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君が知らないリトライ 〜仲間が死ぬ度に時間が巻き戻るので全員生存ルートを見つけたいのに、ヒロインの性格属性がたまに変わるので困ります〜  作者: 夢見戸イル
山の都“✕✕✕✕✕✕”

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75.チャンスと好転の予兆

 それから少し作戦をたてて、再びアミクスの所に向かった。岩陰から覗き込めば、アミクスは神殿の入口を守るように座り込んでいた。


「まずは動きを見る。まだ手を出すなよ」


 ゼノはそう言って、不意打ちを狙うように背後から攻撃を仕掛けた。短い剣を両手に持ち、全速力でアミクスに切りかかる。けれどもアミクスも、手を剣に変えてゼノの攻撃を受ける。

 勿論これは想定内。警備ロボットを兼ねているのだから、アミクスは少しの音でも検知してしまう。


 次に攻撃を仕掛けたのはアミクスだった。アミクスは顔を少し浮き上げて円を描くようにビームを放つ。

 近くにいれば目を閉じてしまいそうな光に、ゼノもさすがに怯む。その隙にアミクスはゼノの背後を狙い剣を出す。けれどもゼノもその動きをわかっていたかのように、アミクスの攻撃を剣で防いだ。


 どれも一瞬の出来事で、目が追いつかない。作戦では、何か危険なことがあったらフォローする予定だった。けれども守るべきかどうか判断する前に、攻撃が進んでいく。

 過去の時間軸では、ここまでではなかった。確かにスピードはあったけれども、どこか無鉄砲で単純。だからこそ、俺が守る余裕もあった。けれども今はそれができない。


「……流石ね」


 隣でリトラがそう言った。リトラの言葉に、俺も頷く。


「……そうだね。守る必要なんてないくらい」

「寧ろ、あたなももっと彼を頼りなさいよ。彼なら、安心して頼れるでしょ?」

「……そうだね」


 リトラの言葉が正しいことは間違いない。けれども捻くれた俺は、どうしてもリトラは俺よりゼノの方が頼りになると思っているのだと、落ち込んでしまうのだ。


「ねえ、リトラ」


 俺は、なんとなくリトラに問いかける。


「最初はゼノの事、嫌ってたでしょ? なんでそんなに信頼するようになったの?」

「……同じ目的を持ったから、かしら?」

「同じ目的……」


 同じ目的とは、この旅に関することだろうか。けれども過去の時間軸では、同じ目的を持っていたのにゼノのことを嫌っていた。

 けれども、少しの差でお互いの印象が変わるなんてことはよくあることだ。今回はゼノもリトラも雰囲気が違うのだから、たまたま好印象を抱いているのかもしれない。


「クロノ!」


 と、ゼノが俺を呼ぶ声がした。それを合図に、俺は魔力の放出を始める。


「シャドウ チェイン!」


 俺はアミクスを拘束する。勿論長くは続かない。過去の時間軸の事を考えれば、魔力が流れている剣で簡単に切られてしまう。

 けれども、今のゼノを見ていると不安はなかった。きっと一瞬の隙に、切ってくれるだろう。


 ゼノは、アミクスの頭の上に飛び乗った。これでアミクスの光線すら当たらない。

 アミクスが暴れて鎖を切ろうとしているその隙に、アミクスの首元に熱で発光した剣を入れようとする。


 けれどもゼノの手はピタリと止まった。その理由を理解する前に、アミクスが鎖を切り、首を持ち上げ光線を放つ。


「おっさん! 閃光!」


 それは、一旦退避したいという合図だった。ウルティオさんは、少し前逃げる時に利用した眩しい光を放つ玉を投げる。

 瞬間、眩しい光が周囲を包む。その隙に、俺達は再び岩陰に隠れた。


「どうしたの!?」


 俺の言葉に、ゼノは悔しそうな顔で言う。


「ダメだ、剣が入る隙間がねえ。無理やり入れても、どこか傷つけちまう」

「……いいよ、少しぐらい」


 ソフィアが眉を下げながらも言った。


「それでも、直るんでしょ? ねっ、ティオおじさん」

「恐らくね。記憶の領域はもう少し深部にあるから、少しぐらい削れても問題ないはずかな。まあ、角度によっては絶対とは言えないけれど」

「いや、駄目だ」


 ソフィアとウルティオさんの言葉を否定したのは、ゼノだった。


「やるとしても、最終手段だ。他に方法が無いか、考えてからにしてえ」


 そう言いながら、ゼノはどうしてか俺の方を見た。


「って、こいつならそう言う気がしてな」


 そんなゼノの言葉に、ウルティオさんも笑う。


「確かに、そうだね。クロノ君ならそう言いそうだ」

「……てめえも、こいつとなんかあったのか?」

「いや、あくまでお話ししたレベルだけどね。過去の私なら気にせず壊す方が早いと思っていただろうけど、そんな時に、何かやり方があるはずってクロノ君の言葉が聞こえてくるんだ」


 その言葉に、ゼノはウルティオさんの事をじっと見つめる。そして、ボソっと呟いた。


「……今の言葉に、嫌な感じはしねえな」


 その言葉は俺にも聞こえるぐらいだから、勿論ウルティオさんにも聞こえていたのだろう。ウルティオさんは、眉を下げながら言った。


「……ゼノ君にも、信用してもらえたかな?」

「今はな」


 実際、最初はアミクスを壊す事を大前提で考えていた俺は、少し心が痛くなる。二人には偉そうなことを言っておいて、現実は違うと突きつけられた気分だ。

 けれども、アミクスをできるだけ壊さない方法があるなら、俺も探したいのは同意だ。これからも繰り返すことを考えたら、そしてその可能性を探せるチャンスがあるのであれば、まだ過去の時間軸より最適な未来を選べるのだと、世界が明るく見えてくる。


「とりあえず、作戦練り直そうぜ」


 ゼノの言葉に、皆頷いた。

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