかも知れない。
何の目的もない技が、数千年も伝えられる訳はない。
「発見されたものがどういう物で、何が記されていたのかは分かっていません。
ただ、現地の人々が言っていたそうです。
功宝が盗まれた、と