「死」「大切」「後悔」
私はあなたに会えてよかった。
私はもう少しで死んでしまう。
でも、私はあなたを離したくない。
あなたは私の大切な人。
死の近い私とは違ってまだまだ生きて行ける。
なのに私はあなたを愛してしまう。
あなたは私のそばに居ては、絶対に後悔するのに。
あなたは私のそばにいつも居てくれる。
一度、たった一度聞いた事があったよね。
「いつ死ぬか分からない私のそばに居て楽しいの?
あなたなら彼女なんて幾らでも作れるでしょ?」
私は言った後に後悔をした。
何でこんな事を言ってしまったんだ…
あなたは私を嫌いになってしまうのではないか、私はとても恐くなって顔をそむけてしまった。
「彼女か…」
あなたは困ったような照れたような声で反応した。
「だって私は歩けないしベットから一人で起き上がる事すら出来ないんだよ?」私の声は震えていた。
「私は「うん、ありえないな。」え?」
あなたは私の話を遮ってきた。
「何がありえないの?」
彼は笑って、
「僕はね…君以外の人を好きになれないよ。
だって、僕は
君以外の人と居て
心の底から人を愛した事は無いんだから」
自然と私の頬をなみだが一筋流れた。
その日私は声を上げて泣いた。
あの日から一年が経った。
あなたはいつもどうりの時間に白いドアを開けて笑いながら入ってくる。
その笑顔を見ていると
私はあなたに会えて本当に良かったと思う。
本当にありがとう。