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君が知らないリトライ 〜仲間が死ぬ度に時間が巻き戻るので全員生存ルートを見つけたいのに、ヒロインの性格属性がたまに変わるので困ります〜  作者: 夢見戸イル
山の都“✕✕✕✕✕✕”

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69.分かる未来と分からない未来

 図書室には、過去の時間軸と同じようにアミクスがいた。俺が近付けば、アミクスはくるりと顔を回転させて俺を見る。


「どうしましたか? クロノ。」

「あはは。アミクスを見かけたから、ちょっと覗いただけ」

「そうですか」


 アミクスは、それだけを言って再び掃除に戻った。本を本棚から取り出し、モップで埃を取って再び本を戻す。そんな地道な作業を、ずっと続けていた。

 アミクスが壊れた後、ここはどうなるのだろうか。代わりのロボットが、同じように掃除しているのだろうか。

 その未来を、俺は知らない。ただそんな未来を憂いても仕方がないので、俺はポケットに入れていた神珠の1つをアミクスに見せた。


「アミクスは、この神珠について、何も知らない?」


 俺の言葉に、アミクスは何も言わず自分の手にある球をじっと見つめる。


「……赤の神珠が本物であると照合完了。青の神珠をお見せください」


 その言葉に、俺はポケットに入っていたもう一つの神珠を見せる。


「……これのこと?」

「……青の神珠が本物であると照合完了。神殿の入り口に案内後、戦闘が必要となります。準備はよろしいでしょうか」

「待って」


 俺は、過去の時間軸と同じように、アミクスに待つように言った。


「皆を呼んでくる」

「かしこまりました。それでは、準備が済みましたら地下施設の入り口にお越しください」


 そう言って、アミクスは掃除を止め、施設の入り口へと向かった。アミクスが掃除をしようとしていた本棚のその個所は、本がどかされ空っぽで、モップが一本置いたままになっていた。

 そんな光景に少し切なくなりながらも、俺は小さく呼吸をして皆を呼びにアミクスと反対方向に歩き始めた。




 最初、アミクスに神珠を見せたのは偶然だった。何日経っても、神殿のある場所のヒントすら見つからず途方に暮れ、アミクスの作る食事を待ちながら、俺も深い意味もなく食堂で神珠を眺めていた。

 アミクスが食事を持ってきた。そして発した言葉は、さっきアミクスが言った言葉と同じだった。そしてその言葉を聞いたソフィアは、目を輝かせて言った。


『今すぐ行こう! なるほど、ただ聞くだけじゃダメで、神珠を見せなきゃいけなかったのか!』


 その時の俺達は、わざわざ見せなければいけなかった理由を深く考えていなかった。ただ好奇心のまま急いでご飯を食べ、アミクスに連れられ、ある場所へ向かった。

 勿論、ある程度の警戒はしていた。今までも神殿に辿り着く前に戦闘もあったし、アミクスも戦闘が必要になると言ったのだから。

 けれども俺達は、また操られた魔物が出てくるのだと想像していた。


 戦う相手は、アミクスだった。アミクスは自分の中に鍵があると言い、そして鍵を取るためには自分を壊さなければいけないと告げた。


 勿論、動揺した俺達はまともに戦えなかった。唯一戦えたのは、俺達とも一線を引き、アミクスを友達と認識していないゼノだったかもしれない。

 寧ろ躊躇せずに戦おうとしたゼノを、ソフィアは泣きながら止めた。そして最終的には、アミクスを庇おうとしたソフィアにゼノとアミクスの攻撃が当たって、ソフィアが死んだ。


 それから、俺はまず一人でアミクスに会い、皆に心の準備をさせてから神殿に向かうことにした。それでもソフィアがアミクスを庇ったり、リトラが巻き込まれたりと何度も繰り返した。

 けれども、ようやく道は見えてきた。しかも今回はゼノがアミクスの事を友達と言ったのだ。もう少し冷静に対処できるかもしれないとも思っていた。


 俺は、まずソフィアのいる研究部屋に向かった。


「ソフィア」

「……」


 名前を呼んでも、ソフィアは集中していて、いつものごとく無反応だ。そんなソフィアの肩を揺すり、今度は別の言葉を言う。


「女神様の件! 神殿の場所、わかったかも!」

「えっ、女神様!?」


 女神様という言葉にソフィアは反応し、目を輝かせて俺を見る。


「えっ、女神様が何!?」

「神殿の場所がわかったかもしれない」

「うそ!? どこ!? どこにあったの!?」

「説明するから、食堂に行こう。皆を探してきて」

「わかった! 任せて!」


 そう言って、ソフィアは部屋を飛び出した。俺はそんな姿に少し笑いながら、今度はゼノのいるであろう場所に向かう。

 リトラのいる場所だけは性格が変わっているから見当がつかないけれども、きっといつも通りならウルティオさんとリトラを連れて来てくれるだろう。


 そう思っていたけれども、ゼノも少し心情に変化があったから、いつもの場所にはいなくて少し時間がかかった。ゼノを連れてきた時には、リトラもウルティオさんも既にいた。

 リトラは俺と目が合った瞬間、また顔をそらした。そんなリトラに、胸がドクドクと鳴る。

 けれども、深く考える前に、ソフィアが俺に飛びついてきた。


「ねっ、ねっ、それで、神殿はどこにあったの!?」

「……アミクスが知ってた」

「えっ、アミクス!? でも、アミクスは知らないはずじゃ……」

「神珠を見せたら、照合? っていうのを始めたんだ。それから、反応が変わった」

「ふーん? それで!? アミクスはどこ!?」


 そう言うソフィアを、俺は真面目な顔をして見つめる。


「待って。アミクスは、神殿に連れて行った後に戦闘が始まるって言ってた。だから、準備していかないと」

「戦闘……? そうか、確かに神殿の前に、ネロちゃんもダイ君もいたもんね! 今回は何と戦うんだろう……」

「ソフィア」


 俺は、真面目な声でソフィアの名前を呼んだ。


「もし戦う相手が、アミクスだったらどうする?」

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