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四―三章
酔螺は文字通り、さくさくと男達を倒していった。
どういう技なのか、襲い掛かってきた男達の方が、触れた途端にすっ飛んで行った。
格闘そのものは素人なので、腕刀を振り回すようにして男達を倒した心は、学園の異変に気づいて校門に飛び込んだ。
「火災!?」
心は膝から崩れそうになった。
焼夷弾でも投下されたように、理事長室のある校舎棟が赤々と燃えていた。
これでは功宝は跡形もないだろう。
「奴ら予想以上に動きが速かったねぇ」
「奴ら?」
しまったと言う顔をした酔螺を、心は見逃さなかった。
どういう事かと、聞き咎めた。単に功宝を狙っているだけの者達ではないようだ。
「崇鬼の守り人。遺跡を守る連中さ」
酔螺は国境近くの遺跡での顛末を話した。
「じゃあ、盗んできたんじゃあないかっ!」
「見解の相違だねぇ」
頭を掻きながら、酔螺は明るく笑った。
「どう聞いても、窃盗でしょうがっ!」
酔螺は惚けて、良く燃えているねぇ、と言いながら校舎を眺めた。
「これだけ燃えたら、跡形もないだろうねぇ」
大紅葉を蹴る心。無意識に浸透させた打撃の振動で、バサバサと葉が落ちる。
「おや、残念そうじゃあないか」
「見解の相違ですよ」
「言うねぇ」




