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特殊書籍研究所  作者: 飛べない豚
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スキル平凡 (未完)

これは特殊書籍の10冊目です。


下積しもづみしのぶ

高校2年生男子

スクールカースト 最低位


気がついたとき、僕はコモール村の青年アルドーになっていた。

そして、アルドーとして生きた17年間の記憶を思い出した。

水面に顔を映して見ると、前世の下積忍だったときの顔になんとなく似ている。

つまり僕は、異世界に転生して転生前と同じ年齢になったときに、そのときの記憶を思い出したという訳だ。

ところで、僕には気になることがある。

自分のステータスを開いてスキルを確かめようとすると、スキルの部分だけが薄くなったり点滅したりしているのだ。

そのスキル名は**『平穏』だった。

そして文字化けしているギフト欄が『%$#&の祝福』となっているのだ。

僕はアルドーとしての今までの人生を振り返ってみた。

確かに今までは貧しいながらも、家族にも近隣の人々にも恵まれ平穏だった。

でも、それはスキルなのだろうか?

平穏というのは状態であって、スキルにはならないのでは?と。

薄くなったり、点滅したりしているのはそういうことなのかな、って。

スキルとしては不安定だから。

けれども僕は、前世を振り返ったとき、この『平穏』は最も僕が欲しかったものだった。

アトランダムに与えられたはずのスキルが、僕にぴったりというのは偶然にしては不思議だ。

それと『%$#&の祝福』というギフトだけれど、きっとあの老人の神様の祝福なのだろうけど、何故文字化けしているのだろう?

僕の前世に関係しているのだろうか?

僕の前世はスクールカースト最下位の部類で、いつもビッグファイブ**の下部組織の生徒たちに虐められていた。

裸にされてスマホに撮られたり、雑巾水を飲まされたり、それはひどい目に遭った。

僕はそのとき願ったものだ。

何もいらない。ただ平穏に過ごしたいって。

だからあの老人の神様がスキルをくれると言ったとき、スキルはいらないからただ平和に生きたいと思ったりしたんだ。

心の平和……それが僕の願いだった。

そしてアルドーとしての半生を振り返ると、それは叶えられていたんだ。

アルドーという子は赤ん坊の頃からいつもニコニコしていた。

まるで空気を吸って生きているそのことだけが嬉しくて堪らないとでも言うように、いつも笑顔を絶やさない子だった。

今にして思えば、アルドーの周囲はいつも平穏そのものだったから、それが嬉しかったのだと。



「う―――ん? 短いな。じゃあ、コメントも短めにと」

「ちょっとっ!短いからこそ、今後の人生に選択肢が多い訳だから長く丁寧に書いてあげなきゃ」

「どういう理屈ですか、それは?」いつの間にか寝起きのまま起きて来た転生神が注文を付けて来た。

「顔洗ってから出直して来て下さい。着替えもね。それから食べて下さい。醒めてますけどね」

「起こしてくれたって良いじゃない!」

「それは仕事の内容にはいってませんか」

そう言うと薫は次の本を開いた。

本だけはいつの間にか間に合うように用意してある。次の物語は?



読者にお願い。この特殊書籍を読んで「面白い」「続きをよんでみたい」という方は、リアクションをお願いします。それがあればこの話は続きが書かれることになります。宜しくお願いします。

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