登場用語
・インセント大陸
日本の東北から東に約400キロの距離に存在する面積950万平方キロメートルの大陸で大陸中央には巨大な山脈が聳え立っており、そこには強力な魔獣が生息している(なお、この山脈が存在することによって中央部でのキリアース同盟とコクリアス教国家は隔たれる形となっている)。転移後に日本が初めて接触した大陸であり、区分上は魔法文明圏に属している。全体的な文明レベルとしては中世だが、前述したように魔法が存在することから、通信技術などは近世並。鉄砲は存在しないが、魔弓と呼ばれる矢を使用者の魔力を使って遠くに飛ばす技術があり、その実用性は火縄銃が不要なほど。この大陸に存在する国家は親亜人国家と反亜人国家に二分しており、中立的な国家は存在しない。
・魔法
科学と対を成すもう一つの学問。誰でも扱える科学とは違い、基本的に使用者の魔力に依存する。属性は火・水・雷・風・土・氷・闇・光・神聖の9つの属性に分かれており、これはどの世界の魔法文明圏でも共通している。神聖魔法は宗教が大きく関係しており、基本的に宗教関係者しか使うことが出来ない。新たな神聖魔法を使うことが出来れば新たな宗教を開祖する資格を得る事が出来ると言われている。また光魔法や闇魔法はそれぞれエルフとダークエルフしか使うことが出来ないので、実質一般の人間が使える魔法はそれ以外の6属性。洗脳系の魔法なども存在するが、そのいずれもが相手の魔力に干渉して浸透するという形式であるため、魔力を持っていない人間には通用しない。
・魔信具
簡単に言えば、魔方式の通信機。魔力を持っている人間にしか使えないというデメリットこそ有るものの、その通話距離は相手の魔信具の魔力波に合わせることが出来れば事実上無限。魔力波を個人に設定することで“念話”も可能だが、性能によっては相手が止まっている必要がある。
・魔道具
後述する魔鉱石によって作られる魔力によって起動する道具。魔信具や魔法杖などもこれに当たる。使用者の魔力を使用して動き、中には科学によって作られた機械製品よりも使い勝手が良い物も有るが、その性質上工作機械による量産化は不可能であり、全て手作りで作らなければならないために生産性はかなり悪く、量産効果も機能しない。
・魔鉱石
魔力を吸収することで力を発する特殊な鉱石。魔道具は全てこの鉱石を使用することで作られる。科学文明にとってはただの石ころだが、魔法文明圏にとっては力の源泉そのもの。汎用性が高く、強い力を発揮する一方、扱いが難しいためにこれを使用して何かを作る鍛冶師には一定の技量が求められる。
・獣人
亜人と呼ばれる種族の1つ。魔法を殆ど扱えない一方で身体能力は全ての種族の中でも一番高く、仮に技量が全く同じであれば1対2でも人族の戦士を圧倒することが出来る。ただし、それ故に戦いにおいて個人の技量に頼る傾向が強く、野戦には不向き。
・エルフ
亜人と呼ばれる種族の1つ。保有魔力は全ての種族の中でも一番多く、魔法文明圏の世で『優秀な魔導師』と言われるその殆どがエルフで占められている。そして、エルフの中にはハイエルフと呼ばれる高貴な一族が存在しており、基本的にその一族が人間社会で言う王侯貴族などのエルフ社会における特権階級となっている。
・ダークエルフ
亜人と呼ばれる種族の1つ。エルフと容姿や保有魔力はほぼ変わらないが、唯一肌の色だけが違い、エルフが白い肌なのに対して、ダークエルフは褐色の肌をしており、そのことから偽エルフとして人族だけでなく、同じ亜人からも迫害の対象となっている。
・ドワーフ
亜人と呼ばれる種族の1つ。見た目は人族とあまり変わらないが、体格は基本的に小柄で手の作りが人族と少々違う。物作りが得意な種族であり、人間が十年掛けて身につけられる物作りの腕前をその半分以下の時間で会得することが出来る。
・人魚族
亜人と呼ばれる種族の1つ。見た目は人族と変わらないものの、下半身を魚の鰭に変身させる魔法を使用することができ、潜水時間は初心者ですらボンベ無しで10分。熟練者であれば一時間以上潜ることが可能。潜水深度は平均で100メートル程。
キリアース同盟
コクリアス教国家に対抗するために亜人諸国(とカイナ王国)によって形成された国際組織。基本的に亜人諸国が中心となって形成しているために人族と亜人の混合国家であるカイナ王国の扱いは良いとは言えない。