継章
気がつくと、心の視界は大きな双球に塞がれていた。酔螺の膝の上に心の頭が載せられている。
気を失っている間に、心は御堂に運び込まれていた。
「どうだい、何が観えた心?」
「……」
「ん?」
聞き取れずに酔螺が耳を近づけてくる。
「……Jカップが」
ベンッと叩かれた。
「こんな時に、ふざけるでないよ」
顔を抑えながら、心は上半身を起こした。
開け放たれた障子から外が見える。
「まだです、人はまだまだです。人の次を見出すなんて」
指の間から、深く蒼い空が広がっているのが見えた。
「自分で自分に答えを求めているようでは、何一つ分かりません」
「ほう……」
助けを借りながら立ち上がる。
ふらつく体を酔螺に支えられて外に出た心は、炎の収まった校舎の方を見下ろした。
「人は間抜けです、途方もなく間抜けです。その間抜けさが、でも、とても面白い」
澄んだ空気に包まれている事を思い出す。
その冷たさも、それを感じる自分にも、心地が良かった。
「人はやがて、あれさえも超えるのでしょうか」
心は空を見上げた。星々が消え、もう直ぐ朝日が昇る。
「人が人を知るのは、これからかも知れません」
第一部終
ふう。なんとか一区切りつけることが出来ました。
ネタもエピソードも山盛りあるのに、手が追いつかない。
才能、どこかに売ってないかなあ、グラム108円くらいで……




