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ガキは嫌いだ

 いい天気だ。うん蒼天だね。涙が出るよ。

 近づくにつれ商隊は護衛の者も雇い主らしい者も切り捨てられた後だったみたいだ。


 この状況で突撃しても多勢に無勢で反対側から接近している幼い児を連れた女冒険者は状況判断が出来ないようだ。

 バカは早く死ぬわけだが、今回はわしという加勢が居て盗賊達をいっしょに蹴散らしていた。


 母親の動きは危なっかしいが、幼稚園児ぐらいのちびっ子が補って無力化して行っている。


 わしは電気系の魔法やらスキルをもらっているので、手当たり次第に[スタン]を当てまくっている。


 ようやく制圧も終わり冒険者母娘が人の気配のする馬車の中を調べると交易品の奧から種族奴隷と貧困奴隷とおぼしき子供達がいた。


「ここの領主様の方針がかわったのかしら・・・・」

 この辺り一帯は、犯罪奴隷以外を認めない地域だと母親が言う。


 母子は「フィメ」と「フィナ」と名乗ったので、わしは「六精霊のバカどもに連れてこられた□□□□」と本名を名乗りかけたが、「六精霊」を出してくるのが縁起悪いなと言葉を濁してそのまま「ロック」と名乗ることにした。普段、「小次郎」か「KOJHIRO」で字数が少ないと「巌流」を使ったりととっさの偽名で違和感がなかった。

 なんか子供の視線がきつくなったのは気のせいか。


 乗りかかった舟だなので母子と次の街を目指すことにした。母子がどちらも馬を操れるというので荷物を二つの馬車に纏めて街のギルドで盗賊と商隊・奴隷商の持っていた鑑札を提示し説明、ギルドの認める証文で荷と奴隷の所有権を得、奴隷会館で犯罪奴隷でないことを確認してから解放した。


 攫われていた子供達は、親に売られたのか調べたのちギルドで捜索願が出ていないかも調べてもらい売られた以外は可能な限り親元に帰すことにした。


 ギルドに来たついでに、わしのギルド登録をすることにした。ナナにも早めに冒険者登録は早めに済ませておくとイイよと助言をもらっていたからで、決して受付のギルド嬢がかわいい美人でドストライクだったからではないことを明示しておく。

 カウンターから離れたくないとか時間稼ぎではなく慎重に申請書をよく読んでいると横からフィナがペンを取って、勝手に記入をしてきれいなおねいさんに「はい、これでいい?」と差し出して「いいお子さんねー」と頭をなでられているのを見ながら、「父親ではないです」と心の中で血の涙を流していたのはヒミツだ。

 そこのガキ、わしに向いて「えへへ、パパ誉められちゃったー」とか言うんじゃない。

 反論したいが美人の前ではしどろもどろのわし。声が出ないんだよっ。


 さて母娘には付かず離れずの距離に協力者が多くいる様子で、後のことはほとんど丸投げとした。

 わし?、うん傷つきやすいメンタルの回復もそれなりに時間がかかるんだよ。


 解放しても当てのないものが殆どで、身寄りの無いとか帰る当てのない者はヲタ村と呼ばれる母子の拠点へとつれて行くことになった。


 母親の年齢は聞けなかったが、子持ちに見えないぐらい若く見えた。4才児だという娘曰く「頭の中がお花畑だから若く見える」のだそうだ。


「なー、おっちゃー。ほれにちょこっとだけ乗せて」

 フィナには盛んにバイクに乗せろとせがまるので、脇に手を入れ、後部シートにまたがらせる。意趣返しに心持ち力をぎゅっといれるがも、平然としてやがる。くすぐった方が良かったか。


「ちゃーう、まーえ」

 馬乗りになったフィナがうんしょうんしょとタンクぎりぎりまで移動して手を伸ばすがハンドルに手は届かない、足もペダルにすら届かないなどやっと現実を認識したようだった。

 手足をパタパタさせる子供の姿はかわゆいものだと口角が上がったのを見つけられて、後からローキックの返礼を受けた。 やっぱガキは嫌いだ。


「おっちゃー、時間もらうで。損はさせん、耳寄り情報や」

 母子と分かれる少し前にフィナからこの世界にいる〝マレビト〟について簡単な説明と〝メニュー〟についてレクチャーされた。

 たしかに有意義な情報だった。


「ほれでなー、おっちゃー。ちょっと相談やけんどな」

 知識を与えた代わりにもう一度バイクにまたがらせろと言うので、またあのジタバタする姿が見られるんだとニヤニヤして二つ返事で乗せてやると、従魔のスライムを手足の延長にして、乗りこなしている。ブレーキターンが好みのようで、タイヤがちびるから止めて欲しかった。


「かー」

 よこせと言われて、六大精霊(ごみふじょし)に連絡を入れるとポケバイを顕現してくれたので「やー」と言うと「ちゃうちゃう」と首を振りのったばかりの大きいのを指さすので、もう一台調達しってもらった。


「ほななぁー」

 大小のバイクをインベントリィにいれたのか親子は徒歩で街を去って行った。



 あの親子は何だったのだろう。背後の集団も含めてだが。



 ヲタ村とやらへ出発する集団から、一人の子供を預かった。

 保護した子供の一人がギルドの掲示板に貼られた『尋ね人』の可能性が高く依頼主はかなり遠く移動の早いわしに託されたのだ。


「お名前は?」

 3~4歳児ぐらいの女の子は、フィナとは言葉を交わしていたから喋れないわけじゃなく、わしが避けられているのか。

 ふるふると怯えて答えてくれないとは、凹むぜ。


 お読みいただき、感謝します。

 1話目の説明を手直しし足早に進め、物足りないと思います。


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