第三節 「“禁書”、目覚める」
俺も少し経ってから寝ようと思っていたら、禁書が光っていた。光っていると言ってもピカピカと眩しいわけではなく、ほんのわずかに光っているだけだった。
「なんで光ってんだ? ……新しい禁術覚えられるとか?」
俺は未だに1つしか使えない。別に鎖だけでも十分に役に立つからいいんだけど、なんか寂しいだろ?
「あー……まぁ読んでみるか」
『私ハ禁書に眠ル者です。相応しきモノが現れタトき私は目覚メます』
「……はぁ」
すごく丁寧に書かれてるな? 鎖のときとは大違いだ。……まぁこれも大雑把にしか書かれてないけどさ?
これが読めたってことは目覚めるのか? もしかして読めただけとか? そう思っていた瞬間――
ピカアアアアアアアアアアアアア
「うわ!? 眩しっ!?」
――とてつもない光が部屋を満たした。そんな中、クーはぐっすり寝てたけど。
「な、なんなんだ? いったい何が……あ?」
「スー……スー……」
「えーっと……? 誰だろこの子?」
なんとクーの横には知らない、それも俺と同い年くらいの女の子が寝てました。
「あー……えっと……君は誰?」
俺はあのあと、気にしないように隣のソファで眠った。まぁ明日聞けばいいと思っていたからだ。次の日、俺が起きたときはまだ眠っていたが、クーが起きる前にに女の子が起きた。まぁこの子はもしかしたら迷子の可能性が――
「私はアステラと言います。一応、人間です」
「一応……?」
「はい、一応です」
どういうことだってばよ。
「私はこの本の中に自ら入ったので、人間と思われないかと思ったのですが――」
「おい、ちょっと待て。本の中に入ったってなんだ?」
「? そのままの意味ですが……?」
いやいや、ちょっと待ってよ。その意味が分からないんだって。本に自ら入ったって、なんか、ちょっとコンビニ行ってくる、みたいに軽く言ったじゃん。
「……もしかして、この本のこと理解してないんですか?」
「禁書じゃないの?」
「はい、確かに禁書です。私がまだ入ってないときには既に禁書と呼ばれていたので」
もう分かんねぇな。まだ入ってないときってなんだよ!
「私は過去にこの本を処分しようとしたことがありました。ですが、いくら燃やそうとしても、切り刻もうとしても全て無効化されました」
「……おう」
結構活発的な子なんだな……。
「それで調べてみたんですが、中に書かれている文字に1つも同じ筆跡がありませんでした。おそらく、数多くの人の手に渡ったのでしょう。それで次に内容について調べたんですが、書かれていたのは常軌を逸した魔術ばかりでした。MPを消費しなかったり、威力が馬鹿げていたりと様々でした。」
やっぱ書かれてるのってそういうのばっかりなのか。そういえば、鎖を使ってもまったくMP消費しないな。気づかなかった。
「私はそこで一つの仮説を立てました。それは、手に渡った人が得意とする属性の魔術を書いているのではないか、と。中にはかなり希少な属性も確認されたので私は調べているうちに確信を得ました」
確かに、鎖って空間属性と創造属性を合わせたやつだろ? 前に調べたけど、空間は載ってなかった。似たようなものに時空属性ってのがあったけど、それはまた違うんだろうな。
「……この本は今まで手に取った人々が自分の魔術を残すために書かれた本ってことか? でも、それだとアステラはどうやって入ったんだ? 人間なんだから魔術になれるわけないし――」
「さっきの話には続きがあります。私は魔術以外も載せられないのか試しました。すると、肉体は入れられませんでしたが、魂の一部を入れることは成功しました。なので私は肉体だけ残し、魂を全て中に入れたのです。ついでにいうと今の肉体は中に載ってる魔術を応用して、自ら作りました。これで大丈夫ですか?」
自分の魂を入れるって、度胸あるなぁ……。悪いが俺には無理だわ。
「まぁ言ってしまえば、私は魔術を残して後世に伝えるよりも、魂を残して世界を見たいと思ったわけです」
「なるほどな。んで……アステラはこれからどうするんだ? 目覚めたんだから一人旅するのか?」
「いえ、一人旅が出来るほど私は強くありません。本に載ってる魔術を使うことは出来ますが、使いこなせてないので……。よければ私も連れて行ってくれませんか?」
新しい仲間を増やすか? ……でもパスポート無いよな?
「パスポート? 通行書のことでしょうか……? でしたら幻で作ることができますが」
「お前、心が読めるのか? 別にいいけどさ。んじゃ偽装できるってことか?」
「はい、問題ありません」
「そうか……。それじゃあ、これからよろしくな。俺は直仁で、こっちの眠ってるのが――」
「クーだよ!」
いつのまにか起きてました。音を立てずに起きるとかビックリするわ。
「ナオヒトさんに、クーさんですね。改めて、アステラと言います。これからよろしくお願いします」
「アステラお姉ちゃん! よろしくね!」
「おう、これからよろしくな」
俺がお兄ちゃんならアステラはお姉ちゃんなんだな。
まぁ置いといて、こりゃまた賑やかな旅になりそうだな。
禁書が読みづらいと思った方、安心してください。自分も読みづらかったりします。
どんどん新ヒロインが出てきます!
キャラ全員を動かせるかどうか心配ですが、頑張ってやります!
第2章に出てくるエルフの女の子の名前をまだまだ募集しています。
参考にしたいので感想、評価、と共にお待ちしております!
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