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そして姫君は恋を知る  作者: 未華
再会編~そして想いは一つになる~
154/180

イセン国城にて(1)

ユーゴ視点。

リルディ奪還にカイル達が向かった頃ユーゴたちは……。


「それで? イセン国王はいずこに?」


 イセン国城の一室。

 不遜な態度で男……フレデリク・エルンは目の前に直立している男に、一瞥を向ける。

 エルン国のような小国の王が、この大陸随一の大国であるイセンに乗り込み、こうも高慢な物言いを出来るのは、演技なのか素なのか……いや、明らかに素なのだろう。

 この男に“物怖じする”などという可愛げがあるはずもない。


「大変遺憾ですが、我が王は病床に伏しております。恐れながら、エルン国王も聞き及んでいるものだとばかり……」


 対峙した男は丁寧な物言いをしながらも言葉に棘を含ませる。

 一国の王がそんなことも知らないのかと。

 心中は穏やかではないだろう。

 柔和な表情を浮かべながら、時折苛立ちが見え隠れしている。


「もちろん知っている。だが、俺はイセン国王からの直々の呼び出しを受けたんだが」

「……恐れながら、何かの間違えでは?」

「俺が嘘をついていると? メディシス宰相殿」


 目の前の男を威嚇するかのように眼光鋭く言葉を放つ。

 ドリノ・メディシス。

 名門メディシス家の長であり、前王ゼルハート・イセンと共に幾多の戦場を駆けぬけた戦友。

 前王の信頼は厚く、カイル様が王位を継いだ後も、宰相の一人として、国に絶大な影響力を持っている。


(まったく、厄介な相手だ)


 人望者としても名高く、平民の子であるエルンストを養子として引き取り、軍神と言わしめるほどに育て上げた。

 実力があり人望がある。


“ドリノ・メディシス宰相に反乱の兆しあり”


 城に残してきた腹心から火急の知らせがもたらされたのは、カイル様がリルディアーナ姫奪還を決意した直後だった。


 話は数時間前に遡る。


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