かっこよく恋の相談してください。
〈出演者〉
・相談する人:私(JJの弟子?)
・相談所:ライさん、リンさん
私は今日、恋の相談をしに来た。
知り合いのJJさんからのおすすめの恋の相談所である。
「失礼します・・。」
ドアを開けると女の人が2人座っていた。
一見、情熱的に見える朱色の髪をしたライさんとふんわりと優しい雰囲気のリンさん。
「やぁ、彼女。」
「こんにちわですぅ。」
少し特徴的な言葉使い。
手前の席に座れば、もう・・彼女らの手のひらの中である。
「あの・・・好きな人がいるんですけど・・その人の好きな人を知りたいんですっ!」
「聞けばいいんじゃないか?彼女。」
「でも、聞けないって言うか・・。」
「これは典型的な恋ですねぇライ。」
「ややっこしいな・・彼女、俺はね、そうやってうじうじしてる奴が嫌いなんだよ。好きならすきっていってやらぁいいのさ。男って奴は、鈍そうで勘がいい。勘がよさそうな奴ほど無神経に傷つけていたりするもんさ。要は言えばいいのさ。誰がすきなのってさ。」
私はうつむいた。
それが言えないから相談しにきているのである。
「まぁ、ライ。そんなものですよ、恋なぁんて、ね。」
一秒でも彼女を信頼してしまった自分がいた。
「ですが、わからないからこそマイナスに考えるのは良くないですね。何もしていないのに勝手に失恋とか言って彼が逆にかわいそうですぅ。」
要するに彼女らはクールで毒舌で明確なのである。
話は淡々と進む。淡々と。
「あと・・もうひとついいですか?」
「あぁ。」
「彼はいつも特定の女の人と話したりべたべたしたりするんです。でも、私にも優しく話しかけてくるし・・」
「あぁー駄目駄目。嫉妬、疑い、比較、卑下、憎しみ、・・・愛が鈍っているよ。最悪な好み方だよ、彼女。」
「疑うよりも信じたほうが何倍もいいですぅ。」
「でも・・・彼は・・どんな気持ちで私のこと思っているのかって思うとやっぱり・・最悪になっちゃいますよ・・」
うつむく。
「ピュアになればいいじゃないかい?」
「えっ?」
「彼女は少し、ひねくれている。それが女。彼女は並。でも、多分その特定の女とやらはピュアを気どっておいて根が深い。これは、男並の独占力を持っているよ。」
「そうそう!にしても男も男だなぁ。きっと気づいててやってるに違いない!」
「そんな・・・」
「いい!?全ての男がそんなんじゃないけどそいつ、あまりにも女の子の恋を舐めきってる!」
「そうだな・・一方的に彼女が悪いってことじゃないよ。」
「モテモテ気分を味わいたいだけだ!」
・・
・・・
・・・・
私は思うのだった。
男の気持ちなんてわかんねぇや。
というか自分以外の他人の気持ちなんて聞かなきゃわからない。
相談と言うか気分がすっきりになった。
JJはこれのためにいかせただけだった。
全てはJJの手のひらの中。
「すっきりになって気分が軽くなった快感はどうかな?」
「・・・・・・・・。恋の解決なんてないことがわかりました。」
「そう、解決ではなく、プラスに考えるやり方を知るだけだよ。成長したね。僕の弟子。」