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第9話 入学式と新しい仲間

とあるレストラン。そこでソーサリーガの合格が決まったケイルとアラフトの為にと、ザグドナが試験の時以上のご馳走でお祝いしてくれた。


「ザグドナさん、本当にまたこんなにご馳走をしてくれて」

「まぁまぁ、アタシ達が合格したから、そのお祝いだよね♪」

「お前は威張るな!」

「ゴメン…」


笑い出すアラフトを叱るザグドナ。その様子に少し笑ったりするけど、ケイルは浮かない顔になる。


「どうしたの?」

「いや…僕が合格したのを父さんと母さんにも教えたかった」

「う……そうだね。言われてみれば、アタシも一緒かな?」


ケイルのその発言にアラフトも落ち込んでしまう。

そもそも2人の両親が死んだり行方不明なので、家族に合格したと伝えたいのに伝えられなくて哀しくなった。これにはザグナドもどうすることも出来ないが、ただ今言える事を言う。


「とにかく、これからの学園生活はお前達だけでがんばることだ。いつまでも落ち込んでいる訳にはいかないぞ」


明日からソーサリーガに入学するのだから、ここで重くなったら何にもならないと説得した。


「たしかに…今暗くなっても仕方ないよね」

「それに、姉さんがいるからね」


2人は顔を見合わせながら元気になる。この様子を見てザグナドも一安心。


「ほら、お前たちの為に用意したんだから。早く食べるんだぞ」

「分かりました」

「そうだね、冷めたらダメだし♪」


すぐに3人は食事を再開した。









一片の曇りもないさわやかな朝。今日は、待ちに待ったソーサリーガの入学式。

校門の前にそれぞれのクラスの制服に身を包んだケイルとアラフト。まずケイルの梟クラスの制服は緑のブレザーとネクタイで、右胸に梟のマークに黒いスラックス。それからアラフトの鷹クラスのブレザーは白に鷹のマークで、胸にはリボンと黒い短めのプリーツスカートと黒いニーソ。


「うん、なかなか似合うぞ。だが、ちゃんとしないとな」


ザグドナが2人の制服を整えてくれた。


「2人の荷物は寮に届いてるみたいだし。私は入学式が終わったら村に帰るが、ちゃんと周りの迷惑にならないようにな」

「はい」

「もちろん♪」


そのまま2人はザグドナと別れて入学式会場に行こうとした時。


「あっ、ケイルくんにアラフトさん」


梟クラスの制服姿のメティールが走ってケイルとアラフトの所に来た。当然、彼女の愛用の剣も持ち歩いて。


「あっ、メティールさん」

「2人共、良く似合ってるね♪」

「メティールも♪」

「おっ!いたいた」


さらに同じく梟クラス制服姿のジンバとラギがやって来る。


「ジンバさん、ラギさん」

「おいおい、俺達は昨日完全にダチになったろ?さん着けは止めろって」


ジンバは友達になったという理由で、これからは呼び捨てにしようと言って来た。


「すみません…ジンバ」

「だけど、3人も制服ばっちり決めてるな」

「でもジンバは、ちょっと服装が」


ケイルが少しジンバの姿に指摘する。なぜならブレザーの下には大きく趣味の悪い鮫の柄が入ったTシャツ。実際、ソーサリーガは服装についての規則はないが、さすがにこれはと感じた。


