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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後6年目
1145/1303

1145 星暦558年 青の月 21日 遊ぼう!(32)

「さて。

ノルダスでの観光と散策は大体ひとまず終わったとして、次は沈没船探し!

どうやろう?」

朝起きて、ノンビリ朝食を食べ終わってお茶を飲みながらシャルロが大きな海図を広げながら言った。


ちなみにお土産としては昨日の蚤市場フリーマーケットで猫、犬、家鴨と熊のを買った。


シェイラは猫派か犬派のどちらかに入るかと思うがどっちも嫌いだった可能性に備えて家鴨を買い、ついでにもっとダイナミックなのが良い!と言われた場合にも備えて熊も買っておいたのだ。


シェイラが気に入ったのを選んだ後に学院長とかスタルノにお土産として渡す予定なので、王都に戻ったらその晩のうちにヴァルージャに行ってお土産を渡しておく予定だ。


一応スタルノにはスヴァンのナイフ、学院長には北の酒も買ってあるから、あの彫り物はちょっとしたおちゃめなオマケと言うことで本人たちが微妙に感じても構わないだろう。


自分用には清早が何やら跳ねている魚っぽいのが気に入ったようだったので、それを買った。

熊が魚を咥えているのにしたら魚と熊と両方あって良くないかと聞いたのだが、食われる寸前の魚ではダメらしい。


それはさておき。

沈没船探しか。

「結局、ノルダスから東大陸の方に大きな船が行き来した歴史とかってあるのか?

交易とか移動でそれなりに大きな船が定期的に動いてないと、東大陸との間の海域に沈没する船自体も無いだろう」

アファル王国とかの交易船が嵐で流されて沖で沈むこともあるだろうが、大陸から離れた遠方で沈むのは少なそうだ。


新しい航路探しの船が帰ってこなかったって言うのだって、食糧と水しか積んで無さそうだからイマイチ見つけても面白くないだろうし。


まあ、考えてみたら新しい航路を見つけた場合を期待して、帰りの食材とか水を買う為の資金をある程度は持って行くだろうけど。

現地のお偉いさんと伝手を得るためにちょっとしたサンプル程度の交易品も持っているかも知れないが、基本的に先の知れない航海の場合は食料と水が最優先になるから、おまけは微々たる量になるだろう。


「ノルダスはあまり大型船で交易する文化は無いらしい。

それなりに大きな船で遠距離漁業に出ることはあるとの話だし、帰ってこなかった大型漁船もあるという話だが」

アレクが教えてくれた。

そこら辺の情報はアファル王国では入手できなかったので、こちらで調べてから帰りにどこ経由で沈没船探しをするか、相談するってことになったんだよな。


「ちなみに、も~っと昔は職人肌じゃなかった戦士派な人たちが南の方に略奪に行く海賊ちっくな習慣もあったらしいけど、使ったのが大型漁船程度なサイズの船だったらしいからお宝満載で帰ってくる途中で沈んだとしても見分けるのは至難の業かも」

シャルロが付け足す。


おいおい。

まあ、貴族同士の争いや国家間の戦争だって突き詰めれば要は何か利益を求めて一方が他方にいちゃもんをつけて襲い掛かっているだけだが、大っぴらに略奪に行くって言うのは中々凄いな。


職人が作った優れた武器を、使いたくなったのかね?

略奪するよりは傭兵にでもなって戦いに参加する方がまだマシだと思うが、貴族の気まぐれで危険な前線で使い捨てにされるよりは、自分達の選んだタイミングで襲撃して略奪する方が良いって考えに辿り着いちゃった人間がいたんだろうねぇ。


あまりアファル王国ではノルダスが特に危険な国だとか蛮族だって印象はないから、アファル王国までは略奪に来なかったのか、遥か昔の話で民の記憶に残っていないのか。


となると、シャルロが略奪の話を聞いたのは蒼流からかね?

よくぞ気が付いたもんだね。

うっかりすると文明が滅びたのも『いつの間にか居なくなっていた』で終わっちゃうのに。


それはさておき。

「う~ん、だとするとこのまま海岸沿いに海底を探しながら戻るか?

東大陸まで行ってあっちの海岸線沿いに探しても良いが・・・香辛料じゃあ海に沈んだら何も残らんだろ」

魔具や陶器、磁器、金の細工物辺りを載せていないと沈没船を見つけてもあまり残ってい無さそうなんだよな。


毛皮とか寄せ木細工じゃ海水に浸かっていたら腐っちまうだろうし、鉄の武器も錆びてボロボロになるだろう。

ノルダスの鋼は錆びにくいって話だが、流石に何百年も海水に浸かっていたんじゃあ駄目になってそうだし。


「ノルダスの金細工をどこに売っていたかだな。

東大陸の方に売りに行った交易船が沢山あったならそれなりに面白そうだけど、あまりあっちの方に船を出したって話は残っていないから諦めて海岸線沿いに戻るか」

軽くため息を吐きながらアレクが言った。


どうやらアレクも東大陸へ交易にいった船があったら面白そうだと期待していたっぽい。

まあ、考えてみたら沈没船として今探して見つかるような大きな船って作るようになったのがここ数百年って感じらしいからなぁ。

そこまで未知な世界ではないのだろう。


もっと昔に大型船を作る歴史があった国を見つけたら、その近辺を探してみるのもありだけど。

ザルガ共和国当たりの方が大型船の歴史は古いかな?

だとしたら、次回の沈没船探しは南に行くべきかも。




ノルダスはドワーフとバイキングが混在してる様な国だった印象?

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― 新着の感想 ―
まあ、沈没するにしても下手すると海岸沿いを通って、積荷を全部陸に上げた後に完全沈没の可能性が高いので。 余程のことがない限り、帰国してデートですかね。 そして動物の彫り物(トーテム)で首飾りを仕込むと…
>シェイラが気に入ったのを選んだ後 全部気に入った場合は?
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