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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後8年目

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1400/1411

1400 星暦559年 赤の月 13日 消火用魔具(2)

「取り敢えず、台所にある冷却と冷凍の魔具の魔術回路を使って、効果発生範囲を暖炉にでも指定して起動したら火が消えるかの確認と、後は火事の発見機能だなぁ」

 アレクが書いたメモを見ながら必要事項をまとめる。


「空気清浄機能が火事の煙に対してどの程度効果があるかも試してみたいね。

 煙に巻かれて意識を失って死んでしまう人って多いらしいけど、台所の換気に使っている空気清浄の魔術回路が役に立つか、調べてみようよ」

 シャルロが提案する。


 確かに。

 あの空気清浄の魔術回路は煙を多少は排除出来るだろうし、消火出来た後は煙いのを消す機能はある筈。ただし、実際に火事の最中に扉の下からもうもうと流れ込んでくる煙に対してどの程度実効性があるかは不明だ。


「あれの効果が十分あるなら含めておきたいところだが、どうやってそれを実験するかも中々悩ましいところだな。

 流石にどこかの小屋で煙が出るような何かを燃やして、誰かが気絶するまでの時間を測る訳にもいかないだろう」

 アレクが空気清浄と書きながら、ちょっと悩ましげに指摘した。


 そうなんだよなぁ。外から観察しているにしても、危険すぎる。


「またネズミを隣のベムに頼んで捕まえてきてもらって、実験小屋で色々と燃やした際にネズミが死ぬかどうか試してみるか?」

 保存用魔具の開発の際に、実験用にベムに捕ってきてもらったネズミは既に全部処分済みだから、手元にはいない。


 捕獲依頼が終わってしまった際のベムは非常に残念そうだったので、またネズミの供給を頼んだら喜んで捕まえてきてくれるだろう。

 そんでもって密封とまでは言わなくても換気を最小限にして煙が沢山出そうなものを燃やした際にネズミがどのくらいの時間で死ぬかを調べて、空気清浄用魔具を使っていたらその時間が変わるかで人間にも同程度の効果があると想定して利用するかどうかを決めてもいい……かな?

 ネズミと人間で、生存できる空気に違いがあるってことは……ないだろう。多分。


「そうだね~。

 流石に僕らが気絶するまでの時間を調べる訳にはいかないから、ネズミで実験してみようか。

 それで実際に効果があったら、壁紙とかで燃えると毒がでる素材を使っている屋敷なんかもあるから、どこかで危ないと言われている古い壁紙を入手して燃やしてみて追加で実験するといいかもだね~」

 シャルロが提案した。


 あ~。

 確かに、ヤバい壁紙が時折出回るって話は聞く。

 壁紙自体がヤバくなくても、暗殺アサッシンギルドとかが壁紙や蝋燭にヤバい毒を塗りこんで時間をかけて対象ターゲットを病死っぽく殺すこともあるって噂を聞いたこともある。が、それだけでなく、意図的では無く単に鮮やかな色を付けたいとか、ネズミが齧らないようにしたいって工夫をして『うっかり』が起きることもあるらしい。


 下町の人間の家じゃあ隙間風が多すぎてヤバい壁紙だろうが蝋燭だろうが、そう簡単にそれで死ぬなんてことは無いんだが。暗殺する価値があるような金持ちの家だとそこら辺も危険らしいんだよなぁ。


 そして部屋にあるだけだったらそれ程危険性は無い壁紙でも、火事になって燃えると煙が危険なのもあるんだろう。

 シャルロが知っているってことは、貴族の間では要注意な素材として注意喚起の情報が回ることがあるかね?


「そう考えると、空気清浄用の魔術回路は余程の効果があるんじゃない限り、使わない方が良いかも知れないな。

 空気清浄で煙に巻かれるまでにかかる時間が伸びるにしても、最終的に死んでしまうのだったらこちらの謳った効果が無かったじゃないかと責任を追及されかねない」

 アレクが眉を顰めてメモに書き足した『空気清浄魔術回路』の横に『?』を大きく書いた。


「そういえば、固定化の術を最初に学んだ時に、あれを強くかけ過ぎると空気の流れが阻害されて冬に暖炉で火をつけた時に中にいた人間が窒息することがあるって教わったよな。

 それを考えると、火事の時に煙自体に害が無くても窒息する危険性はありそうだよな。そうなると、空気清浄の魔術回路は意味がないか」

 毒性がある煙を少しは中和してくれるかもだが、確実に命を守る効果が無いんだったら、魔具の効果の一つとして謳わない方が良いだろう。そして購入者側に『こんな効果もあるんですよ』と言えないのだったら、製造費用をあげるような機能は足さない方が良いのかも。


「まあ、とは言え。

 出来ることならば使用者が全く健康被害なしに火事を凌げるようになって欲しいから、危険な壁紙を燃やした際の毒をどのくらい中和出来るのかを確認して、効果がそれなりにあるんだったら高級版にだけオマケとして加えておいてもいいかもだな」

 アレクが言った。


 だな。

 取り敢えず、ベムにネズミを捕って来るよう頼むか。


 あとは。

 どうやって火事を発見するかも重要だよなぁ。

 暖房器具なんかに温度探知の機能があるからそれを使えなくはないが、そこまで熱くなってから火事だと気づいてもちょっと手遅れな気がするが、どうなんだろう?

 反対に、煙の段階で気付いたとしても部屋を冷やして何か意味があるかも微妙だ。


 どうすっかね〜。





煙が部屋に入ってきた段階では警報を鳴らす程度で十分?

それともその時点で部屋を冷やし始めるべきか……

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― 新着の感想 ―
気付いたらもう1400話ですか……2000話まで行っても飽きそうにないですが。 しかし回路が複雑になり、幾つもの魔具の連動が避けられない話をしてますね。 連動する魔具の動きを制御する回路がやっぱり必要…
結界内の物は発火温度にならないようにするとか?
1400話おめでとう。 しかしこの3人組、こんなに仲が続くとは思ってなかったよな。属性の違いが喧嘩しない秘訣か。
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