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0.プロローグ
----------- どうしてこうなったのだろう -----------
目の前には栗色の髪をした小柄な少女が倒れていた。
少女の顔はまだ幼くそばかすが目立つがそれでも可愛らしい顔立ちをしていた。
その身を包むローブはサイズがあっておらず、子供が親の服を着ているかのようだ。
床に深々と突き刺された杖は純白の光を優しくも神々しく撒き散らしており、まだ何らかの魔術が発動しているだろうことが見て取れる。
しかし倒れている少女の目に光はなく、首から下は焼け焦げている。
半ば炭と化した手足は無惨にもあらぬ方向を向いていたり、根元からなくなっているものもある。
その少女は幼い頃から自分が好意を寄せていた相手だと頭では分かっていても何故か悲しくはなかった。
「これで最後だ、終わりにしよう勇者・・・・・・!」
「そうだな、これで最後にしようじゃないか。魔王!」
----------- そして俺の視界は光に包まれた -----------