虹の正体
あなたが虹を見ている時、あなたが虹があるなぁと思っている空間に実際にあるものは、実は単なる水滴だったりします。言い方を変えると、水滴で反射した太陽光を、私達は虹と呼んでいるワケです。
空中に浮いている水滴は、大きさは違えど全て表面張力によりきれいな球になっています。球型になった水滴に太陽光が当たると、当たる場所により異なる反射率、発散角で太陽光が反射されます。最も効率よく光が戻ってくるのは、水滴に60°ぐらいで光が入射し、一度水滴の裏側で反射し、もう一度水滴表面に対して60°ぐらいの角度で光が出てくる光路です。この場合、入射光と射出光のなす角は40°ぐらいになります。
そのようなワケで、全ての水滴が同じ方向に太陽光を反射する為、空中の特定の領域にある水滴だけが光って見え、あのリング状の虹の形ができるのです。
さて、効率よく光が戻ってくる光路の入射光と射出光のなす角度は40°“ぐらい”と書きましたが、この角度は色により微妙に異なります。そのため虹のリングの直径が色により異なり、カラフルな虹ができる、という次第です。
*** 理系向けおまけ ***
水滴の反射効率は、球面が光を屈折することによる集光効果と水表面の反射率が混じった複雑なものなので、前述の40°を算出するのは実は意外と大変です。ですが、このうち反射率だけなら簡単に計算できますのでちょっとメモしておきます。
物体表面の反射率は、その物体の屈折率と光の入射角だけでほぼ決まります。この事情はガラスも金属も一緒です。ただ、金属は屈折率の虚数成分(吸収率)が大きい為、ガラスと金属は見た目が異なるワケですが……。
さて、ガラスや金属に光が入射するときの光線が入射面法線となす角度の法則(高校でやったスネルの法則)は下記ですが……
Sin(θ1) = n Sin(θ2)
θ1:光線の入射角
θ2:媒質内での光線の入射角
n:屈折率
このとき、反射率は下記で計算できます。
〇 垂直振動成分(P波)
{ Tan(θ1-θ2) ÷ Tan(θ1+θ2) }^2
〇 水平振動成分(S波)
{ Sin(θ1-θ2) ÷ Sin(θ1+θ2) }^2
( ^2 は、二乗 の意味。エクセルの表記法 )
物体に吸収がある場合はnが複素数であることからθ1も複素数になって計算が若干メンドクサいですが、最後に二乗にすれば実数になるのでがんぱって計算します。




