出会いは突然!?タヌ吉先輩現る!
突然って言っても、なるべく嫌な出会いは避けたくなるもんですよ…。
「あぁ疲れた…。」
あのあと俺は、笑われながらも、なんとか登校初日の授業を終えることが出来た。
「おい!夏!部活見てかないか、サッカー部入ってくれよ!」
コイツは佐藤和也今日の体育の時間に仲良くなった。クラス委員長で今日見た限りでは、明るく行動的なやつだ。クラス内の喧嘩を押さえ込んでいたりもした。正義感が強く尚且つ信頼も厚いようだ。サッカー部のエースらしい。だが、今日でコイツがバカだということは把握済みだ。
「わりー!今日は約束してるから!」
「約束?夏って誰かこの学校に知り合いいたの?」
この子は、朝、俺が見とれてしまった少女。デメテル・アリストパネース・ピュアネプシオン。彼女はギリシア人の両親を持ち、純粋なギリシア人だという。見た目と違って好戦的な性格で和也に喧嘩を止められていた。
「なんだなんだ。転校早々、変人に囲まれてるにょー。」
「お前が言うな!きゅう!」
コイツは川原河童〇尾君が掛けているような大きな丸ブチ眼鏡がトレードマーク、オカッパ頭で頭の上にはプラスチックだと思われる皿が載っている。周りからきゅうちんと呼ばれていた。
「そうですよ…。きゅうちん…。あなたが…、一番変態なんですから。」
彼女は凩美冬純白の肌に舞う雪のように輝く純白の長髪が印象的な美少女だ。
「ゴメンネ…。sex offender…さん。」
「おまえかぁぁぁぁぁ!!!!朝からなんか、あからさまなに僕の印象を悪くしてたのはおまえかぁぁぁ!!そして、英語で侮辱するのやめてぇぇ!!なんか余計にエロいからぁ!!!てか、なんで性犯罪者なんだぁぁ!!」
「ごめん……。ショタコン…。」
「反省してねぇ!残念ながら僕はそんな特殊な性癖を持ち合わせていませんから!!!」
「それはそうと、夏の用事ってなんなんだ?」
「ああ、そうだ。今日は入夏と一緒に帰る約束してたんだった。」
ぉぃ…。ちょっと来い…。
「はぁなんだよ!なんなんだみんなして!」
僕は、何故か男子達に連行されていく、、、
「おい!なんで入夏様と知り合いなんだ!!」
「いや、だから幼なじみだって?」
「入夏様と幼なじみ?そして仲良く二人で下校だと!?」
「いや、仲良いとかではなく、、、まぁ幼なじみだからな♪」
「リア充に死を!!この世のリア充達に粛正を!!」
リア充撲滅!
リア充撲滅!
リア充撲滅!
リア充撲滅!
リア充撲滅!
リア充撲滅!
リア充撲滅!
「我ら、海原入夏様ファンクラブに勝利あれ!!」
勝利あれ!!
「草下夏!覚悟!」
覚悟!
「えっ!?あっ、なにっ?ぎゃああああああぁ!!」
これより、あとの描写には一部過激なものが含まれますので控えさせて頂きます。良い子はまねしないでね♪
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そして30分後…。
「遅いよ!夏!!なにやってたの!!」
………。グスッ…。
「って、夏なんでそんな傷だらけなの?」
「僕は悪くない…僕は悪くない…そうだよ。僕は悪くない…。」
「ええーと夏くーん夏くーん大丈夫ですかー?」
「大丈夫ですよ!入夏さん!僕、佐藤和也が保証します!!」
「えっと…。夏と同じクラスの子だよね?夏なにあったの?夏ってこんな感じだけど…そのっ…優しいから!少し心配かもなぁーてなんちゃって♪
辞めてくれ!辞めてくれ入夏!それ以上は僕泣いちゃう!いろんな意味で!!