「バカ、気合を入れてるんだよ」

「気合いって…」

「本当、俺は恥ずかしいって言ったのに…」

「うるせぇな!てか、恥ずかしんだったら俺を殴ってでも止めればいいだろ!」

「それが出来れば苦労しないんだよ!!」

「ちょっと、こんな所で…」


周りの視線に気にせずにジンバとラギはまた喧嘩をし始める。ケイル達は周りから関係者と思われて、2人以上に恥ずかしい目に合う。


「よぅ、お前ら」


すると獅子クラスの黒いブレザー制服のユハスムが5人に近づく。しかし、その隣に小柄の紺色ショートヘアーで、同じ獅子クラス制服の少女と一緒に。


「ユハスムさん!」

「待てよ。別に俺も呼び捨てでいいんだぜ」

「そうですか、えっと…ユハスム、彼女は?」

「コイツ?コイツは」

「わたしは平民だけど、獅子クラスのコエトン・タム」


彼女こそがユハスムと同様に獅子クラスに入った平民の少女コエトン・タム。なんでもユハスムがせっかくなので、コエトンをケイル達に紹介しようと連れてきた。


「コエトンさんっていうんだね。僕は梟クラスのケイル・サーグバラムト」

「アラフト・バリハッシュ。ケイルの幼馴染♪」

「守護族のメティール・レン・フラトタルです。よろしくお願いします」

「俺はジンバ・カタラッゲ。んで、コイツは」

「ラギ・シクトロフ」


すぐにケイルとアラフトとメティールは自己紹介をするので、喧嘩していたジンバとラギも一旦喧嘩を中断して挨拶する。そしてコエトンは真っ先にケイルに近づいた。


「アンタでしょう。魔力無しでサモンっていうレア魔法であの変な2人を出したの?」

「え…そうですけど?」

「折角だし、そのサモンをここで使ってみてよ♪」

「ええっ?!」


コエトンはサモンをやってと言ってくる。しかしこんな大事な時にやるなんて、無茶な話しで断ろうとした。

でも


「そうね…せっかくだし使っちゃったら?」

「たしかに俺も、あの2人にも会いたいし」

「アラフト、ユハスム?!」

「減るもんじゃないし、やってみろよな!」

「私もサモンをまた見てみたいな」

「あの、ちょっと!」


なんとアラフトら4人もサモンをリクエストしてきた。するとラギがケイルにーの肩を叩くと


「ねぇ、ここはやった方が良いんじゃないから?」

「ラギもなに言って!」

「だって、ジンバは言った事は絶対に曲がれないし…アイツらも引かないみたいだし。やって全員を納得させた方が良いだろ?」

「ええっ……!」


たしかに5人の目の輝きや期待感が本物。これはラギの言う通り絶対に引かない気がして、無理に断っても無理かもしれないので。


「分かった…でも、とりあえずの人気の少ない所で」


仕方なくケイルはみんなの要望に応える羽目になる。さっそく近くにある学園の近くにある林に行き、他の誰もいないのを確認。


「では、始めます」


気合いを入れる為に頬を叩き、そして妖導門を描いて開いた。しばらくすると最初に顔を出したのは紗田粋。


「よぅ、今日は何の用だ?」

「ゴメン、ちょっと頼まれてね」


ケイルに尋ねながらも妖導門から出てくる。ケイルとアラフト全員が改めて妖魔の紗田粋に驚くけど、一番最初にユハスムが声をかけた。


「改めて聞くけど、アンタが紗田粋っていう妖魔って奴なんだな?」

「ん?テメェは」

「俺か?俺はユハスム。ケイルとダチになったの」

「ちょっと、私達も一緒でしょ?あっ、私はメティール。それからジンバくんにラギくんとコエトンさん」


ユハスムに続いてメティールもジンバ達の紹介をした。


「ところで、志俱刃が来てないみたいだね?」


しかし志俱刃がまだ出てこないので、少し心配なるケイルは妖導門を確認する。


「たしかにな?まぁ、アイツはアイツで忙しいからな」

「すまない。遅れてしまった!」


すると妖導門に志俱刃の声と同時に出てきた。でも、なぜか全裸でバスタオル一枚だけを纏った志俱刃。かなりの巨乳でスタイルも抜群な上に、体は少し濡れて火照っているのか、とてもエロい印象が強い。


「なっ…なな…!」

「「「おおっ!!!」」」

「ちょっと!」

「胸…なんか大きい」

「たしかに」


いきなり志俱刃のバスタオル姿にケイルは顔を真っ赤にして少し湯気が出て固まる。それから慌ててアラフトがブレザーを脱いで志俱刃の体を隠そうとしたり。ユハスムとジンバとラギは鼻息を荒くして興奮して、メティールとコエトンは彼女の胸と自分達の胸を見比べする。


