殺戮の後で
もはや殺戮と言うほかない、一方的な戦い。
世界を守れず死んだ男達の屍の中、ただ一人生き残った青年が立ち上がる。
あらゆる現代兵器を蹂躙した銀色の怪人は、それを見て哄笑する。
小僧、貴様は幸運だ。一万分の一の奇跡で、他の者よりも一分だけ長く生き延びたぞ。
満身創痍の青年は、冷たい怒りに満ちた眼差しを怪人に向ける。
何だ、その目は。
そう言いかけた怪人は、青年の纏う異質な迫力に表情を改める。
貴様、まさか。
怪人に答えることなく、青年は己の右腕を斜め上へと突き上げた。
「変身」