30、無駄な時間
目を開けると全く別の空間へと転移させられていた。
そこは割と広い正方形の空間でレンガの壁で覆われていた。
「あ〜〜!アランくんやん!」
その空間には俺とナツの他に、アルバート、ライアン、そしてこちらに気づいたアルフレットがいた。
「お前らここにいたのか...無事でよかった」
「なになに?心配してくれたん?」
ニヤつきながら擦り寄ってくるアルフレットを横目に壁に向き合って何やら集中しているライアンとアルバートを見る。
「そこの子は?」
「申し遅れた、某はナツ・ヒナツキ、ナツとお呼びくだされ、さまよっていたところをアランどのに出会い共に行動しておりました」
「お〜僕はアルフレッド・マクミラン、アルフレッドでええで、ほんで向こうにおるのがアルバートくんとライアンくんな、よろしゅう、でここに来たってことは罠にかかったな?」
「あぁ、発動条件は分からんが簡易な転移罠ってところか、あの二人は何してんだ?」
「なんかな、扉みたいなのがあるんやけど8桁のパスワードみたいなん入れるところがあるんよ。であの二人が1時間くらいかな〜頑張って試してるってかんじや」
ダイヤル式なのかものすごい腱膜でパターンを試している。俺たちに気づかないほど集中しているようだ。
「あっそうや、そとどないなっとった?実はヤギみたいなバケモンに追われてこうなってん」
「ヤギみたいなバケモノ?」
「この地下で案の定迷っとったんやけどアメリアって先輩にあって案内してもろててん、そこで急にあのバケモンが現れてアメリア先輩と離れ離れになってな、何か知らん?」
「そのアメリアって人か分からないが大怪我した先輩1人と既に亡くなってた男女を1人づつ見たな」
「……ホンマに?……結構やばい状況なんやな……今」
普段おちゃらけてニヤニヤした顔つきのアルフレッドだが今はとても真剣な顔つきをしていた。
「どれ、俺もパスワード解除に協力しようか」
そう言うとアランはライアン達に近づく、
「アラン、来てたんだな、てかあのアルフレッドとかいうやつと知り合いなのか?」
「あ〜同じ部屋なんだよ、それで?どんな感じだ?」
面倒なので適当に濁すアラン
「正直お手上げだな、8桁のマスにアルファベットのダイアル、ざっと2000億通りだ、僕が高速処理の安定術をライアンにかけてて、ライアンが解除の魔法を試してるんだが1時間くらいで10億パターンくらいか、流石に無理がある」
「よし、任せな」
そう言うと、アランは話をしているアルフレッドとナツに杖を向け、クイッと縦に振る。
「ウオッ!?」 「なんと!?」
アルフレッド達は勢いよく引き寄せられ、アランたちとぶつかる。その瞬間5人は壁の中へと吸い込まれて行った。
気が付けば5人は先程の通路に出ており、アルバート達が困惑していた。
「影になる魔法」
アランがどうだと言わんばかりにほかのみんなに向き直る。
アルフレッドは冷や汗を垂らしながら、ライアンを見た。
先程まで解除を試みていたライアンは余韻でカチャカチャとダイヤルを回す素振りを何度かすると、なんとも言えない表情をしていた。
「そっかそれなら潜り込めるな!」
アルフレッドがぽんと手を叩く。
「こんな魔法があるんでござるか!」
初めて見る魔法にに感心するナツ。
「……俺の1時間……」
脱出できた嬉しさと、常人では処理しきれないほどの解除のパターンを1時間もの間試みていたのに呆気なく出れてしまった事に対する怒りが混ざり、素直に喜べず、アランを睨むことしか出来ないライアン。
謎の沈黙が流れる状況、しかしすぐにそれは緊張へと置き換わる
「~~~~」
通路の先から聞いた事のないような咆哮が空気を揺らす。
そしてそれは姿を表した。
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