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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
魔術学院1年目
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009 星暦549年 青の月 19日 学院祭(3)ストーリー分析 

女性の感性というのは深遠なるミステリーだ・・・。


◆◆◆



『雪の姫の魔法剣士』を見終わった俺は早速アリシア・ノブリを捕まえて観客の黄色い悲鳴と甘いため息の解説を求めた。


「え~と、まず最初の出会いのシーンで、剣士が姫を見て足を止めますよね。何であれに観客が甘いため息をつくんですか?」


「だって、運命よ、運命!誰にも心を動かされなかった宮廷一と歌われた美姫と国一番の使い手と言われる魔法剣士が初めてお互いを見て恋に落ちるのよ!女なら誰でも一度は夢に見るようなシーンだわ」


・・・そうでっか。

魔法剣士は知らないけど、姫に関しては、父親が政略結婚をさせるために例え誰かに惚れてもそれを握り潰されていたんじゃないんかね?


「じゃあ、パーティの後半で庭に出た姫を魔法剣士が追いかけて、石垣の上に彼女を座らせて話しかけるシーンで黄色い悲鳴が上がったのは?」


はぁ~、とアリシアが甘いため息をついた。

「筋肉よ、筋肉。

いい男の筋肉を使っているシーンってドキドキするじゃない」


う~ん・・・。

魔術師である姫は石垣の上に座りたければ自分で体を上げられたと思うんだけどね。

勝手に頼みもしないのに腰をつかんで持ち上げられるって却って失礼なんじゃないかと思ったのだが、相手がいい男の場合は話が違うらしい。


「じゃあ、戦場でのご都合戦闘シーンでも悲鳴が上がりまくりだったのも似たような理由ですかね?」


「そうね、筋肉もだし、あとは剣士さまの魔術もあわせた強さに痺れちゃうってところかしら」


強いというのが魅力というのはまあ分かる。

とは言え、あの戦闘シーンはかなり無理があると思ったけどね。

仮にもプロの騎士や兵士が戦っているシーンでああも一方的に独りだけが強いなんて、ありえないだろうに。

剣の握り方もおぼつかない皇太子の近衛騎士なんて絶対にいないぞ。


「ちなみに、皇太子を助けて『礼には何でもやるぞ』なんて言われたのに姫の父親と交渉してくれって頼まなかったのって何か理由があるんでしょうか?どう考えてもあそこで頼むのが合理的だと思いましたが」


『合理的』な行動なんて煩いハエであるかのように、アリシアは話を手で払いのける仕草をした。


「そんなことをしたら話が盛り上がらないじゃない。いいのよ、剣士さまは他の事で頭が一杯だったの」


なんか、人間顔さえ良ければどんなバカでも英雄になれて女にもてるんじゃないかという気がしてきたぞ。


・・・まさかね。


な~んかとりあえず、突っ込みたい個所は大量に出てきた。

これをパロディみたいな感じにしたら脚本の骨組みが作れそうだ。


だが。

あんまり突っ込んだら女性陣から雷を落とされそうな気がする。


無事、この学院祭に参加できるのだろうか・・・。

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