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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後5年目
637/1298

637 星暦556年 紫の月 2日 清掃は重要(8)

「これって押す側の手元の板だけじゃなくって、板の左右にも多少ガードをつけて横から荷物が落ちないようにした方が良くない?

今のままだと坂とかで斜めな状態で台車を地面に落いた際に物が散らばることがあって面倒だよね」

ノルデ村の外れにある坂で台車を動かす実験をしている所なのだが、坂の途中で台車から手を離した際に転げ落ちた箱を見ながらシャルロが提案した。


結局、子供用のオモチャに関しては馬車にぶつかった後に保護結界が出てもしょうがないので、ぶつかる前に保護結界を発生させる仕組みが中々難しく、後回しにすることになった。


なので台車をさっさと終わらせようと頑張っているのだが・・・。

上が開いた箱の形にすると、確かに荷物は落ちないが中へ積み込むのが意外と面倒なことが発覚した。


そこで押す取っ手側だけに縦板をつけることにした。

坂を下りる時は後ろ向きになって降りてもらう。

まあ、どうしてもそれが嫌なら前側にも自分で板を設置すればいいのだ。


俺たちは取り敢えず必要十分なだけの機能で売り出したい。

買った方に自分にとって都合がいい様に改造してもらい、大多数がそれをやっている様なら真似れば良いだろう。


取っ手の下に魔石を入れるケースを設置し、取っ手を握ると魔力が通って台車が浮いて動かす仕組みなのだが、重い物を載せると魔力の消費がそれなりに激しい。

なので途中で魔石が尽きた時の為に自分の魔力でも充填できるように魔力吸収の魔術回路もつけておいた。


勝手に空気中に放出される魔力を吸収するのではなく、手を触れさせて意図的に吸わせるタイプの魔力回路なので気を付けなければ昏倒しかねないが、こちらも握らないと動かないので気が遠くなったら勝手に解除されるだろう。


魔力が完全に無くなっても動くように台車の下に車輪を付けるべきか否かも話し合ったのだが・・・ちゃんとした車輪というのは意外と高い。

安物のすぐ壊れる用なのだったらそうでもないが、高額な魔具に安物の車輪を付けるのはどうかという話になり、かといって基本的に使わない筈の車輪に金を掛けるのは意味が無いだろうということで、車輪は無し。


代わりに魔石の魔力が切れても時間を掛ければちゃんと動かせるよう、使用者の魔力でも動くようにしたのだ。


坂での使用に関しては、別に坂で浮かべても勝手に降りていくという事は無かったが・・・上に乗せた荷物が落ちてしまう事が問題になり、握って動かす取っ手を棒で繋ぐのではなく、板を設置することで取っ手側から荷物が落ちないようにした。


台車本体は取り敢えず半ハド(10センチ)程度浮く様にしてあるのだが、意外にもその程度の高さでも急に結界が消えて浮力が無くなり地面に落ちる際の衝撃がそれなりにあるので、一応魔石に魔力が残ってさえいれば少しだけこの勢いを落とすように結界の消滅プロセスをゆっくりに。


これで大体問題は解決したのだが・・・。


「横に少しガードをつければ荷物の散乱は減るだろうが・・・問題は階段だな」

家に向かって歩きながら、アレクがため息をついた。


3、4段程度の階段だったら板を渡せば取り敢えずなんとかなる。角度が急なので降りるならば逆さ向きにならないと確実に荷物が落ちるが。


が。

「つうかさぁ、1階から2階に上がる程度の長い階段があるところだったら諦めて2人掛かりで台車を持ち上げるしかないんじゃないか?横向きに一段ずつ持ち上げていけばそこそこ魔術回路の浮力のアシストが効いて楽だし」


長い階段を渡せる程の板は持ち歩くのに向いていないのだ。

一々3段登るたびに板を台車の下から外し、上の方へ持って行くのは面倒な上に、台車から手を離すと下手をしたら本体が階段を落ちていってしまうという問題もある。


台車を横向きに出来て、階段の板の中央より内側に重心がくれば落ちないが、台車の幅が段の奥行よりも広い為にかなり気を付けて荷を積まないと・・意外とうっかり触れるだけで簡単に転がり落ちてしまう。

家の階段だったら横向きにすら出来ないし、街中の階段だってそこまで幅が無いのも多いし、幅があってもぎりぎりだから階段を塞いでしまうことになって通行人の迷惑だろう。


「二人で横向きに持って上がれるだけの幅がある階段はそうそうないぞ?」

アレクが指摘する。


「あ~。

というか、やっぱり階段があるような場所で台車を使おうっていうのが無理なんだよ」


「試しに、スイッチを入れたら半ハドじゃなくって1ハド(20センチ)1.5ハド(30センチ)浮く様にしない?

魔力消費量がぐっと増えるけど、階段の段より上に浮いていればそのままぐいぐい押し上げて進めるんじゃないかな?」

シャルロが提案した。


結界の反発作用は地面に近ければ近い程強い為、高く浮かせようとするとそれだけ魔力の消費量が増える。


最初は半ハドどころか0.1ハド位で作っていたのだが、意外と地面に石や段差がある為、ある程度の高さが無いとガリガリ台車の底板を削ることになることが判明し・・・大体問題なく動き回れる最低限の高さを試行錯誤して半ハドに落ち着いたのだ。


まあ、これでも轍の深い田舎道とかじゃあ足りないのだが、一応使用の殆どは街中だろうということで魔力消費の節約を重視したのだ。


が。

確かに、階段の時だけぐっと高さを上げれば一応登れる・・・か?

階段だけだったら魔力消費量もそれ程極端に多くはならないかもだし。


「取り敢えず、試してみるか」

ホバーバイクが売りに出た(と言うか、ホバーバイク用の保険が出た)と新聞で見ましたが、階段とかって登れるんかな?

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― 新着の感想 ―
[一言] と言うか、この魔法の軍事運用点。 歴史ストラジゲームのトータルウォーシリーズや、Age of Sailというナポレオン時代の海戦ゲームがあるのですが、そこで運用される野砲(臼砲とか大砲)を運…
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