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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後6年目
768/1298

768 星暦557年 藤の月 18日 ちょっと方向が違う方が良い?(9)

「服を綺麗にする方向性での試行錯誤は母が商会にがっちりやらせると思うから、我々が関与する必要は何か特定の事を頼まれない限り無いと思う」

新商品の販売予定とか使い方の試行錯誤に関してシェフィート商会の方に相談に行ったアレクが、ちょっとげっそりしながら帰ってきた。


「あ、そう?

いつ頃から販売が始まりそう?

義姉上とか母上とかおばあ様がとっても熱心に聞いてくるんだよね」

疲れ果てた様子のアレクにお茶を淹れる準備をしながらシャルロが尋ねる。


「取り敢えず、女性陣への売り込みの重要ポイントは美容効果だというのが母の意見だ。

製造数に限りがあるから冬の社交界が終わるまでは『先行販売』として貴族のお茶会とかで少数ずつ貴族用を売り出し、製造体制が整った夏から標準型を一般販売するつもりらしい。

母曰く、ドレスや礼服の手入れに使えるなら、それを口実にちょっと裕福程度な商家や職人世帯でも買えるだろうから大量に売れると見ているらしい」

なるほど。

確かに、シャルロの親族たちはドレスや礼服が綺麗になるのも喜んでいたが、まずは寝る前と朝に使って肌触りと髪艶が良くなったことに凄く喜んでいたし、さっさと試作品を寄越せとせっついていた知り合いや親族とやらは絶対に服の手入れ用ではなく美容の為に欲しいんだろう。


「美容かぁ。

そう言えば、あれって洗わなくても髪の毛のべたべたが治ってスッキリするだろ?

もしかしたら髪油で頭がギトギトで毛穴が塞がっているようなおっさんたちの禿げも少しは改善されるかもしれないぜ?

まあ、ギトギトが治ったから髪が生えてくるかは知らんが、抜ける量は減るかもって言ったら服の清浄化よりも更に売り上げに貢献しそう。

なんかこう、育毛効果のある精油でも、ラフェーンに教えて貰えないのか?」


一応神殿に行って回復術を掛けて貰うと禿げもある程度は治るらしいが、数か月で元の状態に戻るらしいから神殿の継続的収入になっていると噂で聞いたことがある。


というか、神殿に通うようなおっさんを何人か捕まえて、清浄化させた場合とさせない場合とで違いが出るか、確認してみたら良いんじゃないかな?


「育毛用の精油は・・・聞いたことはあるんだがそれなりに入手が難しい物ばかりだったんで売り出しは断念したんだ。

・・・だが、この魔具の効果を試してみる価値はあるかもだな。確かに禿げている人間は妙に頭がてかてかしている者が多いし。

シェフィート商会の人間でも頭皮の薄くなってきている者はそれなりにいるから、何名かに協力してもらって、神殿に通わせた場合と、神殿に通わせてこの魔具を併用させた場合と、この魔具だけを使った場合とを比べさせるか」

アレクが言った。


「映像用魔具を使って3日ごとぐらいの定点観測を記録して20日ぐらい続けてみたらどうかな?

ついでに神殿の治療の効果も観察出来たら面白そうだし」

にししと笑いながらシャルロが提案した。


オレファーニ侯爵家の親族たちは皆ふさふさだから、他人事なんだろうなぁ。

俺は・・・どうなんだろ?

漠然と微かに残っている記憶の父親はまだそこそこ若かったから禿げる年齢では無かったと思う。

祖父世代の親戚は見た覚えがないんで、これは年を取らないと分からないってやつだな。


「まあ、そちらもシェフィート商会に任せるとして、俺たちはどうする?

これでもう魔術回路の開発はほぼ終わりとするか、もう少し魔具として改善出来ないか頑張るか?」

そっと自分の髪の毛に触れてみながら二人に尋ねる。


「確かに、使い方や効果の試行錯誤は僕たちがやる必要は無いよね。

だとしたら・・・もう少し何か改善できないか、試してみようか。

でも、何を目指せばいいのかな?」

シャルロがちょっと首を傾げる。


俺も少し考える。

魔石の消費量を減らすのは常に良い事だが・・・ある意味、現時点ではあまり重要ではない。

高位貴族の女性陣が奪い合っているのだ。

魔石の消費なんぞ全く気にしていないだろう。


では、女性陣が喜んでいるのは何か・・・と言うと、美肌効果だな。

単に汚れを落とすだけと思っていたのだが、何故か普通に石鹸で洗ったり洗顔用のオイルでふき取るよりも肌が綺麗になるらしい。


「結局、この魔術回路って水分に溶けた汚れを水と一緒に除去しているんだろ?

あんまりやりすぎると肌がぱさぱさになるんじゃないかと思うが、あれだけ女性陣が喜ぶってことは今までの方法では汚れがしっかり落とせてなかったってことなんだよな?」

水蒸気にする水に精油を垂らしておいたら除去した脂分をちゃんと戻しているのかもしれないが。

そう考えると、精油なしでの使用はあまり繰り返さない方が良いんだろうな。


「そうだな。

だとしたら水にしっかり汚れが溶け込んでくれるようにすれば良いんだろうが・・・下手に『脂分を溶かす』なんて効果を魔術回路に足すとやりすぎる可能性もあるかも知れないぞ?」

アレクが指摘する。


「だったら、肌に触れる水を出来るだけ細かい蒸気にするようにそっちの魔術回路を工夫してみようよ。

湯気でも、すぐにぽたぽた垂れてくる湯気とみっしり細かい水滴になって肌に残る蒸気とあるよね?」

シャルロが提案した。


・・・そうだったっけ?


これはフィクションですw

どっかの商品特許のアイディアをパクっていても、実現性はないのでセーフ・・・な筈

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― 新着の感想 ―
[一言] ……………工房の現場組と後の歴史家組には「無言で手を合わせる」ぐらいしか出来そうにねぇ。 さて、三人が思いついた着眼点がさらに発展するかな? ある意味楽しみです、次の話ではせめて犠牲者が増え…
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