4、 リリス・アークライト
この本について1度まとめておこうと思う。
真っ黒な外見だが魔力を流すと金色の文字で
'死者の蘇生に関する闇の魔術'という文字と巻数であろう数字が浮かんでくる。今持っているのはⅢとⅤ。
本の内容は最初のページ以外は古代の文字を使われた高度な暗号でできており解読には相当な時間がかかるだろう。まぁそれは少しづつやっていくとして、問題は最初のページに書かれている事だ。このページには同じく古代文字で書かれてはいるが、暗号化はされておらず、2冊とも同じ内容が書かれていた。
以下〜内容〜
まず初めに、この本が悪用されないことを祈る。この本は私の人生をつぎ込み完成させた死者を蘇生させるための魔術を記した全7冊の本である。複雑な暗号で記しているのは、私がこの魔術が普及することを望まないからである。
死とはいかなる生命に平等に与えられるものであり、生に尊き意味を与える。故にこの魔術は本来存在してはならないのである。それを理解しておきながらこの魔術を完成させてしまったのは、ひとえに人の性であろう。
この本1冊の暗号を解読したとしても、魔術を理解することは出来ない。この本は7冊全て揃って初めて意味をなす。
最後にこの本を開いたものには呪いがかかるようになっている。この本を集め魔術を完成させるように促す呪いである。てへぺろ
〜リリス・アークライト〜
俺は初めてこの本を読んだ時、この本を投げつけると共に、このリリスとかいうおそらく魔女であろう者に激しい怒りを覚えた。
てへぺろじゃないだろう!こいつッ!確かに魅力的な内容であるがなんて迷惑な呪いをかけてくれたものか!
そして本を見つけてひと月、ある男に予言を貰った。
アストラ魔法学校に近いうち、7冊の本全てが集まる、と。
かなり信用できる預言者なので間違いないと言い切れるだろう。なのでアストラに通うためかなりの勉強をした。
しかし内心この本は偽物では無いのかと疑っていたのも事実である。
死者の蘇生、不老不死、どれも長いこと研究されていた分野である。実際擬似的ではあるが不死に限りなく近い状況になれる魔術は存在する。
しかしいずれも完璧な状況に至ることはない。
それをこの魔女は完成させたという。それも本の材質を見るあたりかなり昔のもののようだ。おそらく500年は前のものだろう。
この呪いが妙に強力で現時点で解く方法がないのでしぶしぶ流れに乗っているが、正直この呪いがなければすぐに捨てている。
だからこそ、魔法省の人間であるというあの二人が本を見せてきた時、疑念が確信に変わった。政府の人間ともあろうものが呪いを解けないと言うことは無いだろう。
それに蘇らせたい人間がいない訳では無い。
きっと俺も'のまれかけている'のかもしれない。
だが仕方ない。このふざけた魔女の言いなりになるようで癪に障るが本を集め、暗号を解いてやろうと思う。その後のことはその時の自分に任せるとしよう。
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