「あれ?なんで林なんだ?」

「お前…なんでそんな恰好で?」

「すまない…私はこの時間だとシャワーを浴びてたからな」

「いいから着替えてこいよ」

「…たしかにな」


このままの恰好はダメだと気づく志俱刃は慌てて妖導門に潜った。すると


「テメェら!」


いつのまにか林の中からゼロスが現れてケイル達の所にやって来た。


「もうすぐ入学式の時間なのに、なにやってんだコラ?」

「すみません…ちょっと紗田粋とそれから…」

「おっ、お前は!?」


紗田粋がいることに驚くと服に着替え終わった志俱刃が再び妖導門から現れる。


「おや?貴様はこの前の?」

「ああ…ケイルだったな?これはどういう」

「いえ…それは…」


すぐに視線をケイルに向けて怖い顔をしながらこの状況を尋ねる。でも、これをどう説明すればいいのか分からなずに半分混乱した時。


「すみません」

「え?」

「わたしがケイルのサモンが見たいとわがまま言ったので…」


なんとコエトンが前に来て謝り始める。この行動にケイルや他の全員も少し固まり。


「いや、断れなかった僕も悪いので…その」

「それに…アタシ達も同罪ですから」


すぐにケイルもアラフトも謝罪して、場の空気を読んでユハスムもメティールもジンバもラギ。さらになんだか分からないまま志俱刃と紗田粋も頭を下げた。


「別に、俺はお前らがどっか行ったから追いかけただけで…なにをしたのかとやかく言うつもりはねぇよ」


ゼロスはめんどくさそうに頭をかきながらもケイル達を許してくれた。すると今度はケイルがこんなことを言い出す。


「そうですか…あの、ちょっとお願いが」

「お願いだと?厄介なのだったら容赦しねぇぞ」

「その…一応、2人も入学式に参加を」


それは志俱刃と紗田粋を入学式に出してくれないか頼んで見る。召喚しておいて帰らすのも悪いし、もしかしたらこれから一緒に学園で過ごすのだからと思うから。


「まっ、コイツらも半分生徒になるかもしれないしな…奴らに話して特別に席を用意してやるよ」

「ありがとうございます」


お礼を言いながらまた頭を下げるケイル。


「そうそう、早くしないと入学式に遅れるぞ。特にアラフト」


などと言いながらゼロスはこの場から立ち去る。するとその言葉に一番反応した人がいた。


「え?しまった!アタシ、新入生の代表だった!」


じつはアラフトは新入生代表に選ばれていた。ソーサリーガでは、代々獅子クラスと鷹クラスでトップの成績で合格した新入生が挨拶をする仕来りになっている。つまり入学式に遅れたら大きな恥になってしまう。


「それは大変だ!」

「早く行くぞ!」

「おいおい、待てよ!」


だから急いで9人はゼロスの後を追いかけて会場に向かう。何とか間に合って、入学式の会場はソーサリーガが誇る大講堂で行われた。

まず新入生は前の席で在校生と保護者と来賓の人は後ろの席。各教室や教科を担当の教職員や講師達は左右に並んで座ってた。しかしなぜか全校生徒の視線がケイルに向けていたが、その訳は。


「ふへ~~~人間がこんなに?」

「コラ、あんまりジロジロ見るな!」

「はいはい、悪いなケイル」

「うん…」


ケイルの左右の席に座る志俱刃と紗田粋の存在。本人達は気づいてないけど、たくさんの視線でケイルは顔を真っ赤になる。だから早く入学式が終わって願うが、しかしアラフトが新入生の代表として出てくるので楽しみにしてた。


「それでは、獅子及び鷹の新入生代表による挨拶を」

「「はい」」

[やっと、アラフトが]


ついに待ちに待った新入生の挨拶。ステージに上って来たのはアラフトと、もう1人は獅子クラス制服で、黄色の長髪になぜか右目に眼帯をつけた少年。


「ケイル、あのアラフトと一緒にいるのは誰だ?」

「あの人はビクゼルム・バム・ウィスタードムさん。王族出身の1人で植物と錬金術を使う」


ケイルが言うには、王族のビクゼルム・バム・ウィスタードムは筆記試験で一番の成績を取り。さらに高い魔力レベルに、植物属性魔法と錬金術のエキスパート。ちなみに試験の時でユハスムが騒がれたが、あくまで平民という理由。しかし3つある王族の1つ、ウィスタードム家出身のビクゼルムの魔力は、ユハスムと同じかそれ以上らしい。


