乙女ゲームの世界で××に転生して困ってます
勢いで書いたのでいろいろとひどいです。
乙女ゲームの悪役に成り代わり!?お先真っ暗!堕落人生なんて嫌!
乙女ゲームの主人公の親友だと……!?フラグびんびん立つじゃん、へし折ってやる。
乙女ゲームの世界に転生しました、とりあえず傍観きめこみます。
とか好き勝手戯言抜かしちゃってくれるスイーツ脳な彼女たちに言いたい、それぐらいなら別にいいじゃないかと。悪役に成り代わってしまったなら普通に正しく清い行いをしてそこらへんのモブと仲良しこよししてればいいじゃない。親友のキャラとして成り代わってしまったんなら親友にならなきゃいいじゃない、ひたすらかかわりをさければいいじゃない、本気で。傍観決め込むっていうんなら自分の発言には責任持ちなよ?傍観主やめた時点で自害しろよ?絶対傍観主とか言ってられなくなるから。これが私の意見であり主張だ、だってそうだろう。全部簡単に解決できる問題ばかりだ。
悪役も親友もただの転生も別にさ、その役を放棄したとてその主人公や仲間たちに多大な影響を与えるわけでもないんだから。
悪役がいなくても物語はスムーズに進むし、親友がいなくても新しい親友はできるだろう、傍観のモブなら別にいてもいなくても一緒だし。
だからうしろめたさなんて何も感じずにその役を放棄できるでしょう、羨ましい。
まあそう偉そうに言うお前は何なんだよ、とお思いの方もいるだろう。
ま、よくある話、私は乙女ゲームの世界に転生したらしい、前世の記憶があるのがその証拠、いや電波とか言うんじゃない。で、ただの転生だったら良かったんだ。悪役だったら別にいい子演じるし親友だったらまずそいつらと関わらないしだって親友っていっても人生に影響与えるような役目じゃないから、傍観だったらもう喜んでほかの学校行くなりなんなりしますわ。
でもそんな私の役目は、攻略キャラの恩師というまあ微妙な役目を受け持ってしまった。
世界観は普通の日本と思いきや裏では特別な能力を持つ人間達だけに見える「邪」の侵略を防ぐべく立ち上がる能力者達、基本的な攻略キャラの5人はその能力者で主人公の女の子も能力の中でも特殊な能力が使える子なわけだ。聖胤学園という至って普通の学園に入学していた主人公だが、邪が学園内に侵入してきたとき主人公は邪の姿を見てしまう上に邪を倒してしまう。そこで特別科という表は成績優秀の生徒のみがはいれると言われているが実際は能力者のみが入れる科にやむを得ず入ることになり、そのまま攻略キャラ達と仲良こよししたり攻略キャラ5人を攻略したらでてくる隠しキャラ2人とも仲良くしたりするお話なわけだ。
なのだが、私は基本の五人と隠しキャラのうち一人に能力のコントロールを教えるという超重要キャラ。しかもばっちし死亡フラグもある、ああ、なんていらないプレゼント。
小さい頃から能力があり、能力者だとか異能者と呼ばれて歪んだ人格が構成されてしまった基本キャラ五人に隠しキャラ一人。その五人は裏の機関に連れていかれ「私」と出会う。そこで「私」に能力のコントロール、そして人として大切なことを教わるのだ。「私」は彼らの師になる人物なのだ、そして「私」が邪により殺されたことにより彼等はまた無表情で冷たい人間になってしまう。そこで主人公と出会い、どんどん変わっていく。特殊な邪による私の復活イベントとかもあったけどね。
最初私はまず彼等と関わらなきゃいいと思った。でも生まれつき自我があり能力はあるわな神童ともてはやされた私。はいもう裏機関に編入させられる。元から両親もそういう血族にいたらしくて、これが妥当だろうとか言われてたらしいよ、生まれる前から立っているフラグってへし折れないし回避もできないって。
そしてまあ裏機関に編入させられても努力しなきゃ大丈夫だろ。「結果を残さなければ殺す」はい死亡フラグ。泣く泣く努力しましたとさ、そしたらなんかお前には今日から新しい異能者の指導についてもらう。はい、私涙目。
