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フェアーさんは色んな意味で怖い人だった

本日2つ目です

「ティニーさんにも悪いのでそろそろ戻ろうと思うんですが、ここが何処なのかどうやって帰るのか正直分からないんですよ」

「あらあら、それではティニーをここに呼びますね」

「お手数お掛けします」


うん。今テレパシー使ってるんだろうな。

相変わらずニコニコしながらこっちを見ているけど、何というか視線?が俺を突き抜けて遥か遠くを見てる感じになってる。

こっちを見てるけどピントが俺に合ってない感じ。


「ティニーに伝えました。しばらくしたらここに来ると思いますのでお待ちください」

「あ、ありがとうございます」


やっぱりティニーさん怒ってるだろうなぁ・・・

首根っこ掴まれてそのまま地獄に叩き落されないよね?大丈夫だよね?

死んでからもお説教されるって考えたら何だか凹んできた。

美人に怒られて喜ぶような人種じゃないんだよ俺は。

優しくされたいの!甘えたいの!甘えてほしいの!そう、例えばフェアーさんみたいな人に!


「ええと・・・どう甘えればいいのでしょうか?あ、甘えてもらう分には構いませんよ」

「ふぁっ!?だ、だから心を読まないで~マジで」

「あらあら、すみません。読むというより勝手に思考が流れてくるといいますか・・・なのでわざとじゃないんですよ」

「もう泣きたい!恥ずかし過ぎて泣きたい!



「あら、泣きたいのは私のほうですよ天地さん」


思った以上に早かった。そして思った以上に冷たい声だった。

ゆっくりと後ろを振りむと、微笑んでいるティニーさんが立っていた。

微笑んでいるのに怖いんだよ。氷の微笑ってヤツだねこれは。


「天地さん、貴方は何をやったか分か「すみません!!!」ってま・・・すか?って、え?天地さん?」


ふはははは!

これぞ天地流処世術の奥義、【ジャンピング土下座】だ!

コツとしては相手が喋り終える前に飛ぶ事だね。これによって相手は戸惑い、発言を途中で止めてしまうのさ。代償として膝が壊れる等。


チラっとティニーさんを見てみると、驚きのあまり怒りが飛んでしまったようだ。

あ、フェアーさんがクスクスと笑ってる。また心を読みましたね貴女。

いや、あのね、怒られる事をしたから怒られるのはいいんですよ。

でもさっきのティニーさんの様子だと一回リセットしたくなりまして・・・






結局怒られました。

ジャンピング土下座の効果は少しの混乱しか得られませんでした。

でも怒られながら思い出した事もある。あの残念女神のアイビーだ。

そして天界のミスで死んでしまったのに、ろくな特典もないって事も。

あれ?またちょっと腹が立ってきたぞ?


「ミス・・・ですか?」

また俺の思考を読んだフェアーさんがふと呟いたのでそっちを見てみると・・・

あのニコニコと微笑んでいた顔から表情が消えていた。

・・・フェアーさん何だか怖いよその顔。


「あ、フェアー様・・・ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」

「いえ、そんな事はいいのです。別に迷惑は掛かっていませんし。それよりミスとは?」

「う、ウチの天寿係が機器の操作を誤りまして・・・そちらの天地さんがその・・・」


説明しているティニーさんガチガチだな。

って事は、フェアーさんはティニーさんより立場が上なのか。

あ、フェアーさんに対して結構失礼な事考えちゃってたけど大丈夫かな?思考読まれてるから全部筒抜けだろうし・・・平気だよね?

フェアーさんニコニコしてたし平気だよね?