「てか、なんだよあの眼帯?キャラ作りか?」

「ちょっと!」


堂々と失礼な発言をした紗田粋の口を慌てて塞ぐケイル。そして周りに聞こえてないか確認。


[は~~~アラフト、それからウィスタードムさん。早めに挨拶を終わらせて…]


などともっと顔を真っ赤にしながらも入学式が終了。やっと終わって背伸びするケイルの隣で、キョロキョロと周りを見る志俱刃と紗田粋。


「お疲れ様。周りの目線で大変だったでしょ?」


メティールが心配してケイルに近づいてきた。だけど、アラフトがいない事に気づく。


「あれ?アラフトさんは?」

「アラフトだったら」


指を刺した方には鷹クラスの新入生に握手や質問責めで困っているアラフトの姿。


「そっか…アラフトさんって、鷹クラスで有名なザグドナさんとリアトリさんの妹さんだかなね」

「ええ…そういえば、入試の時のマカギアドム先生の姿が見えないけど?」

「当然よ。だって彼は騎士隊長と講師を分けているんだから、今回は無理だったの」


ソーサリーガの教師と講師の大半は、ゼロスのような引退した元魔導6士隊か元魔戦騎士隊。そしてスバルシュなど頼まれて講師の仕事をしながらも、6士隊か騎士隊の活動をやる。受験では試験官として来られたが、残念ながら入学式は仕事の都合で他の講師も含めて欠席。


「お~~~いケイル、その梟クラスの教室に行かなくていいのか?ジンバもラギも待っているぞ」

「そうだった…早くいかなきゃ」

「もちろん」


さっそくケイル達は梟クラス校舎の1年教室に向かう。向かう途中でラギは、生徒手帳に書いてあるクラス内容を読んでた。


「この生徒手帳によれば…梟クラスは落ちこぼれの生徒や…さらには厄介者や乱暴者と特殊人物とかの寄せ集めとか?」

「って事は…僕らは落ちこぼれや厄介者?」

「いや、あくまで10年前の話だから…今はそれ程じゃないって書いてあるから…多分」


しかしそれでもかなり不安になる。もし本当だとすれば、無事に学園生活ができるかどうか心配。


「心配するなよ。俺達はお前を絶対に守るからな♪」

「当然だ」

「ああ、ありがとう…」


なんだかとても本気な目をする妖魔2名に、ほどほどにしてと心の中で呟くケイルだった。


「それからなになに?蟷螂は研究実験を、蜂は治療と看護などを中心に進めるみたい」

「後、熊は戦闘にこだわっているみたいだね。ある意味、入らなくてラッキーかもな?」


熊が体育会系で蟷螂と蜂は理系のクラスだと手帳を読んでいき。


「それにしても、なんでメティールは梟クラスなの?」

「えっ?!」


ラギは改めてメティールがなぜ梟クラスになったのか聞いてきた。


「たしかに…お前のあの空間魔法なら、普通に獅子か鷹クラスなのになんで梟になったんだ?」

「うん…僕も可笑しいと思ったけど、どうしてなの?」

「あの…それは……えっと……」


2人も気になって尋ねてきたけども、メティール本人は言いたくはない様子。おまけに大量の冷や汗をかいていた。


「あっ!いつのまにか着いちゃった。早く行こう!」

「ちよっと、メティールさん!」

「なんだか物凄く…分かりやすく誤魔化してるな?」

「たしかに」


誤魔化すメティールだったが、たしかに梟の1年教室に到着した。教室に入ってみると既に生徒が集まってたが、殆どまともそうな雰囲気。


[あっ!意外と普通なんだ]


