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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後2年目
217/1293

217 星暦553年 紫の月 15日 パディン氏の誕生日

ちょっと番外編もどきなパディン夫人の視点からの話です。

ーーパディン氏の誕生日にパディン家にパディン夫人の妹が訪れた際の会話より一部抜粋ーー



>>サイド パディン夫人


あの人はどこって?

勿論仕事よ。

いい年して、誕生日なんて祝わなくて良いって。

まあ、今までいつもそんな感じだったからね。

息子も夜に来ることになっているわ。二人のお気に入りの料理を夕食に色々出すために準備中なのよ。


窓?

ああ、開けなくて大丈夫なの。

これ、見て。

魔道具なんだけど、勤め先の人達が先日開発したのよ。使い心地とか耐久度とか知りたいから、そちらのお宅でも使っているんだけどウチでも使ってくれって無料でここに設置してくれたの。


凄いのよ、全然においがしなくなるんだから。

煙も上に上がったら消えちゃうし。

不思議でしょう?


魔術師の人達だから時々不思議なことをやっているし、便利な魔道具を幾つも開発しているからこの1年で色々面白い魔道具にも慣れてきたけど、何もやっているように見えないのに煙や匂いがどこかに消えてしまうのって本当に不思議。

ある意味、私が見た中で一番魔術らしい魔術なのかも知れないけど、全然見えないのよね~。


何でも、鉱山とかでも使えるみたいだからそちらにも売り込むよう商会の方に勧めるとは言っていたけど、彼ら的には普通の主婦に沢山使って貰いたいらしいわ。

本当に、ちょっと煩いぐらい使い心地とか何か不便なことがないかとか聞かれちゃったもの。(笑)


ちゃんとお給料貰えているかって?

そりゃあ、勿論よ。

ちょくちょく姿を消していたり、テストだとか遊びだとか言って遠出したりすることもあるけど、それなりに稼いでいるみたいよ。


お金の問題で深刻そうに話し合っている姿を見たことがないし、時々店で彼らが作っていた魔道具を見かけるし。


ふふふ、娘を紹介したいって?

ジルって彼らより5歳は年上じゃない!

単に何か魔道具の製作とか術の依頼をするために紹介するのはいいけど、そんな下心もって紹介なんて絶対に駄目よ。


第一、シャルロ様は貴族の方だからいくら気さくとは言っても世界が違うわ。最近は若いお嬢さんが時々遊びに来るのだけど、もう、あの方の着ているドレスの生地と言ったら!

平気で他の3人と庭で遊んだりするから普段着なのだと思うけど、この間セルダさんちの娘さんが結婚式で着たドレスに匹敵するかそれ以上の物だわ。


アレク様とウィル様は特にどなたかが遊びに来ると言うことはないけど、それなりに姿が見えない時があるからどなたか付き合っている方がいても不思議はないわ。


・・・もっと耳をそばだてればいいのにですっって?!

メアリー・アレダンズ!なんてことを言うの!

そんなことする家政婦は、三流よ!


いくら若い娘さんたちに会う機会があまりないように見えたところで、家政婦に変なお節介をされたら家で落ち着けなくなるでしょう。


どれだけ気さくな人達だとは言っても、私は彼らの使用人。

居心地のいい空間を作るために家の世話をさせて貰っているだけなの。

確かに、何か便利であったらいいなと思う物があったら言ってくれとは常々言われているけど、それと彼らのプライベートな生活に好奇心を抱くのは全く別問題よ。


あら、もうすぐお肉が焼けそうね。

そちらのオーブンを開けてちょうだい。

もうそろそろあの人も帰ってくるはずだし、大急ぎでケーキの準備を始めなきゃ。



次の更新は何にするか悩んでいるところなので、上手くいけば12日の12時、考えがまとまらないともう少し後になります。

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