「ちょっとクラスメイトの粛正にあっただけですから♪」
『チッ!まだ粛正が足りないな!』
『いやぁー!!辞めてー!!聞こえてる、聞こえてるよー!!』
「粛正!?」
「気にしないで…。」
「えっと、美冬ちゃんだよね?」
美冬は少しの間、固まったあと、ゆっくりと首を縦にふった、美冬は動作がとてもゆっくりというか、マイペースというか…。
「何があったか知ってるの?」
「……和也に…迫って、殴られた…。
「違う!!なんでだー僕はBLじゃない!!」
「夏って…そういう人なんだ…。」
「違うよ!違うよ入夏!勘違いしないでくれ!!」
「まぁ、いいじゃねぇか夏!俺はお前の愛を受け止めることは出来ないが友達でいてやるぜ!」
お前が原因だろうが!僕は心のなかで強く、それは強くコイツに復讐することを誓っ、、、
「なんか言ったかな夏君?」
「いやぁぁぁぁ!!心の中読まないでぇ!!」
和也は見るからに、いや僕だけに歯向かうことを許さない、そんな雰囲気を醸し出しながら、にこにこと笑みを入夏へと送っている。
入夏はといえば、僕を蔑むような気持ち半分、?という気持ちが半分というような顔を浮かべている。
そんなこんなしている内に、美冬、シオン、きょんちん、和也という順にそれぞれ家に帰っていった。そして、家の近い夏と入夏が自然と二人になった。和也と別れるときの、、、あの顔が脳裏に貼り付いて今でも震えが止まらない…。あえてどんな顔かは、ここでは言わないでおこう。いや、言葉では表現力に乏しい僕では表せないかもしれない…。
「ねぇ夏っ!」
「……んっ?なんだ?」
入夏はまるでイタズラに成功した子供のような、笑顔で呼んできた、
「面白い友達が沢山できて良かったね。」
「良い友達なもんか!」
本当に今日は散々だったと思う。転校早々、先生に目をつけられるし、クラスメイトからは笑われるし、可愛い女の子は変な子が多いし…。
「今日は厄日だぁ!!」
僕は今日が間違いなく、人生でトップ10入りするほどの厄日だと確信に近い思いを感じていた。
「そんなこと言ったら和也君何するのかなぁ?」
また、入夏はどこかイタズラっぽい笑みを浮かべている。
「それは言わないで…。思い出すから……。」
ああだめだ!やっぱり不幸だー!!僕は漫画の主人公みたいに叫んでいた。
「大丈夫だよ!私は和也君達の言うことがノリだって分かってるから!」
入夏は何が楽しいのか、満面の笑みだ。なんというか、その笑顔は少し顔を背けてしまうほど可愛いかった。
「本当に?」
「ほ・ん・と・に!」
そして、入夏の家に着いた。本当は夏のほうが学校に近いのだが、みんなの家を回ったので一番最後になった。
「はぁ、大変だった。」
夏は仰向けになって空を見上げた。ここの川原は気持ちの良い風が吹いていて、昔お気に入りの場所だった。
「そういや、良くじいちゃんと一緒に遊んだっけ…。」
夏は、小さい頃はおじいちゃん子で良くこの川原へ来たあと、神社へ参拝に行くのが習慣だった。
「ちょっと久々に行ってみるか…。」
その神社は狸を御神体にしていて、狸三神神社とかいった…。狸って…。なんか祟られそうだなって思うんだが、
じーちゃん狸顔だったからなぁ…。
「行ってみるか…。」
ここの神社は、狸の傘地蔵があることで有名だった。だから、触れるな禁止の立て札があるのだが、禁止と言われると、破りたくなるのが人間ってもので、僕は結局どうしようもなくバカなのであった。
「これ笑えるよなー。狸が整然と真夏なのに傘かぶってるの。」
そう、そのとき僕は触ってしまった。それがすべての始まりだと知らずに…。
「気安く触るでない、無礼者が!」
「へっ!?」
そう、そんな間抜けな反応をしてしまったのだ…。
それがタヌ吉先輩との出会いだった………。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
タヌ吉先輩!その正体は!?ただのタヌキなのか、明らかに違うが…。