表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君が知らないリトライ 〜仲間が死ぬ度に時間が巻き戻るので全員生存ルートを見つけたいのに、ヒロインの性格属性がたまに変わるので困ります〜  作者: 夢見戸イル
山の都“✕✕✕✕✕✕”

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/84

70.友達と決められた言葉

「もし戦う相手が、アミクスだったらどうする?」


 その言葉に、ソフィアの顔は笑顔のまま固まった。

 そりゃそうだろう。普通は、戦闘になるにしても、何かの魔物だと思うだろうから。アミクスと戦うなんて、未来を知っていなければ起こり得ない発想だ。


「ま、待って。アミクスがそう言ってたの?」

「……言っては、いないかな。でも、アミクスは戦闘機能を備えたロボットなんでしょ? しかも、女神様がここを守った少し後に作られたんだったら、可能性はあるかなって」

「いや、そんな、そんなことは……」


 ソフィアは震える声で、他の皆を見た。皆、否定はできない。勿論アミクスと戦う証明もできないけれども、戦えないと言う証明もできないのだ。


「……少なくとも、そうかもしれないと覚悟しながら行かなきゃいけないとは思うわ」


 そう言ったのはリトラだった。そんなリトラの言葉に、ソフィアは泣きそうな顔になる。


「そんなの嫌! アミクスとは戦いたくないもん!」

「い、いや、まだそうとは決まってねえだろ!?」

「でも、そうかもしれないんでしょ!?」

「まっ、まあ、否定もできねえけどよ……」


 ゼノの言葉に、ソフィアは縋るような顔でウルティオさんを見つめた。


「ティオおじさん! なんとかならない!? 事前に調べるとか!!」

「かまわないのだけど、せめて神殿の場所に連れて行ってもらってからはどうかな? 下手にいじって、神殿の場所すらわからなくなるのは不本意だろう?」

「それは、そうかもだけど……。でもでも、すぐに戦闘が始まったら!?」


 ソフィアの言う通りで、戦闘はすぐに始まる。それを言えない俺は、少しもどかしい気持ちになった。

 ただ、俺の経験上の正解のルートを言うために、俺は口を開く。


「そうなったら、とりあえずは逃げない? 俺から言っててあれだけど、考えすぎかもしれないし、別の魔物が出てくるかもしれないし」

「……うん。そうだね」


 ソフィアは少し落ち着いたのか、視線を落としながらも頷いた。

 きっとこれで、ソフィアにも少し心の準備ができただろう。突然の事に、パニックを起こして死ぬことはきっとない。


「行こう。アミクスは入り口の前で待ってるって」


 俺の言葉に、誰も何も言わず頷いた。




 アミクスは、入り口の前で静かに待っていた。そんなアミクスを見て、ソフィアは涙をためながら駆け寄る。


「アミクス!」

「どうしましたか? ソフィア」

「神殿の場所、知ってたんだよね!? ねえ、アミクスとこれから戦うことなんて、無いよね!?」

「お答えできません」


 アミクスは、淡々と言った。


「なんで!?」

「お答えすることは、禁じられているからです」

「誰に!?」

「女神様にです」


 アミクスの言葉に、ソフィアはがっくりと肩を落とす。そんなソフィアの背中に心配そうに触れながら、ゼノがソフィアの隣に立ってアミクスを見た。


「……なあ、俺達、アミクスの友達なんだよな?」

「はい、友達です」

「友達でも、教えてくれねえの?」

「はい、教えられません」

「……そうか」


 アミクスの言葉に、ゼノも少し悲しそうな顔をする。

 きっと本当に、アミクスには感情が無いのだろう。友達なのに、これから戦わなきゃいけないのに、戸惑いもせず教えない選択を選ぶのだから。


 俺は、アミクスに見えるように、ソフィアとゼノの前に立った。


「アミクス、神殿の場所に連れて行ってくれる?」

「はい。その前に、再度神珠の照合をいたします。まずは青い神珠を見せてください」


 アミクスの言葉に、俺は珠を取り出しアミクスに見せていく。赤の神珠を見せ終わった後、アミクスは先ほどと同じ言葉を告げた。


「赤の神珠が本物であると照合完了。神殿の入り口に案内後、戦闘が必要となります。準備はよろしいでしょうか」

「うん。大丈夫」


 俺が頷くと、アミクスは施設の入り口を開けた。




 アミクスが案内したのは、施設や街だった場所から30分ほど歩いた場所にあった。それも、何もない崖の下で、アミクスは立ち止まる。


「ここか?」

「はい」


 ゼノの言葉にそれだけ言って、アミクスは崖に鉄の手で触れる。その瞬間、崖の側面に不思議な模様が浮かび上がった。

 そして、その模様の中心に四角いくぼみがあった。アミクスはそれを指さし、声を出す。


「ここに入るには、鍵が必要です」

「それは、どこに……」

「私の中です。これから、戦闘を開始します。私を壊し、私の中にある鍵を壊してください」


 アミクスがそう言った瞬間、顔の部分が少し浮き上がり、ビームが放たれる。


「シャドウ シールド!」


 俺はいつものようにそれを受け、皆を守る。後ろで、ソフィアの震えた声が聞こえた。


「うそ……、ほんとに……、アミクスと……」

「とりあえず作戦通りに逃げよう!」


 そう言っている間に、アミクスの手は光を放った剣のような形に変形し、俺達に迫って来た。そんなアミクスの剣を、ゼノが受ける。


「くそっ、すげえ力だな」

「全員逃げるのは難しいか……」

「てめえ一人残って俺達を逃がすとか言うなよ!」


 その言葉に、俺は苦笑いした。確かに、一人でここに残ると提案したことが、過去の時間軸でもあったからだ。

 けれども、そんなことをしなくて済むことを、俺は知っている。


「皆、目を閉じて!」


 ウルティオさんの言葉に、俺達は咄嗟に目を閉じた。目を閉じてもわかるような眩しい光が、俺達を包む。

 と、アミクスの体が止まった。


「これはアミクスの視覚による思考を一瞬麻痺させる光だ! それでもすぐに復活する! 今のうちに逃げて!」


 ウルティオさんの言葉に、俺とゼノは目を合わせて頷き、そして駆け出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