表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後8年目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1402/1405

1402 星暦559年 赤の月 14日 消火用魔具(4)

 今日は朝食後に3人で毎度お馴染みな魔術院に来て特許科の部屋に入り、適当に3方に別れて特許を漁り始めた。

 適当とは言っても、俺が侵入探知系が多いところ、アレクとシャルロが冷却用が多い区画を探す事にしたんだが。


 俺の探している区画では冷却系はあまり無かったが、防犯と言うか、侵入防止の魔術回路は色々とあった。

 侵入防止は結界タイプならまだしも、魔力の線に触れると警報が出る系は俺にとっては丸見えだしちょっと弄って動かすのも可能だしで、あれがある屋敷は却って楽なぐらいだっただけどね。それでも結界タイプよりも魔力消費量が少なせいか、人気らしくて特許申請される魔術回路の数は多い。


 考えてみたら、このタイプ。

 防犯機能は微妙とは言え、魔力の線に触れると警報が鳴るのって煙の探知に使えるかも?

 光を受けるのを遮られたらって昨日話していたのとほぼ同じ論理だが、既に形として魔術回路が出来上がっているから特許申請されているこれらの方が完成度が高そうだ。


 まあ、光と魔力の線とでどっちが先に煙を探知するかとか、魔力消費量がどのくらいかを比較しなきゃだが。

 使える魔術回路の候補が色々と出てきて、良かった。


 とは言え。

 特許申請に書いてある程度の情報では、どの程度使い勝手がいいかはあまり分からないんだよなぁ。

 でも数が多過ぎるので、流石に全部を買って帰ったらかなりの値段になるし、何と言っても試作品作りとそれの動作確認が大変すぎる。

 取り敢えず、ざっと目を通して書いてあることがそれほど違わないのは一番新しいのを選び、古いのはどんどん棚に戻していく。


 頑張って数を削ろうと取捨選択していたが、昼食時には既に候補の資料が山盛りだった。


「なんかこう、侵入禁止系の魔術回路が大量過ぎるぐらいに出てきた」

 昼食を食べようと部屋を出ながらアレクとシャルロの告げる。


「へぇぇ、それは良かった。こっちは冷却用も多少はあるけど、急速冷凍用を謳ってるのは見てないかなぁ」

 シャルロが言った。


「面白いので、空気の壁を作る魔術回路があったぞ。

 その空気の中身を指定できるなら、扉や壁際、必要があったら床にそれを発生させることで火が他の部屋から入ってくるのを防げるかも?

 ただし、床は煙を避けるために身を屈めている人間がいると窒息するかもだが」

 アレクが彼の方の成果を報告する。


「空気の壁と言うか、空気を抜く結界を扉や壁際に展開するなんてどうかな?

 これも床を範囲内に入れると危険だが」

 空気が無ければ火が消える。

 大規模火災が起きて、どうしようもなくなった場合なんかに大掛かりな魔術で爆発を起こして一時的に空気が無い状態を作って消火する手法もあると魔術学院の授業で言っていた。


 爆破で空気を吹き飛ばす上に、燃える資材も破壊して地面にペシャンコに押し付けることで、燃える物がほとんど無くなる効果にも期待できるのだとか。

 それこそ、下町とスラムで火事が広まって制御不能になり、貴族街とかまで火が届きそうになった時に使う手段らしい。

 吹き飛ばされた火が更に別のところへ飛び火しないように結界で爆破範囲を大きく囲む必要があるので、かなりの人数の魔術師が必要になるらしいから、そう簡単に出来る術ではない。


 まあ、シャルロみたいな規格外な人間がいない場合の最後の手段ってやつだな。

 俺みたいな中位精霊の加護持ち程度だったら……学院長の火精霊に火の勢いを弱めてもらったら清早に手伝って貰ってなんとかなるかもだけど、微妙なところだ。


「温まった状態で空気を抜いた場合に絵の具にどんな影響が出るか不明だからなぁ。

 それを言うなら、考えてみたら急速冷却も不味いかも?

 結界の中の温度上昇を防ぐような魔具じゃないと、肝心の美術品を守れないかもだから、しっかり確認しよう」

 アレクが言った。


「下手くそなご先祖さまが描いた古いのとかそんなに古くない下手くそな油画なら一杯実家にあるから、それを何枚か貰ってきて実験しよう!」

 シャルロが提案してきた。


 なるほど?

 確かに、古い絵画だったら新しいのと反応が違うかもだし、俺たちが適当に絵の具をキャンバス塗りたくって乾かしたのを使って実験するよりは、要らないけど捨てがたかった絵があるならそれを使う方が良さそうだな。


「それ、ご先祖さまの絵が台無しになるかもだけど、良いのか?」

 態々取ってある物なんだろうに。


「なまじ部屋だけはあるから、無理に捨てる必要もないって適当な部屋に仕舞ってあるだけで誰も何年から何十年も見てないような絵が沢山あるんだよね。

 貴族って一応嗜みとして音楽か絵画を学ぶから。

 音楽だったら楽器や楽譜を皆で使いまわせるし、特に何も残らないから良いんだけど、絵画はねぇ。

 捨てるのもなんだけど、どう考えても人目があるところに侯爵家として飾れる程の物じゃないのが多くって。減るなら大歓迎なんだよね」

 シャルロが苦笑しながら言った。


 なるほど〜。

 比較的新しい下手な絵には、シャルロのも含まれるのかな?





子供の描いた絵とか写真って、意外と沢山になって処分に困りますよね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
酸化を禁じれば火災は起きませんが 人間も生きられないのが問題ですね
回路図の複合化の未来がぁ……。 銅板による回路図制作を思いついたら、需要がバカでかそうだけど悲鳴も上がりそうだなぁ。 まあ、エッチング等々の加工が大変なので、すぐには発生しないのが幸いですが。 でも、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