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涙の旅立ち

 とてつもない爆風に周囲が包まれた後、一瞬(?)意識が途切れた感じがして、気づくと白い円形の部屋にいた。


 自分の他には、女性が6人いて、抱き合い床にしゃがんでる2りの他は壁やらディスクトップのモニター見たり、あとスマホであたふたと誰かと連絡を取り合っているのとか。

 壁のモニターの一つには、爆発に巻き込まれたわしの姿が連続だったり断片だったりで繰り返し再生されていて、それを見ながらコンソールを操作しているのとか。


 わし、ほったらかし?


 怒ってもイイかのぉ。


『イイよぉ。それに伴う「躾け」権限を譲渡し・・・・まうまっ』

 なんか誰かと乱闘しているのか雑音混じりに頭の中に女の声が響いた。


 えっ、なんだって?


『あっちょっとナナちゃん、そこだめぇー』

『えーとね、その世界の創造神に変わって代行者の私が説明行いますので、恐れ入りますがご迷惑ついでに私の指示で動いてください』

 先の女性よりも若い、むしろ幼い声が届いてきた。女性の年齢については禁忌とすべし、便宜上少女としとこう。


 創造神とその代行者からの言葉を・・・・・突然言われても信じられっかよぉ!


『ごもっともです。ご信頼のカケラもございませんよね』


 うむ。


『では・・・・・・・』

 その代行者と名乗った少女は、わしの黒歴史を並べ立てた。


「・・・・・・。」


『もっとお聞きになりませんか。特に今から数年後のなんか、それはもう抱腹絶倒ですよ。おすすめです』


「もう結構です・・・」

 負けた。わしは力なく指示に従うことにした。敗者の矜持である。これ以上恥辱を言われたくないからではない。


『はい、でわ第一から第六までの顕現体に対して上位者設定にしました』

「はい?」

『簡単に言いますと、そこに散らばっているゴミどもですよ』


 わしは、ナナと呼ばれる少女の指示により、抱き合いながら床でぶつぶつ言っているゴミ二つにびんたをしてから踏みつけ言い放った。

「てめーらゴミども、これからきっちり躾けてやるぞー」


 後で知ったが、現世地球よりも高位の存在で、仮設とはいえその世界では"六大精霊"として世界の均衡と安定を司る実習中だとか。極東のサブカルチャーに毒されている6柱の実習生に、監督指導を行う立場の創造神とその神支も手を焼いている現状。


 ゴミと呼ばれた6人はレアな限定版の"お宝"の争奪戦にヒートしすぎて、乱闘が始まり火の司が炎を出したら、風の司が風圧で押し返そうとしたところへ水の司が鎮火させようと濃霧を発生させたが、先に土の司に水滴の核となる粉塵を要請したので鎮火でなく粉塵爆発となり、そのエネルギーを光の司と闇の司が繋げた別空間へと・・・・巻き込まれたわし。方向違えばジジイの給油所が大惨事だったのに、なぜにこっち側なのかはさておき、こやつらどう料理してみようかね。


(せっかくの白い部屋なのに直後の経緯は簡略して第一話でやったから、割愛しますね)


 土の司に大きめのガラスで出来たバスタブを作らせ、水の司と火の司に熱湯を張らせた。

「さーこれから、第一回熱湯コーナーだ。誰から逝ってってもらおーかなー」

「「「「「「聞いてないよぉー」」」」」」

 サイコロで順番を決め名前を入れていきトーナメント票を作り、そもそもの原因となったお宝争奪熱湯ショーを開始した。

(簡単だけど内容はカットね。すでにアレやコレやら妄想してるでしょ。)


 "六大精霊(ふじょし)"どもは、"限定版"だとか"レアモノ"という言葉に弱いみたいだ。宝物庫の封印を解きナナ提供の不可視の爆破紋を"保存用お宝"に貼り付けていき別な方向からも牛耳ってみたりもした。


 ナナ曰く、創造神もだらしなくポカが多くて周囲に迷惑をかけている『粗大ゴミ』だ。そんなんでいいのか?


 決して死ぬことのない"六大精霊"をいろんな『暴力』という鉄槌で蹂躙してから、わしはこの世界を旅することにした。


 そんなこんなで改心したのか"六大精霊(ふじょし)"どもはわしの旅立ちに涙した。


「いや、だから そんな格好で見送られても嬉しくないんだが」

 変なはっぴ姿に、販促旗を振り回してやがる。こやつらそれなりの格好でじっとしてれば超絶美女だというのに、残念すぎる。


 ナナ経由でいくつか加護をもらい、目的地も決めぬまま現世地球から取り寄せたオフロードバイクで旅立った。


 ナナ氏依頼の初動は、四天王像などが悪鬼を踏んづけているのを参考に想像してください。

 お読みいただき、感謝します。


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