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人生の終わりは突然に

「・・・眩しい」

最初の感想がそれだった。


俺はいつものように仕事を終え、いつものように帰宅をしていた。

住んでいるマンションのすぐ近くを歩いていたはずだ。

ふと、空が光った気がして夜空を眺めるけど特に変わった様子はない。

気のせいかと思って視線をおろしかけた時、真横にあった一軒家の屋根に一筋の光が見えた。

「何だありゃ・・・」

呆然とそれを見ていると突然その光がぶれ、自分の頭上に降り注ぎ思わず目を瞑る。


で、さっきの発言に戻る。

だってさ、目を開けてみれば真っ白い空間にいるんだよ?

帰宅していたのは夜の8時くらい。そんなところから真っ白な空間に来たらそりゃ眩しいって。

てかここ何処だ?

軽くパニックになっているとドアが開いて人が入ってきた。

あ、そんなところにドアなんてあったのね。


「天地渡さんですね?突然こんなところに来てさぞ驚いたと思います。その辺りのことをお話したいと思いますがよろしいですか?」

「・・・」

「あの、天地さん?大丈夫ですか?」


おいおいおいおい。

何この美人さん。すっげぇよ。

女優?それともモデル?いやいや、そんなもんじゃない。

俺が今まで見てきた女性の中で断トツだよこの人。


「天地さん?聞こえてますか?天地さん?」

「・・・・・あ、すみません。ちょっと驚いていました」

「そうですよね。驚かせてしまって本当に申し訳ありませんでした」


いや、俺が驚いたのはアナタの美貌なんですけどね。

長い黒髪に意思の強そうな目、ぷるんとした唇もいいね。

身長は170センチくらいか?ダボついた服の上からでも分かる豊満なボディ。

なんか説明があるみたいだからそれが終わったら連絡先を何とかして聞きたいな・・・。



「天地渡さん、これから言うことを冷静に聞いてください。アナタは先ほど、帰宅途中に亡くなりました。そしてここは亡くなった方が最初に来る天界の入り口です」

「・・・・・・・・は?」

無くなった?何が?俺は何を無くした?

展開って?ん?ちょっと何言ってんのこの美人さんは。残念な人なの?


「やはり混乱されますよね。もう一度言いますので落ち着いて聞いてください。アナタは帰宅途中に亡くなりました。死んだのです。原因は心臓発作です」

「し、死んだ?誰が?俺が?・・・え?何のドッキリですか?」

「いいえドッキリでも冗談でもありません。アナタは死んで天界に・・・天国の入り口に来たと言えば分かりやすいですかね?ともかく、まずはそこを受け入れてください」

「受け入れろって・・・え?マジ?」

「はい、マジです。本気と書いてマジです。アナタは死にました」


死んだ・・・か。

これがドッキリとかじゃないとしたら、ここは天界とかいうところらしい。

あっ!って事はこの人もしかして天使!?やっぱり天使って美人さん揃いなの!?

いや、これは・・・女神か!女神様か!!


「あ、あの~・・・もしかして貴女は天使とか女神とかそんな感じの方だったりします?」

「はい、私は運命の女神ティニーといいます」

「は、ははは。またまた~御冗談を。ドッキリでしょう?これだけ大掛かりだとTV番組かな。ほら、時々ある素人を驚かせるやつ。アレでしょう?」

「いいえ、ドッキリではありません。TVでもありません。これは事実で現実なのです」

「・・・・・・現実・・・ですか」



天地渡です。27歳です。彼女は2年ほどいません。正確には2年11ヶ月いません。

どうやら帰宅途中に死んでしまったようです。

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