表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/7

1.最底辺の始まり。

今日はもう一話!

あとがきもよろしく!!








「あの世代の1位だって? ――ははは。悪いけど、役立たずはお呼びじゃないんだよ。冒険者も簡単じゃないんだ」

「だったら、最低ランクから開始でも良い。薬草でも集めるさ」

「ふむ。そこまで言うなら、まぁ……」



 簡単な手続きを終えて、俺は冒険者となった。

 王都立学園での成績を見せたら、受付の男は失笑気味にそう言っていたが。どうやらここでも、俺の世代の評価は低い様子だった。


 ――史上最低の世代。

 あるいは、不毛の世代と呼ばれた俺たち。

 たしかに同学年の奴らは、本当に王都立学園に入学できたのが不思議に思える、そんな凡庸な生徒ばかりだった。いや、決して才能がないわけではない。


 ただ言えるのは、天才と呼べる存在が皆無だったのだ。



「学園時代には結局、俺と張り合える奴は現れなかった」



 剣技、魔法、体術――その他、座学においても。

 だから俺も本気を出すわけにはいかなかった。もし本気で戦ってしまえば、そいつらに深手を負わせてしまう。それは火を見るよりも明らかだった。

 だが、そのことを理解する者もいなかったのだ。



「別に、図に乗ってるわけじゃない。俺は――」



 ただ、真っ当に評価されたかった。

 そして自分の力を存分に、何の制限もなく発揮したかった。



「まぁ、冒険者になれば好き勝手に暴れられる。それじゃ、早速……」



 薬草集めなんか、してたまるか。

 俺はギルドを出てすぐに、その足でダンジョンへと赴いた。







「最低限の物しか持ってこなかったからな。剣もロッドもない。それでも最低限の魔法は使えるだろうし、問題はないな」



 ダンジョンを進みながら、俺はそう確認した。

 そして、手頃な魔物を探す。


 すると間もなく、姿を現したのは――。



「これくらいなら、大丈夫か」



 身の丈五メイルは超えようか、というドラゴン。

 分厚い鱗によって守られた巨躯を揺らし、そいつは俺を認めた。そしてすぐに、獲物と判断したのだろう。咆哮を上げると、その大きな口から【ブレス】を吐いた。


 岩をも溶かすその熱量を前に。

 しかし、俺は回避行動を取ることはなかった。


 右手を前に突き出して、静かに詠唱を口にする。すると――。



「防御魔法は、問題ないな」



 目の前に魔法陣が展開され、獄炎を左右に分断した。

 ドラゴンは想定外の出来事に逡巡しているようで、だがすぐに第二撃を放とうと体勢を整える。俺はその大口目がけて、今度は左手をかざした。


 そして――。



「爆ぜろ――!」



 一言、そう呟く。

 その直後に、ドラゴンの口内が爆裂した。

 断末魔が響き渡り、魔物の上半身が消し飛ぶ。魔素の欠片へと還っていく敵を見送って、俺は静かに息をついた。


 そして、学園時代には得られなかった手応えに震える。

 そう、これだった。


 俺の求めた戦いは、これに違いなかった。



「よし……! これなら、思う存分に戦える!!」



 ひとまず、換金アイテムである魔素の欠片を拾い集めて。

 俺は一路ギルドへ向かうのだった。









「あの人、すごい……」




 そんなダンの姿を岩の陰から見る人物がいた。

 小柄で細身なその者は、彼の魔法の威力に目を丸くする。




「…………あの人と一緒にいれば、ボクも……」




 そして、そう呟き頷くのだった。



 


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!



もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。

創作の励みとなります。


応援よろしくお願いします!!


<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