あ、チラっとこっちを見て頷いてくれた。よかった~

でもやっぱり思考だだ漏れなのね。



「つまり、ワタルさんは本来死なずに普通に生活出来ていたのですね?」

「は、はい。ですので、せめて次の人生をすぐに始められるように。と」

「ワタルさんはそれを拒否してここまで逃げて・・・という事ですか。だいたいの事情は分かりました」

「天地さんの転生が終わった後に報告をと考えてしまい、このような事態に。申し訳ありません」

「分かりました。その件はまた後で。あ、ワタルさん少しよろしいですか?」


あ、フェアーさんの顔がまた柔らかい感じに戻ってる。

うん。その顔のほうがいいね。俺好みだ。

っと、これまた思考読まれたよね?だよね?フェアーさんニコニコ具合が増したし。


「え、えっと何でしょう?フェアーさん」

「ワタルさんの好みになれたようで嬉しいです」

「!?流れてくる思考読むのは仕方ないにしても、声に出しちゃ色々ダメでしょ!」

「あらあら、申し訳ありません。ワタルさんは思考があっちこっちに飛んで面白いので思わず口に出してしまいました」


はぁ・・・もうヤダ。

思考読まれる上にバラされるとかどんなプレイよ。


「プレイ?どのような?」

「いえ、それはもういいです。はい。それよりさっき俺は呼んだのは?」

「えぇ、ワタルさんの思考の事じゃありません。今回のミスの件です。ワタルさんは完全に巻き込まれた形になりますので私の権限で出来る限りの事をさせていただきます」

「フェアー様!!それは!」

「ただ、ワタルさんに対して出来る事はティニーが言うようにあまり選択肢がありません。火葬された体を元に戻す事は多くの法に背く事になりますし・・・それをしたら天界も下界も大混乱になってしまいます。ですのでワタルさんをそのまま生き返らせる事は出来ないのです。申し訳ありません」



フェアーさんが言うには

・魂の休息期間を経て次の人生へ

・休息期間を設けずにすぐに転生

この2つはやはり変わらないらしい。ティニーさんと同じようだ。

ただし、

どちらを選択しても天地渡としての記憶をそのまま引き継がせる事を特例で認めてくれるらしい。

ティニーさんは凄く反対していた。影響力が強すぎるからだって。

確かに、27歳の知識があれば子供の頃から色々と凄そうだよね。神童だよ絶対。

影響力が強すぎて周りの人の運命を変えてしまうので、運命の女神であるティニーさん的には反対。

それをニコニコしながら「大丈夫です」と言い放つフェアーさん。


そして、3つ目の選択肢として・・・

・天界で気のすむまで生活してみる

ってのを提示された。ただしこれを選択したら転生は他の人と同じ扱い。

27歳の知識+天界での知識ってのはさすがにヤバいらしい。

下手すると何処かの救世主みたいな影響力を持ってしまうみたい。救世主ワタル。笑えない。


「えっと、天界で生活って事は毎日フェアーさんに会えたりしちゃったりて?」

「はい。ワタルさんが会いたいのでしたら毎日でも可能です」

「じゃあティニーさんともお茶したり、駄女神アイビーからかったりも?」

「ふふ、駄女神アイビーですか。またユニークな愛称を付けましたね。アイビーに関しては恐らく配置換えがあるでしょうけど、ちょっとからかう程度ならいいと思いますよ?ティニーとお茶は・・・彼女は忙しい立場なのでそれを邪魔しなければ」

「フェアー様!?そのような事を言われては困ります!」

「あらあら、いいじゃありませんか」


フェアーさんって結構ノリいいよね。

そのノリについていけないティニーさんはまたアタフタしてるけど。


さて、神童も憧れるけど今の知識をガキの頃から持ってても、性格の悪いヤツになりそうだし

知識がある分、色々と面倒に巻き込まれそうだし却下だね。

って事はだ、天界でのんびりと生活するって事になる。


超絶美人のフェアーさんと毎日お茶して、アイビーからかったり

フェアーさんに敵わないまでも凄い美人のティニーさんとお茶したり、アイビーからかったり

他の女神さん達とキャッキャしながらお茶したり、アイビーからかったり・・・


これはあれだ!

異世界転生でチーレムは出来ないけど、天界でハーレムって事でしょ!!

うん、オラ何だかワクワクすっぞ!


「ワタルさんはハーレムをご希望なのですか?」

「!?!? また思考読んだ上に暴露っすか!やめて!ホントに泣くよ!?」

「天地さん・・・最低です」

「ティニーさん?ご、誤解ですよ?誤解です!」

「あらあら、ワタルさんは私と付き合いたいって言ってたじゃないですか」

「あーーーーー!!!」


フェアーさん怖い。思考が読めるだけでも怖いのに、普通に暴露するとか怖すぎる。



女神簡易まとめ


フェアー:思考が読める。ティニーより立場が上。ちょっと天然?

ティニー:運命の女神。部下のミスのために動くが、ワタルに振り回される

ソラール:アイビーの同僚。機器を操作中、アイビーの水晶がぶつかりミスを起こす

アイビー:ソラールの同僚。駄女神。反省?それよりお菓子食べたい

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