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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後6年目

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976 星暦557年 桃の月 04日 次は?(11)

「3人だとイマイチ球を使ったゲームは面白くないな」

色々と球を使ったゲームを魔具に使えないかと実験してみたが・・・俺としては自分の身体で遊ぶ方が良くね??と言う感じだった。


ただまあ、身体のサイズとか足の速さとかで違いが大きい子供たちが集団で一緒に遊ぶのには差異が少なくなってより接戦になって楽しいかも知れないが。


残念ながら3人ではイマイチ遊んで試すのも上手く出来ず、一通り思いつく限りの球を使った競争やゲームを魔具で造ってみたので、後はシェフィート商会の関係者のガキ(と従業員も?)どもで試してもらって良さげなのを商品化を決めたらいいだろう。


「僕としてはこの球転がしをグループでリレー式にやったら面白いかもと思うな~」

シャルロが片手でギリギリ握れるぐらいな大きさの球を手に取りながら言った。


球を動かすということで、先ず俺たちは馬は無しに台をちょっと角度の急な三角錐みたいな形にして、球を押せる形にしてみた。


で、球蹴りのようなゲームが出来ないかと一応コートとゴールを造ってみたのだが・・・3人ではイマイチ試しようがない。

取り敢えず2人でドリブルして一人がゴール前でブロックする感じにやってみたが、球とゴールと更に組んでいる相手とを見なければならないので、意外と難しい。


自分と相手だけの争いの方がまだ相手の目線と手の動きと球に集中すれば良いので何とかなるのだが、ここで更に自分が組んている相手まで注意を払って仲間のサインや目くばせとかを見逃さない様にしようと思うと、球への注意がそれてしまって空振りをしたり球と台を当てる角度を間違えて見当違いな方へ押し出してしまったりするのだ。


これを実際の球蹴りゲームのような感じに6人ずつのチームでやろうなんて思ったら・・・まず無理じゃね??というのが俺の感想だった。


まあ、子供の球蹴りゲームなんて行き当たりばったりでそれ程視野を広く持っていないかもだから、球と目の前の相手しか見ずにプレーしても良いのかもだが。


もっと大きな球を決まったコースで動かすというのは個人技的な感じに競争するとそれなりに面白い。

ついでにこれをリレー式にして何周かコースを回らなければならないとなると、誰かが失敗したり追い抜いたりとかがあって確かにシャルロの言う通り面白いかも知れない。


3人じゃあイマイチそこら辺の盛り上がりに欠けるから、実際にもっと大人数で試してもらわないと分からないが。


「こっちの決まった順番でゲートにボールを打って通していくゲームも、それなりに面白いと思うが・・・自分の身体でやる方が思う通りに出来て楽しいと感じる人間の方が多くないか?」

順番に球を打って9個ほどのゲートを通す早さを競う遊びの室内魔具版といった感じなのだが、これって楽しいかな?


まあ、ゲートをくぐった後の角度と次のゲートへの位置取りとか、色々と考える頭脳プレーが必要だから頭がいい子供とか大人だったら楽しいかも?

ある意味、これも大人と子供がほぼ同等に競えるから親子で遊ぶのには良いかも知れないな。


とは言え、子供は落ち着きがないのが多いんだから、わいわい騒ぎながら球転がしでもする方が楽しみそうな気がするが。


「まあ、取り敢えず全部シェフィート商会で適当に試して良さげなのを売り出してもらえば良いさ。

台の魔術回路を変える必要がある程の大きな変更以外だったらあっちで適当に色々と試してもいいだろうし」


結局、ガタガタな障害物があるところでも動かせる構造とか、共鳴機能を使った映像を手元で見ながら動かす機能とかいった使い道は色々ありそうだがヤバ気な改造はしないことにした。


家や町の中程度の配達なんぞに魔具を使う必要はないし、救助とか危険な洞窟の中の確認作業に使えるだけの機能を持たせようと思ったらかなり大掛かりな工夫と高い出力のある魔石が必要になるから、悪用される危険も鑑みると時間をかける価値は無いだろうという結論になったのだ。


前回の毒探知機は日常の食事が命に関わる過敏アレルギー体質な人の為の安全用魔具だという名目にすることで力がある人間を味方に付けて国からの手出しをかなり封じたし、目立つ形にする事で用途もそれなりに限定できたが、配達とか探索用の魔具なんぞ権力を持つ人間がなんとしても販売を継続させようとする理由なんぞほぼ無いし、魔具の設計段階で悪用を止めるのも難しい。


確かに危険な作業をしなければならない人間の為にはなるかも知れないが、危険な作業というのは基本的に権力者ではなく金が無い人間がやることが多く、そう言った人間の安全の為に高額な魔具が使われる可能性はかなり低い。


そう考えると、開発したところで俺たちの思い描く様に使われる可能性はあまり無さげだから、頑張っても労力を無駄に掛けるだけになりそうだとと言う結論になったのだ。


シェイラの為に何とかしてあげたいなぁとも思ったが、だったら休息日に俺が行ってアスカと手伝う方が確実だ。


どうしても危険な場所での作業を急ぐなら、休みを取ってあちらに行ってもいいし。

直接手伝う方が時間を一緒に過ごせるし、悪用される危険もないしで一番だろう。


と言う事で、そろそろこのオモチャ関連の開発も終わりかな?


こっそり盗撮とか危険物を載せて制限区域への搬入なんて、魔術回路で制限できる事ではないですからねぇ。

遊びだけのおもちゃに留めるのが無難と言う結論に。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今回の研究でフットサルとかゲートボールの原型ができたかな? これでスポーツ史の起源で3人が出てきたら、研究者がまた発狂しそうだなぁ。 記録が残ってないからある種の笑い話ですが、世の中のマイナ…
[一言] 流石に超エキサイティングにはならんかったか
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