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100倍スキルでスローライフは無理でした  作者: ふれっく
第一章 銀髪の少女
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第一話 END THE GAME

 最後に寝たのは何時だったか。


 そんな事を考えつつも、意識は常に目の前の "敵" に向けていた。

 巨大な鎌を担ぎ、黒の襤褸(らんる)を身に纏う。その姿に誰もがこう答えるだろう、"死神"だと。


 幾度と挑み、適わなかった強敵。それでも少しずつ凌げるようになってきた。嫌忌(けんき)するほどに戦った相手だ、攻撃のパターンや行動は全て把握している。


 無駄な思考に気を取られている間に、相手は鎌を振り被った。数多の攻撃パターンを予測し、身構える。


「……?」


 攻撃が来ない。振り被ったまま静止し、まるでこちらの行動を見計らっているかの様だ。


「ははっ、まだあるのかよ……」


 見覚えの無い攻撃パターンに、乾いた笑いがこぼれる。新しいフェーズに入ったのだろう、果ての見えない消耗戦を前に絶望の二文字が頭を過ぎる。

 余力は無い。未知なる攻撃を防ぐ術など無く、回避できるかは運次第。避けたところで状況は劣悪、まさしく詰みだ。


 なら、最後に一泡吹かせてやる。


 呼吸を整え、踏み込む。互いの距離が縮まっていく、それでもまだ相手は動かない。鎌のみではなく、視野は常に広く。僅かな動きにさえ、全神経を集中させる。


 目前にまで迫った時、足元が僅かに揺らぐ。反射的に後退すると、地面から骨針が貫いた。間一髪、しかし僅かな猶予も許されない。その瞬間を狙ったように、鎌が振り下ろされる。当たれば即死、だが隙は与えない。

 最小限の動きで攻撃を躱し、がら空きとなった懐に最後の一撃を叩き込んだ。


 ──────。


 時が止まる。そう思わせる静寂が、辺りを包んだ。両者ともに動きは無く、緊迫した空気が続く。すると、相手の頭上に電子的な文字が浮かび上がった。


[ GAME CLEAR!]


 どこからとも無く軽快なファンファーレが響き渡る。表示された文字は、紛れもなく勝利を意味するものだった。


「……勝っ、た……?」


 先程まで猛攻を続けていた敵も、力を失ったかのように倒れ込み消滅する。残ったのは大量のアイテムや武具などのドロップ品の山だった。


「…………よっしゃぁあっ!」


 終わったんだ。誰一人としてクリア出来なかったクエストを、ついに攻略したんだ。

 開放感と達成感に浸りつつも、今までの疲労が一気に押し寄せてくる。もう少し喜びを感じていたかったが、蓄積されていた眠気により徐々に意識が遠のいていく。


 そうして俺は、ゲームをログインさせたままゆっくりと重い瞼を閉じていく。

 ゲーム内のテキストに何か書いてあったような気もするが、どうだっていい。

 今はただ、この眠気に身を委ねよう……。


[ 該当アカウント、及びプレイヤーの存在を確認 ]


[ これより、召喚に移行する ]



挿絵(By みてみん)

稚拙な表現も多いと思いますが、少しでも「まあ、オモロいやん」と思って頂けると嬉しいです!


めちゃんこ素敵なイラストは テナ 様より!

いや、可愛すぎん?もう完全に女の子やん??


ブクマの登録をして貰えると作者の励みになります。


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