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ふたりの時間。

作者: 泉末広

すやすやお眠り、なにもかも忘れて。

心地いい風に包まれて、始まりも終わりもない果てにいってらっしゃい。

まだ時間はある。

ひしゃげた憂鬱に流し目で離れていって。

まだまだ時間はたっぷりあるよ。

気持ちいい雨に包まれて、疑いも恐れもない最中にいってらっしゃい。

労しい渇きから守るため、水を用意したよ。

煩わしいいざこざから救うため、甘いもの準備したよ。

穢らわしいとばっちりから逃れるため、苦いもの忍ばせておいたよ。

おすすめされたニュースに目を通して、おすすめできない理由がまかり通る。

もう少し時間はある。

瞑れた日の出に、回りくどい幸せの横流し。

聞き取ることが苦手だから、明日の予定を書き残していて。

覚えることが難しいから、明日の予想を書き残していて。

きっと今夜に読み込んで、気付きもないくらいの驚きを企てておくから。

あとちょっと時間がある。

すくすく育め、二人の時間。

ちょっと辛めの口づけで、冷めない夕立教えてあげる。

だから、あと少しだけ。

半透明の幸せの最中に、あぶくを追いかけて空の底に。

固い卵を割って飛び出る、ふたりのこの上無いしょっぱい時間。

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