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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後6年目
1288/1292

1288 星暦558年 橙の月 24日 保存(8)

『人間には効果がありそうだね~』

 横からひょいっと清早が出てきて教えてくれた。

 精霊って魔具や呪器の効果が分かるんかな?

 そういえば以前ジルダスの蚤市場フリーマーケットで見かけた、ちょっと洗脳効果のある魔具(呪器だったかも?)に関しても危険だって警告してくれたっけ。


「おう、教えてくれてありがとな。ついでに、こう……人よりも物に効果がありそうなの、ありそうか、分かる?」

 人間相手にあまり試したくないし、物に対して効果があるかを確認するのは難しそうだから、もしも清早が見分けられるんだったらそれが一番ありがたいんだが。


『元々これって人間を眠らせて静かにさせるための道具だからね~。

 人間に効かなくて物に効くなんて効果は不良品だよ?』

 清早が指摘する。

「不良品でも手間暇かけて作ったんだったら誰かに売りつけようとするのが人間だろ?」

 良心的な職人だったらちゃんと機能しない製品なんて壊して作り直すだろうが、呪器なんぞを作る人間がそこまで良心的な職人肌だとは思えない。


『言われてみれば、そうだね~。

 これとこれなんかは不良品っぽいけど、どう機能するのかちょっと分からないかな~』

 清早が並べてある中古の呪器の中から二つほど指差した。

 よく視ると、確かに魔術回路はさっきのに似ているがちょっと違いがあるかも?

 単に作った際に誰かが間違えたのか、使っている間にぶつかったか何かで魔術回路が壊れたのか不明だが、まあ取り敢えずサンプルとして合わせて3つとも買って帰って色々試すかな?


「ちなみにこの穢れみたいな薄暗い()()って作り方を変えたら無くなる?

 なんか気持ちが悪いんだけど」

 お陰でこの呪器を手に取るのも嫌なんだけど。薄っすら程度だけど、やっぱ長期的に手元に置きたくはない。


『どうだろ?

 同じような魔術回路をのウィルたちが作って、そのもやが生じたら回路が悪いってことで諦めて、生じなかったら作った人か材料が悪かったってことなんじゃない?』

 気軽な感じに清早が応じる。


「これって神殿とかに持っていったら清めてもらえるのかな?」

 いや、それ以前に蒼流か清早に洗い流してもらったら消えるか? 王都で以前騒動が起きた時は蒼流が洗い流したよな?


『洗い流すのは簡単だけど、効果が無くなるかも? 時々気に食わないモノが沢山集まっている所を洗い流すけど、そういう時にそういうモノが壊れないようになんて気を使わないせいか、大抵水が引いた後は全部壊れてるんだよね』

 清早が言った。

 『水が引いた後』という言い回しがちょっと心配なんだが……ここは詳しく聞かない方が良いだろう。

 数があるのだ。一度動物にでも実験してみた後にどれか一つを清早か蒼流に洗い流してもらったらどうなるか、実験してもいいかも。


 呪器やその魔術回路に直接水が触れなきゃダメなのかな?

 そうなると故障する可能性は高くなるかも?

 でもしっかり乾くまで触らなければ大丈夫な可能性だって無きにしも非ずかもだし。


「取り敢えず、この3つを試しに買ってみようぜ。

 これは多分機能する奴、こっちの二つは不良品かもってことでもしかしたら想定外な感じに起動して人じゃなくて物に効果を及ぼしたらいいじゃないかってことで。

 まあ、そうじゃなくても魔術回路を比較すればどこを変えたら機能しなくなるかのサンプルになるし」

 アレクとシャルロに声を掛ける。


「了解~。

 あとこれも珍しい足止め効果があるって蒼流が言っているから、ちょっと買ってみよう」

 シャルロが別の商品を手に取りながら言った。

 それも薄暗いもやっぽいのがまとわりついているから呪器っぽい。珍しい足止め効果ってどんな感じなんだろ?


 まずは人間じゃなくてネズミ程度に試してみよう。

 近所のガキに生きたネズミを捕まえてきてくれと頼まないとだな。






精霊は見覚えがあるのだったたちょっと知っている程度で、詳しくは知りません

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― 新着の感想 ―
物を眠らせたらどうなるんでしょう 意外となんの変化もなかったりして
まあ、詳しく知っている精霊が居ても、会話が成り立つかは不明ですしねぇ。 (絶対人の業に飲み込まれて、悪霊化一歩手前ぐらいのやつだろうし) そう考えるとそれなりに情報を得た上で買えたのは、僥倖にもほどが…
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