ストーリーテラー専用武器!?
突然だが、俺達文学部のメンバーは、武道部との決闘に向けて準備を始めた。
会議場所は、酒場のオーナーでもあり、カンナの父親が提供してくれた。
「文堂君、こちらの世界でカンナと仲良くしてくれてありがとう。君の事をカンナに伝えた後に君が死んだと聞いた時は、カンナも酷く落ち込んでしまってね……それはもう大変だったんだよ」
「本当に俺の事を伝えていたんですね……冗談のつもりだったのに」
「カンナも彼氏が出来た事無くてね、それ所か、極度の人見知りで……将来を心配していた所に丁度良さそうな相手が現れた。それが文堂君だ」
カンナが、人見知りだと言うのは知らなかった。
そもそも全然イメージと違うし。
と言うか、文学部のメンバーがいる中でのこの会話はやめてくれ。
今日は店長が俺たちの為に、酒場を貸切にしてくれるそうだ。
その為、広い店内で、人目を気にする事なく、作戦会議に専念出来る。
「先ず戦闘経験がある程度多い俺が最初に出るぜ。そのまま三人ともブッ飛ばして終わりだと一番楽なんだけどな!」
流石にそうはいかないだろうけど、この三人の中ではサイガが一番戦闘経験があるのも確かだ。
なるべくなら、最後に控えているリヒトまでは進んでもらいたい。
「でも相手は武道部だよね? サイガ君は頼もしいけど、リヒト君はどうするの? 戦士系最強クラスのウェポンマスターだよ?」
「そうなんすよね……流石にウェポンマスターまでは俺でも相手に出来ないと思うっす。だからラスボスはブンドゥクのアニキにたのんます!」
俺かよ。
まぁ、仮にも文術系最強クラスのストーリーテラーを名乗ってしまった以上、避けては通れぬ敵ではあるが。
「ふむふむ、ウェポンマスターとな? それならお前さんにとって丁度いい相手かもしれんのぅ」
「あっ、お爺ちゃん! 久しぶり〜」
カンナがお爺ちゃんと呼んで手を振る人物、それは、俺をこの世界に送り出した老人、作家神だった。
「さて、ブンドゥクよ。ウェポンマスターとも対等に渡り合う為の力をそなたに授けよう」
「ブンドゥクじゃなくてクロウです。新しい能力とかくれるんですか?」
作家神は何も無い空間から、竹の定規を取り出し、俺に手渡してきた。
「……何ですかこれ、もしかして文具使いが扱える最強武器だったり?」
「それは使用者次第ではあるがな……この文房具の名は、素刀・理威転乱。わしが名付けた、元はただの定規じゃよ」
ただの定規にそんな大層な名前つけるなよとは思ったが、作家神が名付けたのであれば、それ相応の能力に書き換えられている筈だ。
「ストーリーテラーを名乗るブンドゥク専用の剣じゃよ。詳しくはこの書物に記してある。存分に活用するといい」
「クロウです。ありがとうございます作家神。この力で、必ず文学部を勝利に導いてみせます!」
まさか、この世界の神様からも手助けしてもらえるとは思っていなかった。
この戦い、負ける訳にはいかないな。
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