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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後4年目

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573 星暦555年 翠の月 10日 結婚式(での会話)

「思っていたよりも地味ね」

王太子の結婚式を待たされ、その後も色々とばたばたしていたのだがやっとシャルロとケレナの結婚式が行われることになった。


結婚式とは結婚する二人の誓いの儀式というよりも貴族の間での家同士の繋がりを正式に契約して固めることを祝う儀式に近く、婚約式の方が友人や家族に華やかに祝われるので平民である俺たちは別に参加しないつもりだったのだが・・・『折角だから参加して、魔道具で記録しておいてよ』とシャルロに言われたことで俺とアレク(とシェイラ)も参加してひっそりと後ろから記録用魔道具を動かしながらその光景を眺めることになった。


まあ、ちょっと荘厳な儀式という感じでそれ程派手でもないし、貴族の連中と一緒に混ざって雑談しなければいけないなんてことも無いので良いんだけどね。


しっかし。

あのシャルロがとうとう結婚かぁ。

これから食事を一緒にすることもがっつり減るんだろうなぁ。

今までは朝食や夕食の際に色々これからの開発予定とか作業中の作業の進捗状況とかを話し合うことが多かったんだが、これからはちゃんと意識して話し合いの場所を持つようにしていかないと。


まあ、引っ越したと言ってもシャルロ達の新居はすぐ傍だから、食事が終わったらお茶を飲みにこっちに来ると言っていたし、その場で話し合えばいいのかもだけど。

もしかしたらケレナまで来るようになって却って前よりも話し合う時間が増えるかもしれない。


でも、そのうち子供ができたりしたらあまり仕事のためにこちらに入り浸る訳にもいかなくなるんだろうなぁ。

流石に魔道具の開発をしている工房に子供を連れてくるのは危険だろうし。


まあ、子供に関しては特に急がないと言っていたからその前に俺やアレクが結婚している可能性もゼロではないが。


・・・そう言えばアレクって何かお見合いを勧められたりしているのかね?

まあ、あちらは次男であるセビウス氏がえり好みしすぎて(『本人も家族も友人も絶対にシェフィート商会に悪影響を与えない人間』という条件にこだわりすぎてお見合いの話が全て実現する前に立ち消えているらしい)まだまだ先の可能性はあるが。


シェイラも仕事に熱中していて結婚はまだ先って感じだしなぁ。

俺もイマイチ結婚って実感が湧かないし。


う~ん。

シェイラに結婚したいのか、聞いておくべきなのだろうか?

下手に聞いてシェイラが『結婚したいの??』と変に身構えるようになっても困るが、かといって『いつまでたっても結婚を言いださないなんて、都合のいい遊び相手だと思っているの??』なんて思われても困る。


アレクもシャルロもイマイチこういうことの相談相手に向いている気はしないが・・・ケレナに聞いてみるべきか??

でも、幾らケレナとシェイラの仲がそれなりに良さそうとは言っても、どういう風に人生を生きていくかという価値観は貴族のケレナと商人出身で考古学者になったシェイラじゃあ大分違いそうだからなぁ。


シャルロとケレナの結婚式の儀式をそっちのけに密かにシェイラとのことを悩んでいたら、いつの間にかやるべきことは終わっていたのか、前の方にいた二人の親族連中が拍手をしてお祝いを言い始めた。


お。

終わったのかな?


「ちなみにさぁ、女性の考古学者ってどのくらいの年齢で結婚を考えるもんなの?

貴族だとケレナの年齢でもちょっと遅めらしいし、アレクの親戚みたいな商会の人間は事業の安定の度合いとかに左右されるみたいだけど」

神殿から退出しながら、さりげなくシェイラに聞いてみた。


シェイラがこちらを振り向いてじっと見つめた。

う。

怒るか??

結婚って女性にとっては何よりも重要なイベントだと学生時代に同級生に言われたことがあったが・・・。


「う~ん、特にこだわりはないわね。

これからもウィルと一緒に時間を過ごしたいとは思うけど、結婚しなくちゃそれが出来ないという訳ではないし、ウィルも特に結婚にこだわりがある訳でもないわよね?

どちらかが現状を変えたいと思うまでは、今のままで良くない?」

シェイラがあっさりと答えた。


「おう。

俺は構わないぜ。

ただし、子供が欲しいとか、結婚したいと思ったら言ってくれるとありがたいな。

そこら辺を察して俺からプロポーズしないなんて酷いって別れを切り出されたりしたら困る」


以前、タニーシャとイリスターナが楽し気に恋愛ものの劇の話をしているのをぼ~と横で聞いていた時に、『結婚したくないのにプロポーズされると、断って別れるか微妙に乗り気じゃないのにしょうがないから結婚するかの選択になって困るのよね~。

でも、結婚したい相手と付き合っているつもりなのにいつまでたっても結婚の話が出てこないと、遊びなのかとも思えてくるし』と話していたのを聞いて。思わず顔が引きつったんだよなぁ。


俺の内心をよそに、シェイラがこちらを振り返ってにっこり笑った。

「大丈夫、男女の関係に関しては鈍くて唐変木なところもウィルの魅力の一つだから。

安心して?」


・・・いや、それって安心して良い事なのか???



特にシャルロの結婚式について書くつもりはなかったんですが、流石に完全にスルーするのも無いかと思ってちょっとウィルとシェイラの間についての考察をw

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― 新着の感想 ―
[一言] 考古学者を辞めない限り結婚にも子育てにも全く向かないのにね。
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