まあ情を入れずにきびきび指導して人であるために大切な事、とか教えなきゃ大丈夫だろ、と思った瞬間頭をよぎる不安。生前の私の記憶が正しければ公式はこう言っていた。「彼女がいなきゃ彼らの心は荒んだままで、きっと能力がコントロールできずに邪以上の脅威になり日本を消したでしょうね」公式が私をいじめる。私が彼らに優しくしなかっただけで日本滅亡とか困る。私が原因とか重すぎる嫌だ。
ということで私はしょうがなく彼らの指導に、冷たくはしないで彼らの荒んだ心をいやす程度のものを与えたつもりだ、かなり適当に。
「あー、あれだ、馬鹿な気を起こすな。お前ら異能者とか言われてのくせに散々利用されて嫌われてるけど」
アレ、これ癒すどころか余計荒んでくんじゃないか。そう思えば6人の少年こと攻略キャラに思いっきりにらまれた。「うるさい」ほら余計荒んでくよ日本壊滅の危機、私も死亡の危機。そんなことを考えながら彼らの指導を終えた私は同期の八久と一緒にコーヒーを飲みながら休憩していた。コーヒーをぐびっと飲んだ後にはあと大きなため息をついた。
「いやあーお前も大変だよな、あんな餓鬼どもの指導だろ?」
「あー」
「お前ならもっときつくあたると思ってたぜ、指導って言葉に上官に出された瞬間のお前の顔、般若なみだったし」
「いやーまーそうなんだが」
したくてしてるわけじゃないというかね、うんもっときつくあたりたいけどさ。
「あー、アイツ等も何も知らずにいきなりここに連れてこられてほら混乱してるだろ?」
私は混乱はしなかったけど発狂はしたよ。だって私の人生いろいろと詰んだなって。でもまあそういうの云々の前にだな日本の危機や私の命も危機もあるんだけど。
「一番は、あいつらに期待してるよ」
にししと笑えば呆気にとられたような顔をする八久。
「意外って、顔してる」
「当たり前だろ!?お前だって、自分以外の人間はクズって思うような人間じゃねーか!」
「いやそんなことはない」
若干あるかもしれないけど、ここに来たころはかなり私自身荒んでいたからギラギラしていた。つまりやんちゃしてた、能力値が高かったのもあり調子にのっていたというか。もうどうでもいいやってなってた時期もあったわけだ、いきなり転生していろんな役目をおわらされて嫌になってたわけだ。「お前らみたいなクズと話す価値がどこにある」とか「最初からお前らみたいのには期待してない」とかもいってたきがするような。で、その時期をずっと見ている八久からしたら私が期待なんてするのが理解できないのかもしれない。
「何、勝手な期待だよ。私みたいな人間にアイツ等はもしかしたらならないんじゃないかっていう期待だしね」
「能力を持ったことによって生まれたときから裏機関、つまりこの組織にくることが決まる。組織はほとんどが能力者であふれてるくせして上官は能力者じゃないせいで化け物みたいな扱いを受けるだろ」
「これは言い訳だけど、基本グレたりスれたりするんだよなあ。だってそんな環境だぜ?」
「だけどあいつらはもしかしたらそうならないかもだろ?」
「私は上官を殺してやりたいぐらいに嫌いだし大嫌いだし能力者として生まれたくなかったし寧ろ私としてうまれたくなかったぐらいだけど、普通の人間になりたかったけどでもあいつらを私はもうクズとしてしか見れないけど」
「アイツ等は好きになれるかもしれないだろ」
そこまで言って一区切りすれば八久はお前らしくないと呟いた。
「何、私らしいって言ってほしいわけじゃない」
「ただ、アイツ等のその芽を詰んでしまうのは少し可哀想だと思っただけの話だ」
じゃなきゃ私が死ぬかもしれないからね、日本滅亡かもしれないからね。だから日本滅亡のフラグを回収する人間は私じゃないからね。ということを私は八久に遠回しに伝えたわけだが。
「じゃあ私は指導に戻るよ」
よっこいせと席をたって飲み終わったコーヒーの紙コップを握りつぶしてゴミ箱に捨てる。
「あのクソガキどもの指導を、私がじきじきにしにいってやるからさ」
ニヤッと笑って八久に手を振れば次は「お前って天邪鬼ってやつか」と言われた。理解できない、八久語は難しい。そんな能天気なことを考えていた私は、能力をつかって私たちの会話を全部攻略キャラ達が聞いていたことにさっぱり気づきやしなかったのだ。