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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後7年目

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1005/1343

1005 星暦558年 藤の月 3日 棚以外にも使えるよね?(?)

「次の魔具かぁ・・・。

去年造ったオモチャも中々良かったよね。

やっぱり家で和やかに楽しむ物っていいな」

シャルロがちょっと考えながら言った。


確かに美容関係で目の色変えて女性陣に詰め寄られるのは微妙だし、毒とか体質関連で命に関わるって言うのもある意味気が休まらない。


その点、オモチャって言うのは気楽でいいよなぁ。


「まあ、暫くは変に商業価値がある物を作るよりもオモチャの方が良いかも知れないな。

それこそ以前造った浮遊型台車みたいなのをもっとオモチャ用に改造するか?」

アレクがちょっと考えてから応じた。


あれは中々面白いし、楽しんでもらえそうだけど・・・あれはあれで熱中しすぎるとちょっと危険そうだからなぁ。

「あれって色々と工夫したら空滑機グライダーの地上版みたいな感じになりそうな気がするんだけど、大丈夫かな?」


馬を飼わずにそれなりの距離を移動出来たら便利そうだから売れそうに思うが、そうなったら今度は馬車の業者から睨まれないかな?


「あ~。

でもあれは地面の直ぐ上で比較的低い場所を動くから、道路を馬と混じって動くことになったらそれなりに土埃が大変だろうし・・・下手をすると前を歩いている馬の落とし物の直撃を受けるからそう言う利用はあまりしないんじゃないかな?」

シャルロが指摘した。


確かに、馬って時々歩きながら垂れ流すよな。

あれって目の前の馬がやったりするとびっくりなんだが、意外と後ろを歩いている馬は気にせずにふいっと直撃を避けるだけなんだよなぁ。

でも、浮遊型台車で移動中に前を歩いている馬が突然排泄行為を始めたら驚いて大きく避けようとした拍子に歩行者へ突っ込みそうだ。


「もっと出力を上げてある意味小型の馬車を浮遊型台車に載せてそれに乗る感じにしたらそう言うのは大丈夫かも知れないが、魔力消費量が大きすぎてあまり実用性はなさそうだな。

板だけ版だと使いたがる人間は多いものの、売ってみたら苦情が殺到しそうだ。

もう少し室内で無難なオモチャって無いかな?」

それに歩行者や馬の視線より下に座っているってあまり気分が爽快とは言えないし、かといって下手に高さを上げたらバランスが悪くなる。


「なんかこう、赤ちゃんをあやすようなオモチャって造れないかな?

従姉妹が妊娠しているんだけど、最初の子は中々気難しくてあやすのが大変だったって話なんだよね~」

シャルロが言った。


シャルロの家族って随分と子供が多くないか?

まあ、従姉妹って場合によっては又従姉妹ぐらいとか単に子供の頃に親しくしていた連中も従姉妹扱いすることもあるから、厳密にどこまで本当に従姉妹なのかは知らんが。


家系図を調べたら古い家系の貴族の連中なんてほぼ全て親戚扱いだろうし。


とは言え。

あやすオモチャか。

ずっと動いているのは非効率だが、赤ちゃんが起きている時だけ動くオモチャが作れたら良さそうだな。


「考えてみたら、俺らが垂れ流す余剰魔力って起きている時と寝ている時とで出る量が違うのかな?」

ふと気になった疑問を口にする。


「うん?

どういう意味だ?」

アレクが尋ねる。


「こう、空気中の魔力を吸収して極僅かに偶にカタカタ動くタイプの棚を東大陸で見かけて魔術回路を書き写してきたんだけどさ、抵抗が少ない動き方をするオモチャだったらそれで時折動かしたら赤ちゃんの注意を引いてあやすオモチャ代わりにならないか?

ただ、寝ている時に動いてもしょうがないから、起きている時の方が魔力の放出量が大きいならって感じだが」


カタカタ音をさせるよりも、無音でぐるぐるリボンが回るとかオルゴールを鳴らすとかの方が良いだろうが、オルゴールは余剰魔力ではちょっと厳しいだろうな。


「カタカタ動く棚って・・・何それ??」

シャルロが目を丸くして聞いてきた。


「嫌いな姉への嫁入り家具の形を取った嫌がらせじゃないかなんてシェイラは言っていたな。

元は嫌がらせ用なのかも知れないが、動くオモチャとして使ってもいいだろ?」

カタカタ動いて音を出して脅かすということは、オモチャを動かすことにも利用できる筈。


「嫌がらせに魔具を組み込んだ棚を作るなんてよっぽど仲が悪い姉弟だったんだな。

だが、寝ている時より起きている時の方が魔力の放出が多いのか否かもだが、まず赤ちゃんの魔力を吸収させてしまう魔具って赤子の傍に置いておいて大丈夫なのか?」

アレクが疑問を呈した。


確かに。


「どうせだったらこないだの球を動かす同調の仕組みを利用して、すぐ傍にいなくても魔力を飛ばして赤ちゃんが泣いたら大人がオモチャを動かす感じにしたらどうだろう?

お茶を飲みながらでもあやせるというのは有難いかもしれない」

シャルロが提案した。


なるほど。

一々赤子が泣くたびに抱いてあやさなくて済むだけでも、親にとっては楽かも?

でも、魔具を買えるような金持ちだったら乳母が居る気がするんだが。


それでも自分の傍に赤子を連れてきて一緒にお茶会に参加したいとか、あるのかな?


乳母を雇う様な金持ちだったら赤子をあやす用のオモチャなんて要らないですかね?

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― 新着の感想 ―
[一言] 子供用のガラガラが魔力で動くかぁ。 ………電池で動くおもちゃがなければ子供が飛びつきそうだなぁ。 まあ、「電車とか車」をじっと見続ける子供も居るから、お茶会が終わるまで乳母の方が楽になりそう…
[一言] 自動三輪車とか?
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