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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
魔術学院3年目
107/1292

107 星暦551年 青の月 26日 やっと?

この数日であまりありがたくない方面に顔を売ってしまった気がする。


◆◆◆


ダンガン家の3男が用意していた『保険』は彼が知っていた人身売買組織のメンバーの様々な情報だった。裏切られたり、恐喝されそうになったりした時の為に集めていたらしい。

それらの人間を逮捕するに十分な情報で、警備兵のキャプテンに唸らせるぐらいの質を持っていた。


だが。

残念ながらサーシャの姉に関する情報は無かった。


しょうが無いのでアレクとシャルロは学院祭の準備に戻ったが、俺だけは学院長の合意の下に警備兵と魔術院の人間と一緒に街中をかけずり回ってこの情報をもとに人身売買組織の壊滅へ奮闘する羽目になってしまったのだ。


ま、警備兵と魔術院の人間は壊滅へ奮闘、俺はサーシャの姉の情報を求めて奮闘ということで微妙に目標が違ったけど。


最初に警備兵が俺たちを連れて行った先は倉庫街にある建物だった。

「警備隊だ!」


大きな警告とともに警備兵が中へなだれ込む。

あっという間に倉庫の中にいた人間が拘束され、警備兵が倉庫の中を調べ始めたが役に立つような情報は見当たらないようだった。

まあ、最初の家での情報でこの倉庫を所有している商人の逮捕は確実だったんだけどさ。

警備兵としては更にこの先のコネクションも潰したかった訳。

だから必死になって倉庫をひっくり返していた。


俺はといえば、隠し金庫もしくは隠し部屋が無いかと倉庫を心眼サイトで検索していた。

人身売買の書類なんて危険だ。だが、それなりに記録を取っておかないともしもの時に問題になるし、人身売買の情報って言うのは恐喝の材料にもなる。

しかも偽造された署名が付いているとはいえ、魔術院の人間に鑑定されなければ立派に合法的(に見える)書類なのだ。

完全に処分されてしまっていると言うことは無いと思いたい。


・・・最初に見つけたのは、死体だった。

地下の停止の術をかけた部屋があり・・・中にそこそこの数の死体が積まれていた。

下手に死体遺棄をしてそこから足が出るよりは・・・とここに放り込んでいたようだ。


うげ~。

とりあえず、この死体は身元を確認する為に警備隊の方で似顔絵を作って回すらしいので、俺の方にも一枚くれるよう頼んでおいた。


で、更に視て回って・・・。

隠し金庫を見つけた。


暖炉の下って一体冬の間はどうしていたんだろ?

それともこれって飾り暖炉で実は火をつけないのか?


とりあえず、あまり警備兵に変なところを見られたくないのでひっそりと静かにこの飾り(?)暖炉のところまで来て、置いてあった木炭を除けて金庫の扉をあらわにする。


分からんなぁ。

こんなに暖炉のそばにあったら熱くって金庫の中のモノが痛むと思うんだが。


タダの飾りにするにしてはこの暖炉にはそれなりにお金をかけていそうだし場所も悪くない。


見つけるのには手間取ったが、開けるのは早かった。

ま、俺様の技能に勝てる金庫なんて無いのさ。


「金庫を見つけました!」

金庫の中には手をつけず、警備兵を呼び寄せる。


これで、次の拠点への資料入手と言う訳だ。


だが。

行く先々の拠点で金庫や死体やまだ生きているが軟禁されていた被害者を見つけたのに肝心のサーシャの姉が出て来ない。

お陰で悪戯に日だけが過ぎてゆき、俺は警備兵や魔術院の人間たちに卒業後に彼らのところで働くよう、熱心に勧められるようになってしまった。


時々友人や知り合いを助ける為に『正義の味方』をするのは良いが、定職としてやるつもりは無いんだよねぇ。

諦めてくれ。


そして今日は26日。

明日は学院祭が始まる。

警備隊への協力も今日で暫く止めなければならない。


今日こそ、何か見つかってくれよ~。






眠い・・・。

ターゲット捕捉は明日と言うことで。

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