何から話して良いものなのか…
設定とかほぼゼロ!伏線?ムリムリ、それ無理♪
ども、オレ佐藤隆史、今はクロンⅢ世って言う名前です。
元庶民で恥ずかしながらも王様業やってます。
今回は、平凡を真正直に生きてきた佐藤隆史が、なんで異世界に飛ばされた挙げ句に王様業をやることになったのかについて話そうと思います。
そうあれは半年前、オレが全身全力で平凡と言う名の人生を突っ走っていた時に起きた些細な行き違いの連続によって起こった奇跡の出来事です。
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オレ、佐藤隆史、本日15歳になりました。ドンドンパフーパフー!!
…だからといって何がある訳でもないんですが、誕生日に浮かれる位は普通ですよ?ヒャッハー!!!
とまぁこんな感じにあの日のオレは浮かれていたんですよ。
事の発端は、この休日の誕生日。たかだか1つ年を取ったからというだけの理由で浮かれていたオレのこんな未熟な精神から、オレの平凡人生は捻れ始まったんです。
オレの誕生日という、オレが生きた世界の中の極々一部の限られた人達に認識されていたあの日、オレは自分自身へのプレゼントを買うために街に出掛けていた。
買ったのは、万年筆。
これからは何かと自分の名前を署名したり、個人情報を記入して提出しなくてはならなくなるのでせめて少しは恰好を付けたという、何とも短慮かつちょっとした見栄張りみたいな気分で購入する事を決めたのだ。
万年筆を買った店の店主から、痛みにくい使い方や手入れの仕方などをしっかり聞いて店を出たのが三時半前。
商業地として様々なビル、建物が居並ぶ街中をいつもなら決まったルートを、いつも決まった速度で歩いて駅まで向かうのだが、浮かれていたオレは今日に限ってルートの新規開拓という選択を選んでしまったのだ。
いつもなら通り過ぎる裏路地なんかに脚を向け、見知らぬ建物やお店なんかを見ては自分の頭の中にある地図に書き込んでいった。
それは好奇心であり、一種の興奮であったのだと気付いたのはこちらの世界でこの日の事を思い出してからだ。
そしてあの場所、幾つか裏路地を見て回ったオレが、幼心の探検で最後に見つけた廃ビルだった。
建物の様相はレトロの洋館みたいな佇まいで、中は人の気配などなく静まり返っていた。
すでに、好奇心という欲求がオレの中を支配していたのか、一抹に人気の無さに不安を覚えたがそれは一蹴されていた。
ギシギシなる床、埃で薄汚れた壁、蜘蛛の巣を携えた天井隅、どれをとってもオレの好奇心を揺さぶった。
一階、二階と歩き回ったオレが気付いたのは、埃まみれの床にどこか真新しくついていたオレ以外の誰かの足跡だった。
何か居ないのか?まるで【羅生門】に出て来る下人のように息を潜めて三階へと登り、その足跡を捜してみたが何もなかった。
何故かホッと一息を付いて、来た道を戻ろうとした時だった。
オレの左後ろからドン!と何か物体が当たる衝撃を受けた。次いでう゛っと呻いた時には腰辺りに深く鋭い激痛と熱を感じた。
即座に身体を鋭利の物で、突き刺されたのだと理解出来たが、それ以上は何も考えられなくなっていた。ドクンッ!ドクンッ!と激しく脈打ち、身体の穴という穴から尋常じゃない脂汗が排出される。
そしてオレを襲った衝撃がなくなり、身体を刺していた物が引き抜かれるととめどなく赤黒い血液が溢れ出てくる。
オレは何とか振り向こうとしたが、突然の恐怖に筋肉が弛緩してまともには振り向く事が出来ずにその場に仰向けで崩れ落ちた。
薄暗い廃ビルの中、仰向けで倒れたオレが最期に視たのモノは、オレに跨がりながら幽鬼のように狂気し、悲しげに笑う人が振り上げた家庭用の包丁をオレの胸に突き降ろす所だった。
一回、謎のブラックアウトで書き足していた部分がパーになって欝ってました。