とりあえず逃げてみた
黄色い髪の駄女神アイビーの態度に腹を立ててあんな宣言したものの
何にもプランとか考えてなかった。
さて、どうするか・・・
「あ、あの天地さん?少し冷静になりましょう?ほら、感情的になってもいいことありませんし・・・あ、お茶にしましょう!休憩です」
「い、いいですね。ティニー様のおっしゃる通りです。ティータイムにしましょう」
ティニーさんとソラールさんがオタオタしてるのが何か和むなぁ
あ、アイビーめ・・・何処からかお菓子取り出して食ってやがる。
コイツはアレだ、やっぱりアホの子だ。
このままここにいても何にも変わんないだろうし、最悪強制で転生させられるかもしれない。
だったら・・・うん、探検という名の逃走でもしようか。
ティニーさんとソラールさんがお茶の用意で席を外してるし、目の前のアイビーは放っておいても問題なさそうだしな。
「あの~アイビーさん?」
「な~んですか~?何か御用で~すか~?」
何だろう。この子本格的にダメな感じがする。何よりイラっとする。
うわ、クッキーを縦に口に入れてるよ・・・しかも3枚同時。
「俺ちょっと用事思い出したんで席外しますね」
「ん~用事って何?ほら~、2人が帰ってきた時に貴方がいないと怒られるの私だし~」
「あ、あの~・・・そ、そうトイレですよトイレ」
まともな返答に思わず挙動不審になっちゃったよ!
なんなのこの子、怖いわ。
でもやっぱりアホな子だな。怪しさ満点のトイレ宣言だったのに「いっトイレ~」とか言いやがるし。
まぁこれでひとまずここから脱出できるからいいか。
部屋を脱出しから10分ってとこか。
適当に階段を下りたり登ったりして移動してみたけど・・・
うん、俺もう何処にいるのかまったく分かんねぇ!
誰かに会わないように人気がないところを選んできたけど、ここ何処なのよ。
ここって神様達がいるところだよね?
本来ならもの凄い厳重な警備体制があってもいいと思うんだけど?
パスワード必須の扉どころか、鍵付きの扉すらなかったよ・・・
神様達ってその辺は気にしないのかね?もっとも、普通はこうやって勝手に歩き回る部外者がいないから必要ないのかもしれないけど。
「どうしました?道にでも迷いましたか?」
「へっ!?」
おぉう、ビックリした。人気ないから完全に油断してたわ。
声の主は・・・そこの部屋からか。
さすがにこのまま無視して逃げるのはマズいよなぁ・・・適当に濁して去ろう。
「はい、ちょっと迷ってしまいまして・・・人生に」
「あらあら。面白いこと言う御方ですね」
そんな事言うつもりなかったのに何言ってんだ俺!
しかも完全にスベッたよ!恥ずかしくてダッシュで逃げたいよ!もしくは穴があったら入りたいよ!
「別に恥ずかしい事なんてありませんよ。ひとまず部屋に入って私のお話相手になっていただけませんか?一人でお茶を飲んでいてもつまらないので」
「はぁ・・・お話相手ですか(ん?恥ずかしいって口に出したか?あれ?)」
「えぇ、この辺りは女神たちもあまり来ないので少し寂しいのです。久しぶりに誰か来たと思ったら、何だか珍しいお客様のようなのでお話しを、と」
4人目の女神様はどうやらボッチで寂しがり屋のようだ。