表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

転校生の苦悩?そして美少女は突然に…。




「もぉー!せっかくの再会だっていうのになんで夏は寝坊なんてしてるの!?〓」



さっきからずっとこんな調子の入鹿は、久々に会った幼なじみの不甲斐なさに呆れているようだった。





「それにそんな人を馬鹿にした呼び方をしない!!」



これはきっとあだ名のことだろうな、と夏は思った。小学生のとき、入鹿という名前を同級生が海豚と読み、怒った入鹿が蹴りかかろうとしたが、ミカンをおもいっきり踏んづけてしまったことからきている。




「はいはぁい、分かりましたよぉ」


別に夏は入鹿のことを普段みぶっち?まぁそんな風に呼んでいなかったので、特別拘りがない。ただ時々思いだしては笑っている。




「本当にわかった!?ねぇ」



「わかったよ!わかった(笑)」




夏は眩しそうに空を見上げた。都会では見ることの出来ない、透き通った青空がそこには広がっていた。


鼻腔をくすぐる、夏の香り


聴覚に語りかけてくる、蝉の声



視界一杯に広がる、田んぼに山


それらすべてが夏にとって懐かしく、気持ちのよいものだった。



「ねぇ夏!夏ってば!」



「へっ!ああ何!?」



「聞いてるのぉー?」



「悪いぼうっとしてた」



「もうぉー登校初日なんだからしっかりしてよ!」




そんなこんなで僕、草下夏の夏空町での生活が始まった。




キーンコーンカーンコッ…ブッ…。



どうやら、夏空第一高のチャイムは微妙に壊れているらしい。朝のチャイムと同時に、生徒達が一斉に自分の席に向かい座っていく。


「皆ッさぁーん!!おはようございます!!今日はbigなニュースがあります!!」



ここ、2年F組担任の燃える氷結こと中嶋里美(なかじま・さとみ)が朝から元気良く挨拶している。この教師は名前こそ、いたって普通だが、ある種類のお酒(製品名は控えさせて頂きます)を好み、尚且つ酔うと熱血になってしまうという性質をもつ教師である。



「先生ー!なんなんですか!?bigニュースって?」



「おお!いいノリだ山田」


ザワザワザワ…


山田はどうも、この女性教師のことが好きであるらしい。


「えーとだなぁー、、、なんだったんだったかな?」




『おい!』



そして、俺はこのツッコミどころ満載の教師にツッコまずにはいられなかったが、廊下から転校生がツッコミをいれる訳にもいかず、心のなかで強くツッコンだ。



「ああ、そうだった。今日からこのクラスで一緒に学ぶ転校生を紹介する、草下君入って。」



「はい」


「じゃあ、適当に自己紹介よろしく」



『おいおい!なんだよそれ、どんな無茶ぶりですかぁ!!こいつダメ人間だろ!!』


「えーと、今学期から夏空第一高に編入することになりました。草下夏といいます。いろいろよろしく」


まぁ、こんな感じな挨拶で大丈夫なはずだ。特に目立たない普通の自己紹介だろう。だがしかし、



「なんだよ!男かよぉー可愛い女の子期待してたのにぃー」


「なんか微妙よね」


「普通って感じ」


「醜い…………………。」



…………。



「誰だああああぁ!!!!!!!

最後に醜いって言ったの」


ふっふふププッははははははぶはははは(笑)








なんなのだろうか?この雰囲気は、僕はいたって普通の自己紹介をしたはずなのだが…なのになぜ罵倒された、そして今笑われいる?



「いいツッコミだ!転校生!」



「草下ぁーよろしくな!」



「よ・ろ・し・く★」



「臭い蚊………。よろ」



……。



「マジで後半だれだー!!」




ハハハハハは!



「ほらほら、馬鹿話もそこまでにしておけよ!(笑)草下君、窓際の一番後ろの席空いてるからそこに座って。」



「はい(笑)わかりました。」


「ほら半わらいしないで」



チラッ…チラッ、プイッそぉプイッ。


僕は言われた通りに、窓際の一番後ろの席に向かう。転校そうそう早くもラッキーだ。だが、ずっと僕のことを見ている(と思われる)僕の右隣の席の女の子が気になる。



小柄だが、チビとも呼べない身長に透き通るようなブルーの大きな瞳。腰のあたりまである、艶やかであり金色に輝く髪。幼さを残していながらも、どこか艶っぽい小さな顔。そして身長に釣り合わない程の大きな乳房。そんな美少女がさっきからずっと僕の方を見ている。



気のせいだろうか?いや、気のせいでないことを祈りたい。こんな可愛い女の子とお近づきになれる機会なんてめったにないだろう。


「あのぉ……。」


おお!まさか話しかけてもらえるとは、なんて幸運なのだろうか!ああ!!ありがとう神様!アーメン!!


「…あっ、えっと…。」


うん、こう、なんてゆうか儚げなところが可愛いね!


「そのお…。チャック…開いてます………。



………………………チラッ。



ガラガラ


「よーし!新学期の一発目始め…「ぎゃああああああぁぁぁぁぁす!!」



な・な・な・なんてこった。


僕の下半身のあそこのチャックが全開だ!まさか!なんてこった…。神よ僕を見放すか!



「おい!!うるさいぞ、そこ!えーと、なんだ新入りか…初っぱなから何やってんだ!」



「すっすびませぇん…。」



さっ最悪だ!なんだって初日からこんなことに…。



「ふふっ」



えっ、笑ってる?マジで!


「夏君って面白いんだね。」


「新入り初日から凄いな!」



ハハハハハは!




こうして、僕の夏空第一高等学校での学園生活は、クラスメイトと謎の美少女の笑いとって始まったのだった。







◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