絞りカス
私は個室の椅子で枯れる。とにかく多くの薬をと言うことで精製し、気付けば水を飲みながら。手から出す事を行い続け空腹により動けず。体が老いた気もするほどにリリィちゃんに絞られた。
戦況は非常によく、敵を船まで押し返して乗り込み敵の船を占拠するまで行ったとのこと。押収された船から薬剤などを使い回復に専念する。親衛隊はゼロ様の登場と号令で士気が上がり死にもの狂いで戦い。ナナリとリディアは遊撃手として活躍したらしい。ヴァル様は盾役で押し込む戦いや、敵の籠城するコックピットの壁を破壊するのに大いに活躍したとのこと。そして私は椅子で白くなる。
「……」
「トル、ここか……どうした!? その姿!?」
「みんなのお薬……作ったの私です。うぐ」
ここへ来て、私はゼロ様と問答を繰り出す事を躊躇する。もう、だめだ。
「……ドリアードとして。一生……悔いがある木生でした……」
「いや、枯れるな!! 水か!?」
「栄養、魔力、水……全部たりません」
「全部じゃないか!? すぐに用意するから!! 横になっておけ」
「…………たぶん死ぬ」
「いや、お前!? 諦めるな!!」
私は横になって気を失い。そして、次に目覚めたときゼロ様の声が遠くに聞こえ私は不意に彼の腕にかみつく。
*
俺はトルのために食事を用意した。令嬢たちはシャワーを浴びてる中で俺だけが彼女の心配をすることに違和感がでる。友達のことを信じてるのか見捨ててるのか判断がつかなかった。
「え、トル!? 痛ぅ。食事持ってきたぞ!?」
「ジュル……」
「……く、おい」
トルの眼は全く焦点が定まってないのか腕にかみつき、血を啜る。トルの獣のような姿に吸血鬼を思い起こさせたが、そういう事件は「飢餓のドリアードの仕業でもあったのではないか」と思えた。血を啜っても生き残ろうとする生存本能に正直ビックリする。しかも、最初は痛いが途中、痛み止めを打ち込むのか痛みはない。
「じゅる……じゅじゅ」
彼女の食事を見ながら頭を撫でる。「よく頑張った」と言える状況だった。親衛隊の損耗率も低く。完勝と言っていいぐらいな成果だった。
「ドリアードが寄生する理由も頷ける」
これだけ有能なら、人間も利用しようとするだろう。知るからこそ驚く事が多い。そして『禁書』指定になる。彼女はやはり聖女の末裔なのだろう。
「んぐ……ぷはぁ……」
トルはそのまま腕を噛みつくのをやめ、傷口を治して目を閉じて倒れる。そのまま俺は頭を撫でようとした時、枝が俺の体を掴み引き込んだ。今度は魔力を奪うためだ。トルに意識はない。
「ぐ、強い」
俺は個室で鍵をかけており、尚且つ防音。そして魔力が吸われるために練ることができず困る。理性のない魔物のような状況だ。そして、それ以上に危機感を覚えるのは。
「トル!?」
トルの眼や口元が笑みをこぼし、そして服を自分で破き始めた。あらわになる下着にビックリし……俺はトルに拳を叩きつける。
しかし、その拳は根に絡まれ。そして、トルに唇を奪われた。それは強い催眠の魔術と唾液の含んだ何か薬が含まれており、その術を思い出す。房○術。魔術などに長ける種族が知らないわけがないし、○中魔術として敵や寄生先を籠絡するために使用してきただろう事が予想出来た。また、ドリアードの生体でそれは有効な回復手段とも考える。
逆に俺はそれを察して、抵抗の意思を示せたのは僥倖だった。トルは意識がない。こんな中でそれは彼女の意思に反するだろう。それに王家はその魔術や睡眠、催眠に対して絶対な抵抗力や対抗手段を学んでいる。多くの悲劇を経験した王家としても彼女の術中は看過できない。
「待てよ?」
そう、見逃す事は……出来る。俺がシラを切れば。俺は心の中で葛藤する。葛藤し、悩み。そして、考えた結果はトルが潰した。時間をかけすぎたため、俺は食中植物の腹に入ってしまった虫のように動きを封じられる。彼女の吐く毒息を深く吸い込み意識を失うのだった。
*
私は目が覚めた。強い充足感とカラダの軽さ。そして、前よりも強い魔力に首を傾げる。体は何故か裸であり。何があったかを私は……思い出させた。
「ああああああああああああああああああああああああああああああ」
頭を抑え、隣でぐったり寝ている彼に私は叩く。夢だと思っていたあれらが現実なのかを確認するために。
「起きなさい!!」
「あぐ、トル……起きたのか?」
「聞くわ!! 私と寝たの!?」
「寝たと言うより捕食された感じかな……ごめん、俺は無力だった。君を正気に戻すまでは強くなかったようだ」
「……生きてるわね」
「死ぬかと思ったが。それは耐えた」
「くぅ、絶対に皆には秘密よ!! わかった!!」
「……無理だと思う」
「畜生!! いやぁああああ」
「……」
ゼロは小さく笑いながらまた眠るのだった。それに私は苛立ち、たたき起こすが……彼を怒らせてしまい。弱っていたため敗北した。次の日、あのナナリさえ数時間は目を合わせてはくれなかったのだった。




