逆異世界転生 (TS転生) (未完)
この物語は21冊目の特殊書籍です。
逆異世界転生(TS転生版)
ピグマリオン王国も戦が終わり数十年が経って、ようやく民衆の生活が落ち着きを見せて来た。
俺は冒険者、傭兵、狩人などを経て、漸く田舎に引っ込んで畑を耕して生きるようになった。
あるとき急に晴れた空に雲が湧き雷が鳴り響いた。
そして俺が持っていた鍬を片付けようとしていた時に、物凄い音がして気を失った。
「トロッコ村のランドリーさん、あなたは畑仕事の最中に落雷に撃たれて死にました」
目の前に可憐な少女が現れた。黒髪黒目で鼻が低い子だ。
「この鼻は低くありません。標準サイズです。あなたが考えていることは全部聞こえて来るので、その積りでいてください。さて私が誰か分かりますか?」
神様にしては若いから天使ちゃんかな?
「ちゃんはいりません。まあ、そんなようなもんです。ところであなたにはこれから異世界に転生してもらいます。あなたが58年間生きた世界とは全く違う世界です。そこでは剣も魔法も使えません。科学というものが発達していて、雷の気を使って色々な便利な道具を動かして生活する世界です」
ふーん、面白そうだな。でもなんでそんなとこに俺が行くことになったの?
「えーと、実はこれから行ってもらうところは地球と言う惑星の日本という国ですが、そこからあなたの世界に転生した人がたくさんいた為、世界間の魂の密度のバランスが悪くなってきたのです。その帳尻合わせの為に転生してもらうのですが、なかなか転生に向いている人がいなくて困ってたんです」
そこで俺に白羽の矢がたったわけか。どうして俺なんだ?
「一応慎重な性格で、経験豊富なのと向こうの世界の人間の考え方に近いと判断されたからです」
他の人間なら駄目なのか?
「そうですね。試しに何人か転生させたのですが、不適応で犯罪者か病気になってしまうことが多くて」
そういう訳で俺は日本という異世界に転生することになった。
転生する前にはその天使ちゃんから色々な注意事項を聞いておいたので、不適応で失敗することがないようにする積りだ。
転生してから三年経ってから俺は前世の記憶を取り戻した。
今世での俺は斎藤清という名前だ。女の子だ。苗字も名前も平凡なものらしい。
両親は揃っているが、父親はレンタカー会社に勤めていて、母親はお菓子屋の社員だ。
俺は小さい頃から保育所の世話になっていて、夜になって親に引き取られる感じだ。
こういう生活も天使ちゃんに前もって聞いていたから驚かなかったが、全くもってつまらないと思う。
優しい保母さんという女性たちが俺たちのお世話をしてくれるんだが、危ないことは一切やらせてくれない。
薫は21冊めの本を置いた。コメントを書いて、まだ寝ている彼女の横に置いた。前のコメントも見ていないようだ。再び自分のデスクに戻って22冊目の本を開いた。
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