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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後2年目
250/1298

250 星暦553年 青の月 3日 お祭り騒ぎ(3)

「そうしたら・・・俺たちの学年の半分ぐらいが手伝ってくれると想定して9人、後は去年と一昨昨年の卒業生の寮長だった人間にも一応声を掛けてみるか。

思ったよりも沢山の人間が参加したいと言ってきたらやることを増やしても良いし。

じゃあ、俺はジェスラン氏に軍部との話し合いを頼んだ後に、他の連中にも声を掛けてくるわ。

その間にお前さんたちは出し物に使う術を確認しておいてくれ」

クッキーを食べ尽くしたアンディが立ち上がった。


「ありがとうな、アンディ。

シャルロとアレクも。

これは言うなれば俺の我が儘みたいなものだったのに、いつの間にか話が大きくなって皆に手伝って貰うことになってすまない」


にやりと笑いながらアンディが手を横に振った。

「シャルロとアレクは知らんが、俺にとっては楽しいお祭り騒ぎで俺の存在感をアピール出来るんだから、かえってお前に礼を言いたいぐらいだ。気にするな」


「存在感のアピールって、アンディそんなに目立ちたがりだったっけ?」

シャルロが首をかしげながら尋ねた。


「言われたことしかしない、いつまでも受け身な新人なんて使えない人間としていつまで経っても下っ端扱いなのさ。

まあ、とは言っても勝手に相談も報告もせずに暴走する新人なんざ、弊害が大きすぎてそのうちクビにしろと言われるのがオチだから、そこんところは気をつけてバランスを取る必要があるけどな。

だから、魔術院の方針に沿って存在感を自分からアピール出来るイベントって言うのは、俺の有能さを上に知らしめる良い機会な訳。

別に、絶対にいつの日か魔術院の幹部になってやる!とか思っている訳では無いけど、そうなりたいとある日思い立ってもそれが不可能では無い様に『出来る男』としての自分を売り出しておくのは重要だぜ?」


ほぇぇぇ。

ただのお祭り好き男では無かったんだな、アンディ。


「ふふふ。

私達も協力するから、上手く皆を使ってお祭りを成功させてくれ。

魔術院の上層部にコネがあったらいつの日か役に立つかも知れないしね」

アレクが笑いながらコメントする。


「そうだね~。

ウィルも、別に僕たちに迷惑掛けたなんて思わなくて良いんだよ?

色々僕もアレクも助けて貰ってるけど、特に貸し借りなんて考えてないじゃない。

常に一方的に借りが生じるような関係は良くないけど、そうじゃなければあまり気にしないで楽しくやっていけば良いんだよ」

シャルロが俺に向かって言った。


そっか。

助けられると気になるが、助ける分には特に気にならなかったから忘れていたが、確かに俺が一方的にいつも迷惑を掛けている訳じゃあ無いもんな。


よし、気にしないでいこう。


◆◆◆◆


何かの形を複製する術というのは魔術院で習った基本的な術の1つだ。


教わったのは主に魔道具の元になるベースの複製や、ちょっとした実験用の人形を作る為の用途としてだったが、素材も大きさも指定できるので霧を素材として作ることは難しくないはず。


と言うことで庭で実験をしてみたのだが・・・。


「薄いねぇ・・・」

出来上がった雲モドキな俺のコピーを見て、シャルロがつぶやいた。


雲というのは遠くからだとはっきりと白い物体のように見えるが、近くからだと霧の様に見えるらしい。


そして霧というのは濃淡があるのは見えるとしても、人の顔が分かるほどにははっきりとはしていない。


「濃度を上げてみるか」

術の詳細を変えて、もう一度やってみる。


ふんだんにこれでもかと濃度をあげた霧の像は・・・水になって崩れてしまった。

「おっと。

そうか、霧ってあまり濃度を上げると水の塊になっちゃうのか」


「冷やしてはどうだ?」

アレクが提案しながら、術をもう一度唱える。


ぶふっ。

雪像が現れたのに、俺とシャルロが吹き出した。

「う~ん、雪像でも良いけど、邪魔だよねぇ。

しかもこれから暖かくなるから直ぐに溶けちゃって、周りを水浸しにしちゃいそうだし」


ううむ。

どうすっかなぁ・・・。


ちなみに、アレクが温度を冷やすことを提案したのは何とは無くであって、何かの理論に基づいての提案ではありません。

次の更新は22日です。

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