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短編集2  作者: 反逆の猫
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02 私と皆が冷たい理由

誰も彼もが冷たすぎる。その理由は?



 通りを歩いていると異変を感じた。

 いつもと違って今日は何だか人通りが多い。


 何かあったのだろうか。


 不思議に思いなが歩いていると、物々しい雰囲気が満ちていて、警察官が通行止めを伝えて来た。

 これ以上先に進めないらしい。


 周囲にいる人たちの不安そうな様子に影響されたのだろう。

 そこで私は身震いした。


 不安を鎮めるために自分の体を抱いたけど、手も冷たい。

 誰かに見られているわけでもないし、何か危険な目にあっているわけでもない。

 物理的に、寒い環境にいるわけでも、冷たい物を押し付けられているわけでもない。


 なのに、体がひんやりしている。

 一体どうしたものだろう。


 私は疑問に思いながら、その事を他の人に尋ねるけれど、周りの皆は無視した。


 冷たい態度に、私は憤慨する。

 頭が沸騰しそうなくらい怒っているのに、でも血がのぼるような感覚はなかった。

 そもそも、最初から感覚が存在していなかったのだ。

 私はショーウィンドウを見て、「ああ」と納得の声をあげた。

 自分の真後ろの光景までよく見える。


 通行できない通りの向こう、人だかりと警官の先に、ひしゃげた大型のバスがひっくり返っている。

 体をずらすことなく見えたその光景は、私がもうこの世に存在していない事の証明だった。


「そうだ。死んでたっけ」



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