少し安心するケイル。

するといきなり、制服を改造し胸を大胆に露出し鞭を持った。金髪ロールのセクシーな美女がケイル達の前にやって来る。


「初めまして、アタシはセキューマ・エスティナスよ。よろしくね♪」


ウィンクしながら挨拶するセキューマ・エスティナス。しかしその巨乳にケイルは顔を赤くしながら目を逸らすけど、紗田粋とジンバとラギは鼻の下を伸ばして凝視していた。その隣で志俱刃は呆れ、メティールはまた自分の胸を見つめ少し悔しがる。

さらにセキューマの後ろに、紫髪にポニーテールで腕に手甲を装備した少女がいた。


「この彼女は異国出身で私の親友、リン・オガワ。人見知りだけどいい子よ」

「異国出身者?」

「うん…私はここから東方の国からやって来たの…よろしく」


少しぎこちなくて片言だけどリン・オガワは挨拶をする。


「え~~~と、2人はどういう関係?」

「アタシの実家は中級だけど代々騎士貴族でね。そして彼女は修行のために、この国にやって来たの。でも住むところが見つからなくて困ってたけど、異国の武術に興味を持った父がアタシの家に居候させたの」

「私の国は魔法がそれ程発達してないから…だから、もっと魔法を学びたくて……それに、セキュと一緒にいたいから…がんばって試験を受けた!」


秘境の地の1つとされた東方の国から、魔法を学ぶためにリンはフーデアルス国にやって来た。そこで偶然にもセキューマと出会い。さらに自分が特殊な武術を使うる事から、世界中の武術や格闘技を知るのが趣味のセキューマの父親に気に入られ住まわせて貰った。


「随分と…苦労したんだな?」

「え?なんで…泣いてるのですか?」

「お前は……」


なぜか紗田粋は同情して泣き始めるとリンは少し戸惑う。その様子に志俱刃は呆れてケイルも少し苦笑いする。


「ちなみにこのクラス、異国人だけど平民として入ったリンを除けば平民組が2人いるみたいよ」

「まぁ、平民組に入れられるのって…ここ梟クラスか熊クラスだけどね」

「それに引き換え…ユハスムとコエトンはある意味ラッキーだったな」


条件付きながら平民組でエリートな獅子クラスのユハスムとコエトンに、少しうらやましいと感じる。


「だけど、私が一番興味持ったのはメティール。アンタよ!」

「え?」

「だって、アンタはフーデアルス国一の騎士貴族と呼ばれた守護族出身者が、なんで厄介者の寄せ集めと呼ばれる梟クラスにいるの!?」


ビシっとメティール指を刺しながら質問した。しかし本人は教室に来る途中のように、大量の汗をかきだす。そして口にした発言は


「ゴメン…今は言えないの……残念だけど」


これだけ言って後は黙ってしまう。なんだか納得のいかないセキューマだけど。


「まぁいいや…これ以上詮索しても無駄みたいだし。それに気になっただけだしね」

「ありがとう…」


それから全員が黒板に貼っているプリントに書かれた指定の席に座った。ケイルの席は一番後ろの窓側の席。だけど、志俱刃と紗田粋の席がないのに気づく。


「あっ、2人は…」

「心配するな。私達は立っているから」

「いや…それは」

「おいおい、俺達がそれでいいんだからいいだろ?」


こうしてケイルの後ろに志俱刃と紗田粋が立つ形になった。入学式以上に生徒の視線が集まって、余計に恥ずかしくなってしまう。でも、しばらくすると長身でセキューマ以上に巨乳の露出が高い格好。そして色気が漂う銀色のロングウェーブの美女が教室に入って来た。


「私が梟クラスの1年組を担任になるセリシア・ハトアルゴスだ」


彼女がケイル達梟クラスの1年を担当する教師のセリシア・ハトアルゴス。本当にここから新しい生活が始まるとケイルは自覚した。

申し訳ありませんが、予定していた学園&寮案内は次回にしました。なんだかこれが精一杯になってしまい。

それから登場した異国出身のリン・オガワですけど、彼女の国はいわゆる日本のような国です。しかし魔法の存在を知ったのが最近らしくて、だから使い方も分からずにいた。なのでリンを含んだ10人の子供を、フーデアルス国を含むさまざまな国へ修行に行かせてる。

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