4.規格外のダン。
あとがきも!
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「そ、そんな!? どうして、こんな階層にレライエが!?」
「さぁ、な……。でも、遭遇しちまったものは仕方ない」
「に、逃げましょう! とても敵いません!!」
宙を舞う死神を見て、カオンは取り乱したようにそう言った。
だが、彼の提案が不可能であることを俺は理解している。何故なら――。
「いや、無理だな」
「どうしてですか!?」
「落ち着け、カオン。俺たちはもう囲まれている」
「えぇ……!?」
――そう。
レライエは頭上の一体だけではない。
骸骨弓兵の気配は、すでに周囲に複数存在していた。数にして十体以上か。そいつらはこちらを牽制するようにして、物陰から矢を番えていた。
下級冒険者しかいない、この場所で発生した非常事態。
その原因などどうでも良い。
いまは、とにかくカオンを守ることが先決だった。だから、
「……カオン。その短剣、俺に貸してくれ」
「え、でもダンさんは魔法使いじゃ……?」
「大丈夫だ。これでも俺は――」
彼に手を差し出しながら、笑って告げた。
「できないことなんて、ないんだよ」――と。
◆
「ダンさん、って……いったい、何者……!?」
カオンは驚愕していた。
何故なら、短剣を手にしたダンはおおよそ人間離れした動きを見せたのだから。身のこなしから、振り下ろす剣の威力に至るまで。
規格外としか言いようがない実力をもってして、レライエを次々に屠っていくのだ。断末魔の叫びを上げて、魔素へと還っていく死神たち。
縦横無尽に跳躍するダン。
彼はまさに、死の神を超えていくのだ。
「凄い。すご、すぎる……!!」
カオンは改めて、そう思う。
そして、腰を抜かしていた自分が情けないと感じた。
だが同時に、こうも考えるのだ。やはり『この人しかいない』と。
「この人のもとで鍛錬すれば、きっと……!」
少年は、すべてのレライエを倒し、こちらへ戻ってくるダンを見て呟く。
息を呑むような、その人の力に感嘆して。
一生懸命に、ついて行こう。
そう、決意を固めるのだった。
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